月別アーカイブ: 2023年2月

HPV9価ワクチンについて【小児科】

3月4日は、国際HPV啓発デーです。

HPVとはヒトパピローマウイルスの略です。HPVは主に性接触によって感染が広がり、感染するとイボのような腫瘍ができます。中でも子宮頸部に腫瘍ができやすく、それが悪性になると子宮頸がんになります。子宮頸がんのほとんどは、HPV感染によるものだと考えられています。

ワクチン接種によって、そのリスクを大幅に軽減することができるのですが、日本では定期接種にもかかわらず、長い間、積極的勧奨が控えられていたため、接種率が非常に低く、子宮頸がんで亡くなる女性は年間約3000人にのぼると言われています。

HPVには型が15タイプあり、ワクチンはそのうちハイリスクな型をカバーするものです。これまでの2価、4価のワクチンで60~70%程度をカバーできていましたが、9価ワクチンによってさらにカバーできる型が増えました。

9価ワクチンは既に世界ではスタンダードで、日本では導入が非常に遅れてしまっています。

今後は定期接種において9価ワクチンが選択できるようになります。定期接種のため、対象年齢の女子(小学校6年~高校1年相当の女子)については、接種費用が全額公費負担となります。

また上にも書いた積極的勧奨が控えられていた時期に対象年齢だったため、接種を受けられていない方については、キャッチアップ接種が実施される予定です。市町村によって公費助成の制度が異なる可能性がありますので、お住いの自治体のWEBサイトなどで確認してみてください。

またHPVワクチンは、本来、女性だけではなく男性も接種するべきワクチンです。男性が接種しておけば、将来的にパートナーとなる女性のリスクを減らすことができますし、男性自身もHPVによる病気を防ぐことができるからです。

陰茎にイボができたり、オーラルセックスによって喉に影響が出る場合もあります。悪性の場合は、陰茎がん、肛門がん、喉頭がんなどのがんになる場合もあるのです。

男性も定期接種の対象になっている国は数多く、オーストラリアでは子宮頸がんは希少がんと同等の数に減ってきており、2028年頃には、子宮頸がんという病気自体がゼロになるのではないかと予想されています。

ちなみに日本では、このペースでいくと子宮頸がんの撲滅は2260年頃になると推定されています。今後は男子への定期接種かも実現してもらいたいと強く願います。

子宮頸がんはワクチンで防ぐことのできる数少ないがんです。定期接種の対象年齢、そしてキャッチアップ世代で接種をしていない方、ご自身の命を守るために、是非接種をしていただきたいと思います。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

子どものしもやけ【小児科】

1月の終わりには10年に一度の大寒波も到来し、今年はなかなか厳しい冬が続いています。昔に比べると暖房や防寒服が良くなったため、絶対数は減りはしましたが、この季節、お子さんがしもやけになることも少なくないでしょう。

しもやけとは低温により血流が悪くなる循環障害です。指の先が腫れたり紫色に変色したりします。またその状態で温まって急に血流が良くなると、組織が壊れ、強いかゆみが出ます。

子どもは身体が小さいため、寒さの影響を受けやすくしもやけになりやすいです。しかしながら、手袋や靴下が嫌いな子も多く、床が冷たくても靴下を履かなかったり、自転車に乗る時に手袋をつけなかったりで、しもやけになりやすい手足の末端を守れないことも多いです。

また冬でも水遊びをしたり、手を洗ってもきちんと拭かなかったりと、手足を濡れたままにしておくのも、しもやけになりやすい原因のひとつです。

しもやけを防ぐには、手足の血行を良くすればよいので、当たり前のことですが、なるべく冷やさないようにすることが大切です。また手足が冷たくなったらマッサージをするとか、外から帰ってきたら、すぐ手足をお湯につけるというのも有効です。

しもやけになってしまった場合には、ヒルロイドなどヘパリン類似物を患部に塗るのが有効です。ヘパリン類似物質は血管を拡張し、血の巡りをよくする効果があります。お風呂上りや、学校へ行く前など、1日に数回、マッサージをしながら塗り込んであげましょう。

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