[内科・小児科]抗インフルエンザ薬 使用について

11月中旬現在、全国的に見てもまだインフルエンザの流行には至っていないようです。はらこどもクリニックでも、患者さんはそれほど多くはなく、本格的な流行はもう少し先になるというところでしょうか。

さて抗インフルエンザ薬の中で、昨年登場した「ゾフルーザ」。罹患初期に1回だけ服用すればよいこと、そして副作用が少ないことから、効果の高い薬として全国的も非常に多く使用されています。

しかし、最近の調査の結果、ゾフルーザによって変異したゾフルーザ耐性ウイルスが、人-人間で感染している可能性が指摘されました。(※同じ抗インフルエンザ薬である「タミフル」にも耐性ウイルスが確認されていますが、こちらは人-人間の感染は確認されていません。)

また、成人に比べ、12歳以下の変異割合が大きいことも同時に観測されています。そのため厚労省は、ゾフルーザの使用について、「12歳以下に対して慎重投与」するよう通達を出しました。

ゾフルーザ耐性ウイルスは、あくまでゾフルーザへの耐性を持つということで、特に毒性が強くなったり、感染力が強くなったりということではありませんが、厚労省より上記通達が出ておりますので、はらこどもクリニックでも、通達に準じ、12歳以下への使用は、積極的には行わないこととさせていただきます。

もし、インフルエンザ治療で気になることがありましたら、お気軽に医師にご相談ください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
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[小児科]子どもの湿疹の診察について

お子さんが罹りやすい病気には様々なものがありますが、そのうちのひとつが「湿疹」ではないでしょうか?湿疹というのは厄介で、原因の特定ができないことがほとんどです。体質や体調によって症状が出る可能性もあり、診断が難しいのです。

湿疹の場合、皮膚科に行く方が多いのではないかと思いますが、その時に気をつけていただきたいのが、子供の湿疹をたくさん診ているかどうかという点です。例えば大学病院などでは、皮膚科の医師が軽い湿疹のお子さんを診るケースというのは余りありません。大学病院の皮膚科となるとそれなりに重い症状の患者さんに限られてしまうからです。そのまま開業医になった場合、子どもを診た経験が少ないままになってしまいます。

実は湿疹の治療において、子どもに使える軟膏の種類は多くありません。中には子どもには処方してはいけない薬もあります。(ミノサイクリン、第一世代抗ヒスタミン等)。それを知って知らずか処方してしまう医師も残念ながらいるのが現状です。

皮膚科に罹る場合は、お子さんをたくさん診ておられ、お子さんの皮膚疾患に経験のあるクリニックを選びましょう。

ちなみにはらこどもクリニックでも湿疹などの皮膚疾患の診察をしております。お子さんの症例についてはたくさん診ております。また、はらこどもクリニックでは治療や判断が難しいということであれば、信頼できる皮膚科の専門医をご紹介しております。

湿疹以外の病気で来院された際、皮膚疾患についてお悩みのことがありましたら、気軽にご相談ください。

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[内科]改めて知って頂きたい「先天性風しん症候群」は怖い疾患 その2

前回に引き続き「先天性風しん症候群」についてのお話です。

「先天性風しん症候群」を防ぐにはなるべく多くの人がワクチンをきちんと接種し、風しんに罹らなくするしか有効な手立てはありません。現在ではMRワクチンは定期接種になっていますので、ほとんどのお子さんがワクチンを接種しています。

しかし30代~50代、特に昭和37~54年生まれの男性については、ワクチン接種が行われておらず、免疫のない方が大勢おられるのです。またその後の年代昭和62年生まれまでの方も、予防接種制度の問題で、接種率が非常に低くなっています。

各県では国の指導の下、該当の世代の方たちが抗体検査を無料で受けられるようにしています。しかし、埼玉県では無料クーポン券の使用率はわずか5%程度だそうです。今現実的に、パートナーの方が妊娠している、もしくは同居の家族が妊娠しているようなケースでなければ、男性の場合、自分ごととしてとらえにくく、例え無料でもわざわざ病院に行かないということなのでしょう。

この5%という数字を劇的に上げるには、例えば企業の健康診断時に該当世代に予防接種を行うなど、大きなアクションを起こさないとならないでしょう。しかし現実的にはとてもハードルの高いことです。

