月別アーカイブ: 2018年6月

ムンプスワクチン、やった方がよい理由 その1 はらこどもクリニックブログ

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皆さんはNHKの朝の連続テレビ小説「半分、青い。」をご覧になっているでしょうか?

視聴率が20%を超えることもあり、とても好評なようです。この物語の主人公は、幼い頃、左耳の聴力を失ってしまいます。「ムンプス難聴」というもので、ムンプスウイルスが原因とされています。

ムンプスウイルスは、一般的にはいわゆる「おたふく風邪」を引き起こすウイルスとして認識されています。しかし実際には、「半分、青い。」の主人公のように、他にも様々な症状を引き起こす厄介なウイルスのひとつなのです。

おたふく風邪は、正式には「流行性耳下腺炎」と言われます。耳の下あたりにある唾液腺が腫れるのが特徴の感染症で、頬が腫れる様子がおたふくに似ていることから、おたふく風邪といわれるようになりました。症状としては、唾液腺の腫れ、それに付随する痛み、発熱などがあります。症状は軽いことが多いのですが、髄膜炎、脳症、難聴、膵炎など、まれに重篤な合併症を引き起こす場合があります。特に髄膜炎は、10%程度の割合で発症するとされていて、他の感染症と比べてもかなり高い割合となっています。(ただし、ムンプスからの髄膜炎は比較的予後が良いと言われています。)

ムンプスウイルスは、体内に侵入すると脳や脊髄に入ってしまうウイルスだということが分かっています。ムンプスウイルスは不顕性感染、何も症状が現れない感染も多いのですが、そのような場合でも調べると、髄液中の細胞が増えていることがあります。難聴も同様で、耳下腺が腫れるなどの症状が出ておらず、感染に気がつかないまま、いつの間にか耳がやられてしまうケースが発生します。ムンプス難聴は、700人に1人程度の割合といわれていますが、片側だけではなく両側難聴になる場合もあるので注意が必要です。

今回はムンプスに感染した時の症状などを紹介しました。次回はそのワクチンについて書いてみたいと思います。

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
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夏の食中毒対策 はらこどもクリニックブログ

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梅雨時から夏にかけて心配なものに「食中毒」がありますね。夏の食中毒は菌が体内に入り、その菌が体内で毒素を作り出すことで発生するものが多いです。主な原因菌としてサルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌などが挙げられます。

サルモネラ菌は鶏肉や鶏卵に付着していることが多い細菌です。少量のサルモネラ菌を摂取しても食中毒になることはなく卵1個や少量の鶏肉で発症することはまれです。理論上は1gほど鶏のフンを食べなければ発症しません。しかし、高温・高湿度では、爆発的に増殖するため、サルモネラ菌のついた食品を、夏の室温で放置しておくと危険です。6時間程度で発症レベルにまで増殖するといわれています。バーベキューなどでお肉を常温放置する場合などは気をつけたほうが良いかもしれませんね。ちなみにサルモネラ菌は、低温に強く、冷凍保存しても死滅はしません。

カンピロバクターは動物のフンにいる菌です。比較的少ない菌量(100個程度)で発症するといわれています。こちらも低温に強く、4℃でも長期間生存します。冷蔵庫の温度では死滅しません。近年、細菌性食中毒の中では発生件数が最も多く、年間300件、患者数にして2,000人程度おられるようです。少し前に野外のフードイベントで、お肉の寿司が原因の大規模な食中毒が出ましたが、これもカンピロバクターが原因と分かっています。またお肉だけではなく、魚介類を生で食べた場合にも発症する可能性があります。

病原性大腸菌は、様々な種類があるのですが、最も注意しなければならないのが、腸管出血性大腸菌です。代表的なものにO-157があり、ニュースなどで見聞きしたことがあるかと思います。こちらも少量の菌(100個程度)で発症します。ベロ毒素という強い毒素を出し、溶血性尿毒症症候群というものを引き起こす場合があります。毒素によって赤血球が破壊され溶血がおき、腎不全を引き起こし、尿毒症を発症します。

最近では、冷蔵・冷凍技術が上がり、小児の夏の食中毒は少なくなってきています。とはいえ、油断は禁物です。どの菌が引き起こす食中毒も、生食や加熱不足による感染が多くなっています。夏場はしっかりと食品に火を通して食べるようにしましょう。

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アレルギー各種検査について はらこどもクリニックブログ 

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最近、お問い合わせが多いアレルギーの血液検査や経口負荷試験について、ご紹介したいと思います。

はらこどもクリニックでは、いくつかのアレルギー検査を実施しています。アレルギーの原因物質を調べる「血液検査」気管支喘息の気道炎症の評価を行う「呼気一酸化窒素(NO)測定」涙の中のIgEの値を測定し、アレルギー結膜炎を調べる「アレルギー結膜炎迅速診断」、食物アレルギーに関して、皮膚で検査する「プリックテスト」、実際にアレルゲンとなる食物をどれぐらい食べられるか、安全性を確認する「経口食物負荷試験」です。

このうち、「プリックテスト」と「経口食物負荷試験」については、予約制となっています。時間としては、昼休みの時間帯に来て頂き、試験を実施します。これは試験の中で、何か症状が出てしまったときでも、迅速に対処できるようにするためです。

負荷試験については、予約すれば誰でもできるというわけはありません。はらこどもクリニックでは、検査のみ実施ということはしておりません。検査は診療の一部であって、将来的な症状の改善を目指す流れの中で行うものです。「経口食物負荷試験」は負担も伴います。できる患者さんがそれほどいるわけではありません。検査をすることが目的なのではなく、その先、何のために検査を行うのかが重要なのです。

近年、何らかのアレルギーをもつお子さんは増えていることから、アレルギー検査については、医療機関によっては数ヶ月待ちというようなところもあるようです。実際に検査のご要望も増えてきています。しかし、はらこどもクリニックでは、上に述べたような考え方にもとづき、しっかりとした診察・治療の中で検査を行っています。アレルギー検査をご希望の方は、まずその必要性も含め、診察に来たいただければ幸いです。

 

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新井恵子先生のご紹介 はらこどもクリニックブログ

今回は、4月よりはらこどもクリニックに勤務していただいております新井恵子先生について、ご紹介したいと思います。

新井先生は、広島大学医学部を卒業後、麻酔科を経て、長らく内科、プライマリケア医として活躍されていました。この度、はらこどもクリニックの内科機能を強化したいという中で、来て頂くことになりました。

プライマリケア連合学会に所属し、漢方専門医の資格をお持ちのほか、身体の痛みを取り除く「ペインクリニック」を専門としており、AKA療法や筋膜リリースなどの手法を用い、腰痛などの痛みの症状を改善する治療なども行っていただいております。担当スケジュールとしましては、月・木・金・土曜日となっておりますのでご注意ください。

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