小児科」タグアーカイブ

オミクロン株で分かっていること【内科・小児科】

新型コロナウイルスについては、年明けからの猛烈な感染拡大が続いており、若干ピークアウトの様相も出てきたものの、まだしばらくは感染が高い水準で続くと思われます。また感染の広がるスピードを見ても、ほぼオミクロン株に置き換わっていると思って良いでしょう。

オミクロン株は、潜伏期間が短いのが特徴で、感染後2~3日で症状が出ると言われています。また、ワクチンを2回接種しても感染はします。(いわゆるブレイクスルー感染)。しかし、ワクチン接種をしておくことで、仮に感染しても重症化は抑えられます。

症状は軽いと言われていますが、これについてはワクチンの効果も大きいと考えられるため、実際のところノーガードの場合がどうなのかは、まだまだ検証が必要です。

また、一般の方が考える軽症・重症の定義と、医療的な意味での軽症・重症の定義は、かなりイメージに乖離があると言っていいでしょう。軽症扱いでも人によってはかなり辛い症状が出るので、感染しないに越したことはありません。

所沢市でも年明けから感染者数が一気に増えてきて、子どもたちへの感染も広がっています。感染経路は保育園、幼稚園、小中学校で子どもたちが感染→兄弟や大人たちへ感染が広がるというケースが多くなっており、第5波までのように、大人→子どもという経路は少なくなっています。

また子どもについてはほとんど無症状というケースも多くみられます。このように子どもについては、これまでの株同様、症状が軽いことがほとんどなので、普通の風邪の治療と同じような形になっています。

まずは大人が感染しない、させないようにきちんと感染対策を行うようにしてください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

5~11歳の新型コロナウイルスワクチン接種についての見解

オミクロン株の流行で子どもたちにも感染が広がってきています。このような状況を受けて、5~11歳までの小児にもワクチン接種が開始されることになりました。

所沢市でも子どもの感染者数は増えていて、学級閉鎖や学年閉鎖も多くなっていますが、重症化したケースは決して多くありません。

ただし症状が軽い人が多いというだけで重症になる子もいます。これまでは罹患率が低いので、重症化する子どもは少なかったですが、罹患率が高い現在では、重症者は一定数出るでしょう。子どもに感染が広がってしまっている今の状況では、予防接種による感染抑制は重要だと考えます。

一部情報では症状がインフルエンザなみと言われていますが、実際のところ感染力がインフルエンザの比になりません。現在の状況ですと、子どもたちの間での感染は収まるのがなかなか難しく思われ、感染者が出ることで学校閉鎖・学級閉鎖になってしまいます。子どもたちから貴重な学校生活・文化生活を奪わないためにも、ワクチン接種は進めるべきだと考えています。

また、すでに所沢では、高齢者の重症患者さんが入院できなくなっています。特に同居などお年寄りと接する機会の多いお子さんの場合、接種を積極的に検討していただきたいと思います。

また子どもから大人に感染が広がっている状況ですと、子どもの感染を抑えないと子どもを保護する大人がコロナに感染することになり、結果として子どもを守ることができなくなると考えます。

心配されるのは副反応だと思いますが、子ども用のワクチンは大人の3分の1とされています。副反応はある程度抑えられるでしょうし、重篤な副反応と言われている心筋炎は少なくなっています。

ちなみに大人の3回目接種についてですが、1・2回目にファイザー製ワクチンを接種した方たちの中で、モデルナ製ワクチンを避ける動きがあるようですが、交互接種についてはむしろ抗体価が高まるという結果が出ていますので、効果の程は問題ありません。

多くの方が心配されている副反応については、モデルナのワクチンについては、3回目は1・2回目の半分の接種量になるので、ある程度抑えられると思われます。

オミクロン株については、命にかかわるほど重症化する人のほとんどが、高齢者や基礎疾患のある方たちです。ワクチンを選ばず、できるだけ早く3回目のブースター接種を受けるようにしてください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

新型コロナウイルス濃厚接触者のPCR検査について

所沢市の学校や幼稚園等での新型コロナウイルス感染が増えてきています。それにより濃厚接触者が大幅に増えており、はらこどもクリニックにもPCR検査について、多数のお問い合わせをいただいております。

新型コロナウイルスのPCR検査については、仮に感染していたとしても、ウイルスが体の中である程度増えないと、確度の高い結果は出ません。そのため無症状の場合、濃厚接触者となってすぐに検査をしても余り意味がありません。