となると、地道に啓蒙活動を行っていくしか道はありません。

もしみなさんのまわり、ご家族や仲の良いご友人で風疹の予防接種を受けていない世代の方がおられましたら、是非、お声をかけてみていただけると幸いです。その一言が、重い障害をもつお子さんを減らすことにつながるかもしれません。

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[内科]改めて知って頂きたい「先天性風しん症候群」は怖い疾患 その1

当ブログでも度々触れていますが、昨年から患者さんの報告数が増え、大きな社会課題となっているのが「風しん」です。昨年の夏頃から患者数が増加しだし、2019年に入ってからも高いまま推移、9月頃になってようやく患者さんの報告数が減ってきました。約1年間、ずっと患者さんの報告数が多いままで推移ていたことになります。

風しん自体は症状が重くなっても命にかかわるようなことはほとんどありません。症状が出ない不顕性感染も多いため、罹っているのに気づかないケースも少なくありません。

ではなぜ、国や医師たちが大きな問題としているのでしょうか?それは、妊婦さんが風しんに感染すると、生まれてくる赤ちゃんに重い障害が発生する「先天性風しん症候群」が起こる可能性があるからです。実際に2014年以降報告のなかった「先天性風しん症候群」は、2019年になって3名報告されています。そのうち1名は埼玉県の方です。

では「先天性風しん症候群」では、具体的にどんな症状が発症するのでしょうか。大きくは3つ「白内障」・「心奇形」・「高度の難聴」です。

「白内障」は眼の水晶体は濁ってしまう病気です。治療としては手術で濁り部分を摘出し、場合によって人工水晶体を埋め込みます。ある程度の視力は回復しますが、遠近の調節に苦労することになります。

「心奇形」は心臓の奇形です。軽度であれば成長過程で自然治癒することもありますし、手術で比較的治りやすい症状です。(※もちろん重度の場合は、亡くなるお子さんもいます。)

厄介なのが「難聴」です。「先天性風しん症候群」由来の難聴は、治療の方法が余りありません。今は人工内耳もあるのですが、それを入れてもあまり効果がないことが多いのです。

長くなってしまったので続きはまた次回。

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[アレルギー科]秋冬のアトピー性皮膚炎で注意すべきこと

長かった夏も終わり、ようやく気温も下がってきました。そろそろ冬の足音も聞えてきたでしょうか。

アトピー性皮膚炎の患者さんにとって冬は辛い季節になります。空気が乾燥してくるので、一般的に冬の方が痒みが強くなることが多いからです。

冬に肌を触ってカサカサしているのは、皮膚から水分が失われてしまっている証拠です。特にアトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が弱くなっており、水分が逃げやすい状態になっています。冬場のアトピー対策は、とにかく保湿を最優先にすることを心がけてください。

特にお子さんの場合、自分で保湿に気をつけるということは難しいと思います。親御さんが忘れないよう、定期的に肌のチェックと保湿を行ってあげてください。

ちなみにアトピー性皮膚炎の原因としてハウスダストがありますが、冬の時期にダニの反応が多く出るのは、北海道や東北などの寒い地域です。意外かもしれませんが、寒い地域は気密性の高いお家が多く、冬場に暖房で温かくしているとダニが増えてしまうのです。ダニが多い環境になると、他のアレルギー疾患も発症しやすくなります。冬場はなるべくこまめにカーペットやお布団の掃除を行って、ダニが繁殖しないようにしてください。

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[小児科・内科]手足口病 大人がかかると

代表的な夏風邪のひとつとして知られる手足口病。今年も7月中旬をピークとして勢いは弱まりましたが、9月に入り学校が始まって集団生活になり、依然として患者さんの数が多い状態でとどまっています。

手足口病はエンテロウイルスによる感染症です。その中で手足口病を引き起こす型は9種類確認されていて、感染する型が違えば何回も発症します。エンテロウイルスは非常に長く体内に留まるため、人に伝染す期間が長い(約4週間ほど体外にウイルスを排出すると言われています。)ことが特徴です。

