月別アーカイブ: 2021年6月

お子さんへの舌下免疫療法について【小児科・アレルギー科】

子どもの花粉症が増えている中で、小さいうちに舌下免疫療法で花粉症を治してしまおうという方も増えています。今回はお子さんへの舌下免疫療法を検討されている方へ、参考になるような記事を書いてみたいと思います。

まず舌下免疫療法を始められるのは5歳からになります。(※将来的には引き下げられる可能性もありそうです。)
所沢市では子どもの医療費の助成が中3までになりますので、この期間であれば自己負担はありません。舌下免疫療法は長期に渡る治療になりますから、なるべく小さいうちから初めて、助成の期間内に終わらせてしまうのが良いと思います。

またお子さんが小さいうちに舌下免疫療法を始めることのメリットは、続けやすいことに尽きると思います。年齢が上がってくると思春期の影響などで親の言う事を全て素直に聞いてくれる話ではありませんし、中学になると部活動も始まりますから、本人がきちんと納得しないと治療を続けるのは難しくなります。

対して小さいお子さんは言う事を聞いてくれますし、例えば親子で治療をすれば薬の飲み忘れも予防できます。はらこどもクリニックでも小学生で治療を行っているお子さんもいますし、親子でやっているケースも少なくありません。

薬は毎日服用する必要がありますが、たまたま1日忘れてしまったからと言って効果が無くなるわけではありません。あまり頻繁に忘れるのはどうかと思いますが、週1回以内の飲み忘れくらいであれば問題ありません。舌下免疫療法は、とにかく続けることが大切な治療法です。

オススメは朝に薬を飲む習慣をつけることです。朝であれば仮に忘れても夜に飲めばいいですし、舌下免疫療法の薬は眠くなるなどの副作用はありませんので、学校に差し支えることも少ないでしょう。

ただし部活動の朝練がある場合は、薬の前後2時間の激しい運動は禁じられていますので、就寝前の服用の方が良いかもしれません。やはり部活動が始まると、色々と難しい面も出てきますので、小学校のうちにある程度終えてしまうのが理想的です。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

小児の白血病について【小児科】

競泳の池江璃花子選手が白血病からの復活を遂げ東京オリンピック代表の座を掴んだことは、非常に大きなニュースになりました。今回は白血病、特に小児の白血病について少し書いてみたいと思います。

小児の白血病は、小児が罹患するがんの中でも割合が高く、年間で700~800人程度の患者数が報告されています。大きくリンパ性のALL、骨髄性のAML、慢性骨自生白血病のCMLに分類され、ALLの方が比較的寛解率が高いと言われています。

昔はAMLだと治療は厳しいと言われていましたが、良い薬も出てきて治療法が確立されたこともあり、今ではAMLも不治の病ではなくなっています小児白血病全体として見ると、75%程度は寛解の状態に持っていけるようになっています。はらこどもクリニックでは、過去に3人小児白血病の患者さんがおりましたが、全員治りました。

白血病は小児科の治療法の方が、内科(成人)の治療法で行うよりも成績が良いことが分かってきており、現在では小児科の治療法に沿って治療が行われることも多くなっています。日本でも思春期は小児科が治療を担当することも多いです。池江さんの治療については想像の域を出ませんが、発症時18歳という年齢を考えても、小児科の治療法で治療が行われたのではないでしょうか。

白血病は寛解しても再発の可能性があるため、5年、10年というスパンで経過観察をしていく必要があります。

一昔前までは白血病と言うと不治の病で、発症したら命を落としてしまうというイメージだったかもしれませんが、今は決してそうではありません。早期発見し、急性への転化を遅らせきちんと治療すれば、池江選手のように元の生活に戻ることは可能です。

初期症状としては、貧血が一番わかりやすい症状で、はらこどもクリニックで診察した患者さんも、貧血がきっかけで白血病が判明しました。このように貧血は大きな病気のサインの可能性もあるので、たかが貧血と放置せず、きちんと医師に診てもらうようにしてください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
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