逆に急いで検査を受けた場合、その時点で陰性でも、数日して陽性になってしまうこともあるため、陰性だと安心して生活して、感染をより広げてしまう可能性があります。

ニュース等で、芸能人の方などが濃厚接触者になり最初の検査では陰性、数日経って陽性でしたという判定が出るのは、このような理由があると推測されます。

濃厚接触者となった場合、不安だとは思われますが、検査については焦らず、少し経ってから受けるようにしてください。

また学校や幼稚園などで、集団で濃厚接触者が出た場合、数十人単位になってしまうため、近隣の個別のクリニックで対応できるキャパシティーを超えてしまいます。検査キットの準備、医療スタッフの準備、検査会場の準備等が必要になるため、行政や医師会と協力して検査を進めていく必要が出てきます。

また上記の理由に加え、現在全国的な感染者の爆発的な増加により、検査キットそのものが不足してきているため、ある程度検査数も絞り込まなくてはならない状況になっております。

そのため、原則的には症状が出ている方の検査を優先させていただくことになりますので、PCR検査を希望されてもすぐには検査ができない可能性があります。無症状の濃厚接触者の方につきましては、学校や保健所の指示を受けつつ、経過を見ていただければ幸いです。

正常な医療体制の保持のため、ご協力をお願い致します。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

赤ちゃんのアレルギー【アレルギー科・小児科】

現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。特に食物アレルギーについては、1歳未満の乳児で最も多く発症します。早い子ですと、2、3カ月くらいでミルクアレルギーを発症するケースもあります。

赤ちゃんは自分で意思表示が出来ないので、大人が判断してあげる必要があります。例えば、ミルクを飲んだ後に顔色が悪化するようなケースや、離乳食を食べて蕁麻疹が出るような場合には、アレルギーを疑う必要があります。ただし乳児の場合、アナフィラキシーは余り多くはなく、食べてすぐには症状が出ず、ラグがあるケースもあり、判断が難しいこともあります。

母乳にアレルゲンが含まれている場合、アレルギーが出てしまう場合もあります。ただしアレルギーが出たからと言って、母乳をやめさせることは推奨されていません。母乳は乳児の成長にとって重要なものなので、アレルギーが出た場合でもきちんと評価をして、本当に止めなければならない場合だけ止めることになります。

また食物アレルギーに伴うアトピー性皮膚炎も発症するケースもあります。小さい子の場合、普通の蕁麻疹として診断されてしまうケースも少なくないため、きちんとした評価が必要になります。この場合は、肌のケアをしっかりと行いながら、少しずつ治療を行っていきます。

なお、食物アレルギー検査の中で、遅延型アレルギーの検査としてIgG抗体を測定するというものがあります。しかし、アメリカ、ヨーロッパをはじめ、日本のアレルギー学会でも、食物アレルギーにおいては、IgG抗体検査は診断的価値が無いと公式に否定しています。

困ったことに、日本アレルギー学会や小児アレルギー学会が公式に注意喚起の見解文を出している現在でも、IgG抗体検査を行っている医療機関は少なくありません。アレルギー検査をされる際は、注意してください。

(※日本アレルギー学会によるIgG抗体検査に関する注意喚起はこちらです。)

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

HPVワクチンの積極的推奨が再開されることになりました【小児科】

先日、2013年以降停止されていたHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの積極的推奨が再開されることが発表されました。まだ詳細は出ておりませんが、2022年度からではないかと思われます。

HPVワクチンは女子の定期接種(行政からの補助が出て接種費用は無料)となっており、小学校6年生~高校1年生にあたる年齢を対象に、全部で3回の接種を行います。

積極的推奨が控えられていた空白の8年の世代への救済措置として、無料で接種できるなどの保障が設けられる予定です。実費で既に接種している方については、どうなるか確定しておりません。

最近では地道な啓蒙活動の拡がりもあり、はらこどもクリニックの患者さんからもHPVワクチンに関する質問をよくいただくようになりました。よく質問されることについても、少しご紹介できればと思います。

まずこのワクチンは、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症を防ぐためのもので、その中で最も重要なのが「子宮頸がん」の発病を予防するということです。子宮頸がんは、HPV感染によって起こることがはっきりと分かっており、予防接種をすることで大きく発病を減らすことができます。

