月別アーカイブ: 2019年9月

阪大微研製 四種混合ワクチンについてのお知らせ

先日、阪大微研が製造している四種混合ワクチン[テトラピック]という商品で、そのロット番号が4K23A,4K23B,4K23C,4K24A,4K24B,4K24C,の6つで、ポリオウイルスの抗原(ワクチン成分)が少なかった可能性があるとして、メーカーより行政と医療機関に連絡がありました。

はらこどもクリニックでは、該当のワクチンを接種された可能性のある方に対して、下記書類を郵送にてお送りさせていただき、既に対応させていただいておりますが、改めて今回のワクチンについての見解を載せてみたいと思います。

今回の件で抗体を測定すべきか 原の考え

ポリオワクチンは、日本のワクチンは生ワクチンウイルスを不活化(殺した)ものを抗原にしています。諸外国のワクチンは野外株(病気を起こす)ウイルスを不活化したものです。両者には、ウイルスを殺す中和抗体の産生させる力には差がありますが、生ワクチン由来のワクチンでも十分効果があるとして用いられています。発病阻止するに必要な効果は十分あります。抗原が少ないとしても、今回報じられている量では、発病阻止が出来なくなるほど効果がないわけではありません。発売された中での問題になるワクチンは限られていますので、4回接種の全てを問題になるロットのワクチンで受けられた方はいないだろうと思います。私は、ポリオワクチンの接種は必要だと考えています。免疫を持っていることは必要です。どうしても知りたいと思われる方を阻止はしませんが、もし行うのであれば、4回終了後にお受けになればと考えます。免疫は、抗体を作ることも大事なのですが、免疫学的記憶と言って、将来、病原体が侵入してきたときに、記憶していて速やかに抗体を造り病源体からの不利益を免れることが必要なのです。だから、4回目の接種が大事なのです。4回接種を受けていない人は、必ず、接種を御受けになってください。

B型肝炎ワクチンの3回目、麻疹風疹ワクチンの2回目、水痘ワクチンの2回目、おたふくかぜワクチンの2回目、肺炎球菌ワクチンの4回目、ヒブワクチンの4回目、日本脳炎ワクチンの3回目や4回目は免疫学的記憶を付けるために大事なのです。ポリオについては、今回の件は、発病するかもしれないという程のリスクにはならないと考えます。ただ、知りたいだけで子どもに採血という負担をかけることは無いだろうと思います。もし、どうしても行いたいと思われたら4回目のあとに高い抗体価が証明できれば免疫学的記憶の存在を証明したことになります。

今回、阪大微研は医療機関、行政の場に書類を送付しました。その内容は厚労省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000535794.pdf)からも一般の方も見ることが出来ます。抗体検査を必要とするかどうかは医師の判断にゆだねています。少なくとも、公的に行う予防接種の問題を、責任メーカーが医師の判断にゆだねるというのは如何なものでしょうか。先ず、問題が小さいであろうと思っても、それを被接種者に誰が、どのように知らせるのでしょうか。何もしなければ医師に相談する人もいません。不十分な情報提供を受けると、不安を招くだけに終ります。抗体測定、ワクチンの保障をすれば企業の責任が果たされたことにならないので企業は、学術的根拠に基づいた企業側の考えを示すべきだと考えます。

私は、危険なことが起こったのではないのですが、少なくとも接種した医療機関として通知をすることに責任があると考えて、このような対応を行いました。今回の件については、あまり大きく報道されておりませんので、ご存じなかった方も大勢おられると思います。不安に思う方は、まずこちらの文章を読んでいただき、冷静に判断していただければ幸いです。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

 

 

 

 

[アレルギー科]アレルゲン免疫療法のメリットと欠点

当ブログでも度々話題にしているアレルゲン免疫療法ですが、今回は改めてそのメリットと欠点についてご紹介したいと思います。

現在のアレルゲン免疫療法には、定期的に通院してもらい注射を打つ「皮下免疫療法」毎日患者さん自身で薬を飲んでもらう「舌下免疫療法」があります。全てのアレルギーに対し認められているわけではなく、スギ・ダニ(ハウスダスト)に対する治療が一般的なものとなります。