症状が治まっても人には伝染るので、流行しやすいという特徴を持っています。時折、手足口病に罹ったお子さんを「出席停止●日間」などとする教育機関もありますが、4週間はウイルスを出すため、数日間の処置は意味を持ちません。埼玉県では、解熱して本人の症状が安定していれば登校・登園可能となっています。

さて、手足口病というと子どもの病気というイメージがありますが、大人も免疫がなければ罹る病気です。大人の場合は子どもよりも湿疹の症状が重く出るケースがあり、ジンジンとした痛みを伴う場合もあり注意が必要です。また症状が治まった後しばらくして爪が剥落することがあります。爪が落ちるとビックリすると思いますが、自然に治りますので安心してください。

ただし感染しても発症しないことも多く、8割程度が症状の出ない不顕性感染です。発症しても熱が出ない人も多く、重い症状になることはまれです。この不顕性感染でウイルスを排出している人たちが多くいて感染が広がるため、症状が出た患者さんだけを隔離しても余り意味がありません。

子育ての中で、お子さんから病気をもらってしまうことはある程度避けられません。また子供に比べて、大人の方には発熱に弱い方もいます。実際ご自身が感染症に罹ったときのために、感染症についてある程度の知識を入れておくことも大切ですね。

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[アレルギー科]秋花粉にご注意

花粉症といえば、日本では春のスギ花粉がメインとなりますが、秋にも花粉症が出るケースがありますブタクサ、ヨモギ、イネ科の植物等の花粉が原因となる花粉症です。秋に目のかゆみやくしゃみ・鼻水が頻繁に出るという方は、秋花粉の可能性もあります。

原因となる草の花粉はスギと違って飛ぶ距離が短く(飛んで1kmと言われています。)、低く飛ぶのでそれほど広範囲には広がりません。

ひとつ注意していただきたいのは、9・10月はハウスダストも多い時期なので、秋花粉と思って調べてみると、ハウスダストのアレルギーだったというケースも少なくありません。

目安として喘息の症状が大きく出るかどうかで判断できます。スギも含め花粉は粒子が大きく、肺に達することはないため、直接喘息を引き起こすことはないからです。(※ただし、花粉症によって粘膜がダメージを受け、喘息の症状がひどくなるようなケースはあります。)

また11月になるとスギ花粉が飛ぶ場合があります。花粉は秋~冬に作られ春に飛ぶのですが、それが少し漏れてしまうイメージですね。それほど多く飛ぶわけではありませんが、症状が重い方は反応してしまうことがあるようです。

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[内科]婦人病、女性特有の病気

はらこどもクリニックでは、あらゆる年代を診察する総合診療のファミリークリニックとして、小児科だけではなく、内科の診療にも力を入れています。内科担当としては、女性医師の新井恵子医師が勤務しています。

体調不良を伴う症状や疾患の中には、女性特有のものも決して少なくありません。そういった症状については、男性医には話しにくいこともあったり、同じ女性のほうが症状について、きちんとわかってくれるのではないかという想いをお持ちになるのも当然のことです。代表的なものには月経の問題、更年期の問題がありますし、乳房、子宮、外陰の疾患もそうですね。

例えば子育て中のお母さんは、子どもの体調管理に一生懸命になられて、ご自分の健康、体調管理は後回しになってしまうケースも多いことでしょう。もし、お子さんの診察のついでにご自身の体調で優れないことがあれば、ついでに診察を受けていただくこともできるかと思います。

また、発達や発育の問題も性差が出る大きな問題のひとつです。胸の大きさ、性器の発達についてなど、お子さん自身、また親御さんが不安になることも多く、相談が多いことのひとつです。

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日常に潜む低血糖・高血糖

糖尿病は血中のブドウ糖を細胞に取り込むことができず、高血糖の状態が続いてしまう病気です。

糖尿病の予防には、血糖値をきちんとコントロールすることが大切です。極端な血糖値の上下動は、糖尿病のリスクを高め、動脈硬化の進行を早めると言われています。

私たちの身体は、食事後身体にブドウ糖が吸収されると、インスリンを分泌して血糖値を下げます。しかし、肥満などでインスリンの感受性が悪くなると、インスリンが分泌されても十分な効果が発揮できなくなります。蓄積された内臓脂肪から、インスリンの働きを妨害する物質が分泌されるようになってしまうのです。

