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子どもの熱中症・脱水症状のチェックポイントと対処法

7月の頭こそ戻り梅雨でそれほど暑くない日もありましたが、関東では35℃近くまで気温が上がることが多くなっています。新型コロナの流行で余り報道等はされていませんが、熱中症の発生件数もかなり多くなっています。

熱中症については、気温よりも湿度の方がポイントです。湿度が高いと汗が蒸発せず、体温が体内にこもりやすくなります。そういった意味では、日本の夏は非常にリスクの高い気候と言えるでしょう。

子どもは大人に比べ、熱を体表面から吸収しやすく、逆に熱放出が未熟なため、熱中症のリスクは高くなります。熱中症のシグナルとして、暑いのに汗をかきづらくなる、立ちくらみがする、気分が悪くなるなどの症状があります。このようなポイントを見逃さないことが大切です。

また最近はCMでもインフォメーションがされていますが、屋外で人との距離を十分に取れる場合は、マスクは外して問題ありません。そして、冷房が無いところで過ごす際には、こまめに水分補給をするようにしましょう。

熱中症には症状のタイプがいくつかあります。まず「熱失神」です。暑さによって血管が拡張するため、立ちくらみやひどい時には失神することがあります。

続いては「熱けいれん」です。汗を大量にかくことで、体内の電解質が抜けていき、痙攣を起こします。この2つの症状については、体温が異常に上がることはありません。

次に「熱疲労」です。気持ちが悪くなり、嘔吐をする場合もあります。熱疲労では体温が上昇します。

最後にいわゆる「熱射病」と呼ばれるものです。せん妄(時間や場所が分からなくなったり、注意力、思考力が著しく低下します)や意識障害が起こります。体温は40℃を超えるような高さになり、非常に危険です。

熱中症になった場合には、何よりもまず水分を補給し、体温を下げることが重要です。体温を下げると言っても、熱が出た時のように解熱剤を飲んでも意味はありません。物理的に温度を下げる必要があります。

例えば、シャーベット状の氷を脇、太もも、首の裏など太い血管が通っている場所に当てる。霧吹きをして濡らした状態で、扇風機などで風をあてるなどが有効です。

またこの時期は冷房が入っていない車の中ですと、わずか5分~10分程度でも急激に温度が上昇し非常に危険です。お子さんを車の中に残して、買い物をするなどは絶対にやめましょう。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

発熱外来からのお知らせ

7月に入ってから、急激に新型コロナの感染状況が悪化しています。はらこどもクリニックでも6月の終わり頃には、陽性者数がゼロになった週もありましたから、わずかな期間で猛烈に感染者が増えたことになります。

はらこどもクリニックの発熱外来にも患者さんがたくさん来られており、1日に対応できるキャパシティーを超えてしまっている状態です。朝の時点で予約の電話が殺到し、短時間でその日の予約がいっぱいになってしまっています。

また厄介なのは、新型コロナだけではなく、R Sウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスなど、多くの種類のウイルス性の風邪のような症状が出ており、外来での診察が複雑になり、患者さん一人一人への診察時間がかかっています。

場合によっては、診察をお断りせざるを得ない状況も発生しています。ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただけますと幸いです。

感染拡大の最大の理由は、新しい変異株(BA.4/5)に置き換わったことです。現在アメリカではまた別の感染力の強い亜種が出てきているので、株の置き換わりごとに、感染者数が増加していく可能性は高いでしょう。

オミクロン株は、症状自体は軽いことが多いですが、問題になるのは後遺症です。頭痛・倦怠感・味覚障害などの他にも、コロナ罹患後は脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞など死に直結する病気のリスクが上がるというデータも出てきています。

たとえ軽症でも後遺症が出るケースは珍しくありません。体からウイルスが無くなった後、回復期のリスクが高いのです。

特に若い人の中には、オミクロンは症状が軽いということからワクチンの3回目接種をしていない人も多いようです。またお子さんの接種については、あまり進んでいるとはいいがたい状況です。

現状の新型コロナについては、ワクチン接種をすることしか大きな対策はありません。株が置き換わることで感染自体を防ぐ効果は下がってはいますが、重症化予防には大きな効果があります。

またワクチンで後遺症のリスクを抑えられるというデータも出ていますので、まだ3回の接種をしていない方は、是非接種をしてください。

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舌下免疫療法の新規受付開始しています。【アレルギー科】

6月よりスギ花粉の舌下免疫療法の新規受付を開始しています。(舌下免疫療法の詳細についてはこちら

はらこどもクリニックでは、アレルギー専門医である原拓麿副院長のもと、舌下免疫療法に力を入れています。舌下免疫療法は花粉症を寛解状態にする可能性のある数少ない治療法です。

