月別アーカイブ: 2022年4月

子どもの飲酒・喫煙どうしていけないのか?

今年度から成人年齢が20歳→18歳に変更されました。しかし、飲酒・喫煙については、これまで通り20歳になってからという点は変わりません。これはなぜでしょうか?

一番は子どもにとって飲酒・喫煙が色々な意味で害が大きいということです。

まずタバコについては、正確には子どもだけではなく全ての年齢において、健康を害するという面ではよろしくありません。喫煙によってダメージを受けた肺は、喫煙をやめても健康な状態に戻るわけではありませんので、本数にもよりますが、若い時からタバコを吸っていれば、それだけダメージも大きくなります。

飲酒については、まず大前提として、アルコールが障害度の高い薬物であるということです。身体的な依存性が高く、中毒になった場合の離脱症状も激しいです。

困ったことに、小さな子どもがお酒を飲んでしまった(飲まされてしまった)ようなケースが、稀に報告されます。例えば、2歳の子どもにお酒を飲ませたケースでは、急激な肝障害を起こし、肝肥大が見られたという報告があります。

アルコールは肝臓で分解されるため、体が成長しきっておらず、肝機能が十分に発達していない状態での飲酒は、命の危険に関わるというケースもあるということです。

また中高生になって体がある程度できていても、飲酒が単なる飲酒だけに終わらず、窃盗などの犯罪行為や違法薬物の摂取につながるなど、その先の非行行動につながりやすいという点も見逃せません。

アルコールは、いわゆるゲートドラッグになりやすいのです。子どもは酒量のコントロールが効かないこともあり(最も大人でもコントロールが効かない人は少なくありませんが)、飲酒は制限されているのです。

心身が健やかな成長を遂げるにあたって、飲酒・喫煙は大きな害を及ぼします。子どもたちに、安易に飲酒・喫煙させないよう、大人もきちんと見守ってあげましょう。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

新型コロナウイルス感染症の後遺症について

新型コロナウイルス感染症については、急性期における発熱や肺炎などの症状とは別に、新型コロナ後遺症と言われる症状を訴える人が多くなっています。

典型的な症状として、倦怠感、咳や息苦しさ、味覚・嗅覚障害、脱毛、気分の落ち込みなどが報告されています。

新型コロナ後遺症は、現状、原因がはっきりせず、有効な治療法が確立しているわけではありません。そのため医療界でも大きな問題のひとつとなっていて、埼玉県医師会では2022年3月に「新型コロナ後遺症(罹患後症状)診療の指針のための症例集」というものをまとめるなど、対策に力を入れています。

何らかの後遺症状を訴える患者さんの頻度は高く、はらこどもクリニックでも味覚・嗅覚障害で治療をしている患者さんもいますし、症状によっては信頼できる耳鼻咽喉科の医療機関へ紹介したケースもあります。新型コロナが流行した初期に感染し、そこから約2年ずっと後遺症に苦しむというケースもあります。

今流行しているオミクロン株は感染しても症状が軽いということで、ワクチン接種(追加接種も含む)に積極的でない方もいるかもしれませんが、重症化率こそ低いものの、感染の絶対数が多いので、結果として後遺症で苦しむ患者さんの数が多くなっている現状があります。

ワクチン接種によって感染を防ぐ=後遺症のリスクも減るということですので、急性症状だけではなく、後遺症のことも念頭に入れて、ワクチン接種を検討していただきたいと思います。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
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女性特有の病気 骨粗しょう症

女性に多い病気に「骨粗しょう症」があります。

これは女性ホルモンの「エストロゲン」に骨からカルシウムが溶け出すのを抑える効果があるため、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると、一気に骨密度が下がってしまうからです。

骨粗しょう症対策では、カルシウムをきちんと摂取することが大切なのはお分かりになるかと思います。しかし、多くの人は閉経前後、50歳くらいで意識的にカルシウムを摂るようになるのですが、実はそれでは遅いのです。遅くても30代後半くらいから意識的にカルシウムを摂り、骨に蓄積しておく必要があります。

一番良いのは、骨が成長する20歳くらいまでにカルシウムをはじめとした栄養素をきちんと摂ることで、骨を頑丈にしておくことです。この時期にダイエットなどできちんと栄養が摂れていないと、将来的な骨粗しょう症のリスクが大きくなります。特に摂食障害がある人は、骨粗しょう症になりやすいのです。

学校生活で言うと、多くの小・中学校では給食で牛乳が出ます。それが高校では無くなってしまうので、牛乳を飲む習慣のない女子であれば、カルシウムを摂取する機会が少なくなります。また運動をすると骨が強くなるのですが、運動機会のあまりない子や部活を止めた後には、骨が弱くなる傾向にあります。本当は思春期にきちんと骨の教育をすべきだと考えています。

骨粗しょう症の症状が進むと、軽く尻もちをついただけでも骨折ということも珍しくありません。年を重ねてからの骨折は著しくQOLを下げますので、注意が必要です。

骨粗しょう症の予防には、きちんとカルシウムを意識して食べる、お日様を適度に浴びる(紫外線を浴びることで、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが生成されます)、適度な運動をすることなどが重要です。年を重ねてからではなく、若いうちからこのようなことを意識して生活するようにしてください。

ちなみに花粉症の時期で言いますと、抗アレルギー薬の「セレスタミン」という薬があります。これは抗ヒスタミン剤とステロイドの合剤で、副作用として骨がもろくなります。そのため、この薬を使用する場合は注意が必要です。

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