現在、定期接種では2価のサーバリックスと4価のガーダシルがありますが、そのどちらも約70%の子宮頸がんを防ぐことができると言われています。

なぜ接種の年代が思春期にあわせてたような形で設定されているかと言いますと、HPVは基本的に性交渉で感染するため、性交渉を行う前に予防接種をしておく必要があるからです。

感染後に接種した場合の効果は余り良く分かっておらず、感染しても早いうちにワクチンを接種すれば効果があるという説とそうではないという説がぶつかっている状態です。そのため空白の8年の世代へも保障があると書きましたが、既に大人になって性交渉をしている場合は、効果はあるのかどうか判断が難しい状況になっています。

また約90%の子宮頸がんを予防する効果があるといわれている9価のシルガードというワクチンも認可されていますが、こちらは現在任意接種のみの扱いになります。2023年度には、こちらも定期接種化がされそうではあるのですが、まだどうなるか分かりません。HPVワクチンは全部で3回接種の必要性があるため、3回目接種時に対象年齢から外れてしまう方は、9価ワクチンの認可を待たずに接種してしまった方が良いと思われます。

HPVワクチンは不活化ワクチンのため、接種に関する制限はほとんどありません。同時接種も可能なので、インフルエンザワクチンのついでに接種ということも可能です。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

思春期 女性ホルモンのバランスが不安定で起きる症状【小児科】

思春期は成長に伴い、ホルモン分泌が多くなっていき、アンバランスな状態になります。それにより自律神経に関係する症状が出ることがあります。

例えば、起立性調節障害といって、起立時にめまいや動悸が起こる病気や、低血圧になり朝起きられなくなるといった症状も良く知られています。

男の子に比べ女の子は月経や、乳房が膨らむなどの変化が大きいため、精神的にも色々と不安定になることも少なくありません。

また近年、思春期早発症の疑いの女の子が、年々増えているという現状があります。これは昔と現代の生活習慣の変化に伴い成長が早くなっていることも影響しています。例えば、原院長のお父さんが医師をやられていた時代(1950年代)では、初潮の平均年齢は14歳でした。現在は11歳と3歳も早くなっています。

本当に性モルモンの異常分泌で思春期が早く始まってしまっているのか、正常なホルモン分泌の範囲で成長が早くなっているのかを見極めるのが非常に難しくなっています。

これをきちんと判断するには、ホルモンの分泌量と共に骨年齢を計測することが重要で、これをきちんとできる医療機関がすくないという問題もあります。

非常にデリケートな問題ではありますが、お子さんと親御さんが上手くコミュニケーションを取りつつ、困ったことがあれば小児科医に相談してください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

この季節の小児の発熱について【小児科】

感染症というと新型コロナウイルスばかりに注目がいきがちですが、他の感染症はどうなっているのでしょうか。

まず感染症自体が新型コロナウイルスへの感染対策の徹底によって大幅に減少しています。感染症は大体流行する時期が決まっているのですが、感染数自体が少なく、季節性がなくなっています。

マスクや手洗いがきちんとできる年齢のお子さんたちについては、引き続き感染対策を行っていただくことで、感染症の拡大は防げると思われます。

逆にマスクができないくらいの乳幼児については、これからの季節ではライノウイルス感染症が厄介な病気となります。とにかく型が多く、変異も頻繁に起こるので、免疫が作用しにくく、何回もかかることがあります。

発熱はあってもそれほど高くなることはなく、咳や鼻水などの呼吸器系の症状が多いことが特徴です。特効薬的な薬はありませんので、対症療法が中心となります。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

今シーズンのインフルエンザについて【内科・小児科】

今シーズンインフルエンザが流行するかどうか、確定的な事は言えない状況ではありますが、これまでの流行のパターンを踏まえ、少し解説してみたいと思います。

日本でインフルエンザが流行する場合は、その前に南半球が冬の間に流行が見られるケースが多いです。今年はオーストラリアやニュージーランドでインフルエンザの流行が見られていません。また本州では比較的早めに感染者がみられる沖縄についても、流行の兆しが見られません。

やはり世界的に感染対策を行っていた影響が大きいと思われ、インフルエンザも感染が抑えられている可能性が高いです。

そのため、日本で流行が来るとしても、それほど早い時期ではなく、年明けなど遅い時期になるのではないかと推測しています。海外からの渡航制限がどの程度になるかも影響をおよぼしてくるでしょう。

