月別アーカイブ: 2021年3月

アレジオン 子ども向けドライシロップ自主回収のお知らせ

花粉症の治療薬であるアレジオンのうち、子ども向けの剤形であるドライシロップにつきまして、ICH-M7という医療品を審査する団体による安全基準に照らした許容限度値を超える「発がん性が不明の既知の変異原性物質」に分類される可能性のある分解物が確認されたため、メーカー側より自主回収の連絡が来ております。

今回のアレジオンについては、ICH-M7基準のクラスⅡに分類されています。「許容限度値」というのは、70年間毎日服用しても健康には被害が無いとされるレベルです。

今回のクラスⅡでは、その製品の使用等による重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況という基準になっています。ちなみによりリスクの高いクラスⅠでも、10年間服用して10万人に1人、がんを発症するかどうかというリスクの低いものです。(厚生労働省による薬品に関する自主回収についての情報へのリンク
このようにかなり厳しい基準値になっていますので、現状アレジオンをそのまま服用されたとしても、特に医学的に問題があるということではありません。

今回の自主回収についても、回収の対象は医療機関に残っている在庫を、念のため自主回収するという形であり、すでに患者さんに処方した薬については回収の対象外となっております。
とはいえ、大人が服用、ご自身が服用ならまだしも、自主回収となった薬をお子さんに飲ませるということには抵抗があるという方も多いと思います。お手元にあるアレジオンのドライシロップについて、不安な方はご相談ください。
(自主回収の詳細については、製薬メーカーによる公式リリースをご覧ください。)

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

「療育」(りょういく)ってなに?【小児科】

「療育」(りょういく)とは発達に問題があると考えられるある子どもたちに対し、問題があることでの困りごとや問題を軽減し、社会的に自立できるように支援を行うことを言います。

元々は身体障害のあるお子さんへの言葉として使われていましたが、発達に問題があるお子様について一般的に認知されるようになり、発達支援の意味合いでも使われるようになっています。

お子様にかかわる方々が、その兆候を感じ取って診察を勧めても、親御さんが認めたがらないケースも少なくありません。しかし、発達の問題については早く気付いて、早く療育を受けることが、結果としてお子さんの成長に大きな好影響を及ぼします。

従来、発達障害と呼ばれ、次いで自閉症スペクトラム障害、多動集中力持続障害などと呼ばれましたが、療育を早期に行うことで大きく変わり得ることなどから「障害」という文字をつけないようになっています。

ADHD(注意欠如・多動)については、コミュニケーション自体には問題がないことも多く、ある程度年齢が上がれば、薬による対応が可能になる場合もありますが、まず療育が基本と考えられていますので、療育は受けた方が良いでしょう。

自閉症スペクトラムの場合は、コミュニケーションが上手く取れないケースが多く、より療育が重要になります。
例えば自閉スペクトラム症のお子さんは、自分の興味のあるものに目線がいく傾向にあります。最初は全くコミュニケーションが取れないようなお子さんでも、その子の好きなキャラクターを、顔の横に置いて話しかけると、目線が動き、コミュニケーションに応じてくれるということがあります。それを繰り返すことで、言葉の発達に大きく影響してきます。

ただし療育を行っている施設や団体については具体的な情報が多いとは言えず、どこが良いのか分からない、また当然子どもとの相性もありますので、どこをどう選ぶかというのは難しい問題です。評判の良いところの空きを待っていて療育を受けるのが大幅に遅くなってしまうくらいなら、早めに療育を受けた方がよいと思います。

繰り返しになりますが、療育はお子さんの発達・成長に重要な役割を果たします。早めの診断、早めの療育、気になることがあれば医師に相談してみてください。また所沢市に限らず周辺の市町村では、医師の診断書をつけて申請すると、補助金が出ます。かなり負担が減りますので、上手く活用してください。

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花粉症のオンライン診療やっております。【アレルギー科】

オンライン診療を始めてから半年以上が経過しました。現在までに500人以上の方に登録していただき、100人くらいの患者さんが実際にオンライン診療を利用されました。

オンライン診療は対面と比べると、顔色や皮膚の状態が精細には分からない、触診ができないなどのデメリットもありますが、お薬によるコントロールの段階にある慢性的な疾患の診察には相性が良いです。

今の季節で言うと、アレルギー疾患である花粉症の治療にも向いています。花粉症の場合、なるべく花粉が飛んでいる外には出たくないでしょうから、オンライン診療を経てお薬を処方するという方法にはメリットが大きいでしょう。実際に花粉症の舌下免疫療法をやっている方の中には、オンライン診療を利用されている方もいます。

はらこどもクリニックの場合、オンライン診療に曜日や日付の制限は設けておりませんので、CLINCSアプリで空いているところを予約してください。

花粉症だけではなく、喘息・軽めのアトピー性皮膚炎・便秘・糖尿病・高血圧・高脂血症等の慢性的な疾患であれば、オンライン診療は利用しやすいのではないかと思います。

注意していただきたいのは、初診ではオンライン診療は利用できません。対面診療できちんと診察したうえで、経過についてはオンラインで問題ないと医師が判断した場合のみ、オンライン診療の利用とさせていただきます。また花粉症の舌下免疫療法については、新規で始める場合は、花粉症のシーズンが終わった5月頃からの開始となりますので、ご了承ください。

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ワクチン接種によるアナフィラキシーショックについて【内科・小児科】

ワクチン接種の副反応としてアナフィラキシーがあります。

アナフィラキシーとは、体内にアレルゲンとなる物質が入ることで、全身にアレルギー反応が現れることです。中でも蕁麻疹などの皮膚症状、呼吸困難、血圧の低下、意識の低下など命にかかわるような症状が起きることをアナフィラキシーショックと言います。

ワクチンには抗原となるタンパク質だけではなく、免疫効果を高めるためのアジュバントをはじめ、様々な成分が添加されています。ごくまれにその添加物に反応してしまうケースがあります。これらの成分は製薬会社の技術の核となる部分であるため、一般的には公開されていないこともあり、事前に防ぐというのはなかなか難しくなっています。

アナフィラキシーは、接種後15分以内に起こることが多いですが、起こった時に医師がいればきちんと対処することが出来ますので、死に至ることはほとんどありません。はらこどもクリニックでは接種後15分以上は院内に残っていただき、様子を見ることにしています。(お会計などの事務手続きの時間も含みますので、それほど長い時間には感じられないと思います。)何かあった時にはすぐに対処できるよう準備しておりますので、ご安心いただければと思います。

はらこどもクリニックでは、開業以来予防接種でのアナフィラキシーショックは0件で、点滴等で3人ほどアナフィラキシーが起こったケースがあります。数字的にみても、かなり珍しいケースであることは事実です。ちなみに日本のワクチンでアナフィラキシーが最も多いのは3種混合ワクチンです。

新型コロナウイルスのワクチンについても、海外での接種事例から副反応のデータがとられていますが、ファイザー製のワクチンでアナフィラキシーショックが報告されています。これらの方については、全員アドレナリンの処方で助かっているということです。

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