免疫療法のメリットは、治療を続けることでアレルギー症状が出なくなったり、長期にわたり症状をおさえることができるということです。また、新たな花粉(ハンノキ、シラカバ等)の反応(感作)を抑えることもできると言われています。

ただし、免疫療法は長期間継続して治療を行う必要があり、なかなか続かないのが欠点でもあります。免疫療法の治療期間は最低3年できれば5年と言われています。2年ですと治療を止めると症状が戻ってしまうことが多く見られます。

はらこどもクリニックでは、40歳以下の方の継続率が6割程度といったところでしょうか。特に花粉症の治療として行う場合、花粉の季節に近い時期は患者さんも危機感を持って通院、薬を続けてくれるのですが、喉もと過ぎれば熱さを忘れるという言葉があるように、しばらくすると忘れてしまう、止めてしまうことが多くなります。逆に高齢者の方の場合、薬を毎日飲む習慣があるため舌下免疫の治療が問題なく続くケースもあります。

最近では幼いお子さんでも花粉症の症状が強く出る子もいます。お子さんの場合、保険診療は5歳からとなっています。皮下免疫療法でお子さんの治療が続かない原因として、中学校から高校になるとクラブや部活動などで学校の時間が遅くなり、定期的な通院をするには生活パターンが合わなくなるというのがあります。

舌下免疫療法の場合、ある程度親御さんによるコントロールが必要になります。お子さんの場合、命にかかわる薬でも飲み忘れることがあるので、きちんと親御さんが薬を飲ませないと続かないでしょう。

中高校生になった時に薬を飲まなくても良いような状態にするには、小学校低中学年から治療を開始する必要があるため、小さい頃から始めておくのも選択肢のひとつです。

はらこどもクリニックでは、アレルゲン免疫療法を始めたいという方には、皮下と舌下どちらの治療法が良いのかを含め、それぞれのメリット、デメリットをきちんと説明し選択していただいています。

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[小児科]乳幼児健診ってどんなもの?

みなさんは「乳幼児健診」がどんなものかご存知ですか?意外にお子さんをお持ちの方でも、どんなことをやっているか理解している人は少ないのではないでしょうか。

乳幼児健診は、定められた月齢ごとに、お子さんが順調に育っているか、発達に問題がないか、病気にかかっていないかなどを診察する健診です。所沢市の場合、4ヶ月、10ヶ月、1歳6ヶ月、3歳と計4回の乳幼児健診があります。その内10ヶ月健診を除く3回は、保健センターでの集団検診、10ヶ月健診は、健診実施医療機関での個別健診となります。はらこどもクリニックも、もちろん乳幼児健診実施医療機関です。

健診実施の月齢は、各自治体によって多少の違いはありますが、基本的には「キーマンス」と言われる月齢で、これができていないと問題があるかもしれないというような基準に基づいて診察していきます。例えば4ヶ月健診の場合は、「首がすわっている」かどうかということです。また、○○という病気は●●の月齢で見つかりやすいから、それをきちんと診察しましょうというようなことです。

日本では厚労省が管轄する「健やか親子21」というものがあり、そこが発行する乳幼児健診のマニュアルをベースに行われています。その中で「発育・発達の確認」、「疾病のスクリーニング」と共に重要視されているのが、「教育」と「支援」です。

子供の健康を考えた時、その親御さんをはじめとするご家族も健やかな生活を送れていないといけません。子供の健康を促進するということは、健診で病気を見つけて終わりではなく、そのご家族が子育てで悩んでいることはないか、育てにくさを感じていることはないかということをヒアリングし、そのサポートをする必要があります。

はらこどもクリニックの考え方として、乳幼児健診のときだけでなく、普段の診察から多角的に診察していくという理念があります。小さいお子さんは自分で体の異変を説明することはできません。だからこそ医師が注意深く診る必要があります。例えば風邪や発熱で通院された時にも、他の病気の可能性や発育・発達の異変をしっかりと診るというようなことです。

同時にご家族の健康もできる限りサポートしていきたいと考えています。これは体の健康だけではなく、心の健康もしかりです。ですので、診察の際には、お子さんについてお悩みのこと、心配なこと、些細なことでも気軽に相談してくださいね。

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