新型コロナとインフルエンザの症状は似ていますが、インフルエンザの方が発症までが早く、症状が派手で短期間で悪くなる傾向にありますので、発症の状況をきちんとみていけば、判別は付くのではないかと思います。風邪症状があった場合には、症状の推移を医師にきちんとお話しいただくと、診察の助けになるかと思います。

今シーズンは、市場に出回っているインフルエンザのワクチンの数量が少ないため、接種希望の方でもすぐには接種が難しい可能性がありますが、上記のような理由から、それほど早めに接種をしなくても焦る必要はないと考えています。

インフルエンザのワクチン接種については、インターネットで予約ができますので、空き状況を見て接予約を入れていただければ幸いです。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

発熱外来で来院される際の注意点

はらこどもクリニックでは駐車場を拡張し、新たに感染外来専用の施設を設置しました。

通常の診察スペースとは隔離された場所で、他の患者さんと接触することなく、診察を受けることが可能です。

従来の感染室と併用することで、今までよりも受け入れ可能人数が多くなりました。

現在は新型コロナウイルスの感染状況も落ち着き、8月・9月に比べると、新型コロナ感染の患者さんも発熱自体の患者さんも少なくなっていますが、行動制限の緩和や海外からの渡航制限も緩和していることから、第6波が来る可能性は否定できません。

はらこどもクリニックでは、従来より行っていた自クリニック内でのPCR検査と、この施設を有効利用することで、新型コロナウイルスをはじめとした感染症の診察を、よりスムーズに行えるようにしてまいります。

発熱がある場合には、必ず受付に電話連絡を入れていただけるようお願い致します。

また、クリニックに到着しましたら、建物内にはそのまま入らず、再度電話にて到着した旨のご連絡をお願い致します。

感染外来の空き状況によって、ご案内をさせていただきます。そのままお車でお待ちいただくこともございます。

ご迷惑をおかけいたしますが、院内感染対策として、皆様のご協力をお願い致します。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

子どもが新型コロナに感染してしまったら【小児科・内科】

第5波もようやく収まり、少し穏やかな日々が戻ってきました。

但し、ワクチン接種もかなり進んできている状況で、波の高さがどのくらいになるかは分かりませんが、第6波は来るだろうと予測されています。

冬を迎え感染症が広がりやすくなる中で怖いのは、ワクチンを接種していない子どもたちの間での感染の拡大です。幼稚園、学校での集団生活で子どもが感染するケースが増える可能性があります。

子どもが感染しても重症化するケースはほとんどないので、そこについてはそれほど心配する必要はないかもしれません。しかし、子どもから親に感染するケースには十分注意する必要があります。

小さなお子さんが新型コロナに感染した場合、親ごさんが看病しないわけにはいきません。特に日本の場合は、ママさんが看病するケースが多くなると思いますので、ママさんが発病してしまった時は一番大変です。

検査で陽性になった家族全員が療養施設に収容されれば良いですが、今回の第5波でみなさんもご覧になった通り、医療体制がひっ迫するとそれもままならない状態になります。
他の感染症でもそうですが、子どもが感染症を持ってきた場合、看病する親が感染せずに生活するというのはなかなか難しいことです。

日本環境感染学会でも家庭内感染を防ぐためのガイドラインを出していますが、それをできるだけ守って生活するとしても、大人ならともかく、小さなお子さんの場合は、接触を避けるというのは難しいでしょう。

また家族は濃厚接触者になりますから、患者さんの症状が治まってから2週間隔離期間となります。テレワークが進んでいるとはいえ、仕事を抱える立場ではかなり厳しい状態になります。

生活そのものも隔離となると非常に難しくなります。家族全員が隔離となれば、食料品の買い物もできなくなりますから、ネットスーパーや、ウーバーイーツなどの置き配などでしのがなければならなくなります。1日2日ならまだしも2週間以上はかなりきついですね。最悪なのは、この状態で親御さんが重症化するケースです。

このようなことを防ぐには、現状ワクチンを接種することしかありません。幸いファイザーやモデルナのmRNAワクチンは、変異株に対しても高い重症予防効果があることが分かっています。まだワクチンを接種していない方は、状況が落ち着いている今のうちに接種をお願い致します。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379