現在、スギ花粉アレルギーのお薬であるシダキュア、ダニアレルギーのお薬であるミティキュアどちらも服用している方が約300人、どちらか片方の方も含めると約500人の方が、はらこどもクリニックで舌下免疫療法を受けています。薬剤メーカーによると、はらこどもクリニックの治療実績は全国でも有数とのことです。

注射で行う皮下免疫療法と違い、1日1回のお薬の服用で良いため続けやすく、服用の時間を決めてルーティン化をしてしまえば、飲み忘れも少なくなります。最低でも3年、可能なら5年程度続けるため、治療は長期に渡りますが、夏ごろから始めれば、来年の花粉シーズンにはある程度の効果が見込めます。(※個人差があります。)

また最近ではお子さんの花粉症も多いことから、はらこどもクリニックでは、親子での治療もおすすめしています。親子でやると、親御さんはお子さんに飲ませなくてはいけないという意識から飲み忘れが少なくなりますし、仮に忘れてしまった場合も、お子さんからの指摘で気づくなど、続けやすくなります。トータルとして、8割程度の方がきちんと治療を継続できています。

舌下免疫療法は健康保険適用となりますので、お子さんの場合、中学生までは自己負担なしで治療ができます。ただし中学生になると部活等で忙しくなり、治療が途切れがちになりますので、なるべく小学生のうちに治療を終えられるようなスケジュールが良いでしょう。

ちなみに夏が暑いと次のシーズンの花粉量が多いと言われています。これだけ梅雨が短く暑くなっているので、来年は花粉症の方にとってかなり辛いことになる可能性があります。気になる方は早めに始めた方が良いと思いますので、ご相談ください。

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発達障害でマスクが出来ないケース[小児科]

発達障害のひとつにASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)があります。社会的なコミュニケーションがうまくできなかったり、興味などが偏るという性質があります。

ASDの頻度はそれほど多いわけではありませんが、発達に何らかの障害を持つ子どもの割合が10%程度ありますので、学校全体で考えると1人、2人はいる可能性があります。

ASDの中には、感覚過敏を持っている子がいて、ある特定のものに対して忌避反応を示します。例えば学校生活で言うと、チャイムの音がダメだったり、オルゴールの音がダメだったりといったように特定の音がダメな子がいたり、味覚に出てしまう子は、特定の食べ物を美味しくないと感じてしまったり、好き嫌いのレベルを超えて嫌がるという反応を示します。

その中には触覚に反応を示す場合もあります。例えば特定の肌触りの服を嫌がったり、ある部分に何かが触れるのを嫌がったりといった具合です。触覚過敏の中で、口元に何かが触れるのが嫌な場合は、マスクを着けられないことになります。

このような反応を示す子に対しては、できる範囲で受け入れてあげないと、そもそも社会に入ってくることができなくなってしまいます。集団生活でみんながやっているからやりなさいと言ってもその子にとっては無理なのです。その子についてはやらない・できないという例外を認めてあげないと、その子を排除することになってしまいます。

例えばマスクはダメでもフェイスシールドは大丈夫だったり、何か別の解決策がある可能性もありますが、特に子どもが小さいうちは、自分が嫌な理由を説明できないこともあり、対応が非常に難しいのです。やはり「許容」ということをどこかで認めないといけません。

新型コロナの感染者数は、大きくは下がらないものの、ある程度状況が落ち着いてきており、withコロナで社会をどう回すのかが、色々と議論されています。中でもマスクについては、これから暑くなるにつれて熱中症のリスクも上がることから、屋外では外すなどの指針が示されました。

それとは別に、上に挙げたようにマスクが出来ない人もいるという事実を認識したうえで、排除をしない社会にしていただきたいと思います。

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新学期の子どもたちのメンタルについて[小児科]

新型コロナウイルスの流行によって、2年以上にわたり、子どもたちは大きな負担を強いられています。学校の行事ができない、できても制限が多い。修学旅行や林間学校に行けない、友達と遊べないなど、これまで当たり前にできていたことができない、そして、子どもたちの健やかな心身の成長のために必要なことができなくなってしまっています。

特にGWの連休明けは、学校に行けなくなるなど、メンタルの不調を訴える子どもが多く出る時期です。そこに新型コロナによる様々な要因が絡むことで、子どもたちのメンタルヘルスが悪化するリスクが大きくなっています。はらこどもクリニックでもASDやADHDの可能性がある子どもたちを中心に、1週間に3・4人はメンタルに不調を訴える子どもが来ています。

コロナのせいで不登校になったという報告も少なくありませんし、コロナによって変化した環境に不安感が大きくなっている子どもたちはたくさんいます。

また例えば親御さんが、子どもがコロナに罹るのが怖いからと学校に行かせないケースでは、余りに強制が過ぎると、強迫神経症になる子どもも一定数でています

このような状況を解決するためには、子どもたちに関わる周囲の大人たちが、子どもたちを傷つけないようソフトに対応することで大切です。何かトラウマになるようなエピソードが起こると、子どもたちの心は大きくダメージを負ってしまいます。

子どもたちの変化をよく見てあげて、子どもたちのメンタルを守っていただきたいと思います。

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食物アレルギーは治療しないで治ることはあるの?

日本では何らかの食物アレルギーを持つ人は、全人口の1~2%、乳児に限ると約10%ほどいると考えられています。

10%というと10人に1人の割合ですから、小さなお子さんでは、食物アレルギーはポピュラーなアレルギー疾患だということが分かります。

治療しなくても年齢が進むにつれて自然と良くなるケースもあります。例えば卵アレルギーは3歳で6割、7歳で9割くらいの方が、症状が治まると言われています。自然治癒しやすい食物アレルギーと言えるでしょう。逆にピーナッツ、甲殻類、ソバなどは治りにくいと言われています。

食物アレルギーを発症した場合、アレルゲンを避けた食生活をすることが基本となりますが、治療法もあります。「経口免疫療法」と言われるもので、アレルギーがあっても反応しないくらいのごく少量を食べ、徐々に体を慣らしていくという治療法です。

ただし「経口免疫療法」は、アレルゲンを口にする量の見定めが難しく、治療の過程でアナフィラキシーを起こす可能性があるため、その対応をきちんとできる医療機関でないと実施できません。アレルギー学会が定める実施の要件自体がかなり厳しくなっています。

「経口免疫療法」は比較的新しい治療法なので、医療界でも効果的なメソッドを模索している段階でもあります。

例えば、ピーナッツのアレルギー治療において、最終的に食べるピーナッツの量を10粒にした場合と、2粒にした場合で3年間治療を続けたところ、治療成績が変わらないというデータがあります。
当然10粒と2粒では2粒の方が副作用は少ないわけですから、2粒で治療を進めた方が良いということになります。

このように、これから「経口免疫療法」の導入が進めば、もっと効果的なやり方が出てくると思われます。

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子どもの飲酒・喫煙どうしていけないのか?

今年度から成人年齢が20歳→18歳に変更されました。しかし、飲酒・喫煙については、これまで通り20歳になってからという点は変わりません。これはなぜでしょうか?

一番は子どもにとって飲酒・喫煙が色々な意味で害が大きいということです。

まずタバコについては、正確には子どもだけではなく全ての年齢において、健康を害するという面ではよろしくありません。喫煙によってダメージを受けた肺は、喫煙をやめても健康な状態に戻るわけではありませんので、本数にもよりますが、若い時からタバコを吸っていれば、それだけダメージも大きくなります。

飲酒については、まず大前提として、アルコールが障害度の高い薬物であるということです。身体的な依存性が高く、中毒になった場合の離脱症状も激しいです。

困ったことに、小さな子どもがお酒を飲んでしまった(飲まされてしまった)ようなケースが、稀に報告されます。例えば、2歳の子どもにお酒を飲ませたケースでは、急激な肝障害を起こし、肝肥大が見られたという報告があります。

アルコールは肝臓で分解されるため、体が成長しきっておらず、肝機能が十分に発達していない状態での飲酒は、命の危険に関わるというケースもあるということです。

また中高生になって体がある程度できていても、飲酒が単なる飲酒だけに終わらず、窃盗などの犯罪行為や違法薬物の摂取につながるなど、その先の非行行動につながりやすいという点も見逃せません。

アルコールは、いわゆるゲートドラッグになりやすいのです。子どもは酒量のコントロールが効かないこともあり(最も大人でもコントロールが効かない人は少なくありませんが)、飲酒は制限されているのです。

心身が健やかな成長を遂げるにあたって、飲酒・喫煙は大きな害を及ぼします。子どもたちに、安易に飲酒・喫煙させないよう、大人もきちんと見守ってあげましょう。

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アトピー性皮膚炎 子どものかゆがりにはどう対処する?

お子さんのアトピー性皮膚炎では、かゆみに耐え切れずついつい患部をかいてしまうということがよくあります。

例えば、皮膚を清潔に保つようにする、保湿をきちんと行う、爪を短く切っておく、寝る時に無意識にかかないよう手袋をつけて寝るなど、家庭でできる対応は非常に大切です。

ですが、かゆみそのものを改善していくには、やはりきちんとした治療を行うことが必要不可欠です。

教科書的には、アトピー性皮膚炎のかゆみには軟膏を使います。ただ同じ軟膏を塗り続けるという治療でも、軽度の患者さんなどは何とかなってしまうことも多いのですが、実際には、軟膏の使い方を工夫することで、もう少し症状を抑えられるはずです。

薬というと強いものは身体にデメリットが大きく、弱いものはデメリットが少ないようなイメージがあります。特にステロイド剤にはそのようなイメージを持たれる方が多いかもしれません。

親御さんも通院回数を減らしたい、なるべく負担を減らしたいという思いもあり、弱い軟膏を多めに欲しいという方もいらっしゃいます。しかし弱いステロイド剤を長く使うことのデメリットもあるのです。

アトピー性皮膚炎では、炎症の期間を短くすることが重要です。炎症の期間が長いと、皮膚へのアレルゲンの接触で他のアレルギーを併発する可能性があるからです。

そのため、症状がひどい時には、少し強い薬を使って症状をきちんと抑え、良くなったら徐々に軽い薬にレベルダウンしていくことが効果的なのです。

こうすることで結果的にステロイドの総量が少なく、副作用が出にくいことが論文でも証明されています。

はらこどもクリニックでは、アトピー性皮膚炎に対しては、症状の程度を見て、細かく軟膏を変えていきます。また軟膏の塗り方も医師から指導させていただきますので、薬を効果的に使って、アトピー性皮膚炎を少しでも良くしていきましょう。

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小さな子どもたちにマスクをさせる場合の注意点

新型コロナウイルスのオミクロン株の拡がりの中、政府から「2歳以上にマスク着用を推奨する」という通達が出たことで、医療界・教育界から異論が相次ぎました。

そもそも2歳未満にはマスクはNGとされています。これは不織布などの気密性の高いマスクだと、幼児の心臓などに負担が大きいと考えられること、また布マスクは濡れると密閉度が高くなるため、仮に嘔吐などをしてマスクが濡れてしまった場合、それで窒息する可能性もあるからです。

このような理由を考えれば、2歳になったからといって、マスクをすることが100%安全かと言えばそうではありません。発育・発達のスピードは子どもによってそれぞれ異なるからです。

全く問題なくマスクをできる子もいるかもしれませんが、3歳・4歳になっても嫌がってできない子は一定数います。また、発達に問題があるようなお子さんの中には、感覚過敏のような症状で、鼻や口に異物が当たることを嫌がり、マスクをできない子もいます。

小さなお子さんにマスクをさせる場合は、大人がきちんと管理できることが大切です。

吐き気や嘔吐がある時には、窒息の可能性があるので、月齢が大きくてもマスクはしない方が良いですし、昼寝をしている時には外してあげる必要があります。例えば、お出かけの際、疲れてベビーカーなどでお子さんが寝てしまった場合なども、マスクを外した方が良いです。

また大人の場合、鼻水が出ている時は他の人にうつさないようマスクをするかもしれませんが、子どもの場合、鼻水が出ている時には呼吸が上手くできずとても苦しい状態になります。その時に無理にマスクを着けさすのは良くありません。

保育園では2歳児の場合、1人の保育士さんが5~6名の子どもを見なければなりません。2歳児といえばイヤイヤ期のど真ん中であることが多いですし、その中でマスク管理まで保育現場に強いることは、非常に大きな負担になると共に、事故の危険性も高まります。

この点からも、「2歳以上にマスク着用を推奨する」という通知は、もっと慎重に検討されるべきだったと思います。

感染予防の観点からはマスクは非常に有効な対策です。ですが、お子さんの場合は、親御さんがきちんとお子さんの状況を見て、マスクを着用するしないの判断をしてあげてください。

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ウイルスが原因の湿疹【小児科】

湿疹には様々な原因がありますが、ウイルスが原因の場合も多くあります。エンテロウイルスやアデノウイルスなど、風邪の症状がでるようなウイルスは、湿疹の症状を引き起こす可能性があり、頻度はかなり高いです。

ウイルスが原因の風邪に特効薬がないように、ウイルスが原因の湿疹にも特効薬はありません。ウイルスを殺すような治療ではなく、炎症やかゆみなどを抑える対症療法となります。多くは弱めのステロイド軟こうやかゆみ止めの処方となります。

中でもジアノッティ症候群と呼ばれる湿疹症状は、幼児にはかなりポピュラーです。手足の下の方から発疹が出始め、徐々に上に上がり、最後は頬にも発疹が出てきます。赤い発疹が全身に見られるためひどく見えますが、症状自体は軽く、ちょっとしたかゆみが出る程度です。

元々B型肝炎ウイルスが原因となるジアノッティ病という皮膚疾患があり、それに見た目が似ているためつけられた疾患名です。しかし、B型肝炎ワクチンが定期接種となっている現在では、ジアノッティ病自体はほとんど見られませんので、このような湿疹症状が出た場合は、ジアノッティ症候群の可能性が高くなります。

冬場は乾燥や衣類の擦れなどで湿疹が出ることも多いため、親御さんでは判断が難しくなります。放っておくと症状が長引く場合があるので、保湿クリームなどを塗っても、なかなか改善しないという場合は、一度小児科の医師に相談してみると良いでしょう。

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