また、インスリンの分泌パターンがおかしくなってしまう場合もあります。ご飯を食べた後にきちんとインスリンが分泌されず、血糖値が落ちてきた頃分泌され、低血糖になってしまうというケースもあります。

いずれにせよ、このようにインスリンの分泌がうまくいかなかったり、効きが悪くなることを「耐糖能低下」と言います。太るとこの状態になりやすく、糖尿病にならなくても、これだけで動脈硬化が進んでしまうのです。

食事による血糖値の急激な上昇を抑える方法のひとつに「ベジファースト」という食べ方があります。食事の最初に野菜をしっかりと食べるという食事法です。糖尿病予防の中で、比較的やりやすい方法だと思いますので、是非試してください。

ちなみに糖尿病とは関係ありませんが、小さいお子さんの場合、まれに低血糖の症状を起こすことがあります。私たちの身体は、糖分をグリコーゲンに変えて、肝臓に貯蔵しておくことができます。エネルギーが不足すると、グリコーゲンを糖に再び変えてそれを補う「糖新生」という働きがあります。

6歳未満のお子さんは、この「糖新生」の機能が弱いのです。例えば、夜食べないで寝てしまい、翌朝ぐったりしている時などは、低血糖になっている可能性があります。こういう時はチョコレートなどを食べさせると、元気が戻る場合があります。

また、今糖質ダイエットが流行していますが、上記の理由から低血糖に陥る可能性があるため、この時期のお子さんには危険です。もし肥満のお子さんを痩せさせたいと思っても、糖質ダイエットは止めて、きちんと運動させるなどのやり方にしてくださいね。

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阪大微研製 四種混合ワクチンについてのお知らせ

先日、阪大微研が製造している四種混合ワクチン[テトラピック]という商品で、そのロット番号が4K23A,4K23B,4K23C,4K24A,4K24B,4K24C,の6つで、ポリオウイルスの抗原(ワクチン成分)が少なかった可能性があるとして、メーカーより行政と医療機関に連絡がありました。

はらこどもクリニックでは、該当のワクチンを接種された可能性のある方に対して、下記書類を郵送にてお送りさせていただき、既に対応させていただいておりますが、改めて今回のワクチンについての見解を載せてみたいと思います。

今回の件で抗体を測定すべきか 原の考え

ポリオワクチンは、日本のワクチンは生ワクチンウイルスを不活化(殺した)ものを抗原にしています。諸外国のワクチンは野外株(病気を起こす)ウイルスを不活化したものです。両者には、ウイルスを殺す中和抗体の産生させる力には差がありますが、生ワクチン由来のワクチンでも十分効果があるとして用いられています。発病阻止するに必要な効果は十分あります。抗原が少ないとしても、今回報じられている量では、発病阻止が出来なくなるほど効果がないわけではありません。発売された中での問題になるワクチンは限られていますので、4回接種の全てを問題になるロットのワクチンで受けられた方はいないだろうと思います。私は、ポリオワクチンの接種は必要だと考えています。免疫を持っていることは必要です。どうしても知りたいと思われる方を阻止はしませんが、もし行うのであれば、4回終了後にお受けになればと考えます。免疫は、抗体を作ることも大事なのですが、免疫学的記憶と言って、将来、病原体が侵入してきたときに、記憶していて速やかに抗体を造り病源体からの不利益を免れることが必要なのです。だから、4回目の接種が大事なのです。4回接種を受けていない人は、必ず、接種を御受けになってください。

B型肝炎ワクチンの3回目、麻疹風疹ワクチンの2回目、水痘ワクチンの2回目、おたふくかぜワクチンの2回目、肺炎球菌ワクチンの4回目、ヒブワクチンの4回目、日本脳炎ワクチンの3回目や4回目は免疫学的記憶を付けるために大事なのです。ポリオについては、今回の件は、発病するかもしれないという程のリスクにはならないと考えます。ただ、知りたいだけで子どもに採血という負担をかけることは無いだろうと思います。もし、どうしても行いたいと思われたら4回目のあとに高い抗体価が証明できれば免疫学的記憶の存在を証明したことになります。

今回、阪大微研は医療機関、行政の場に書類を送付しました。その内容は厚労省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000535794.pdf)からも一般の方も見ることが出来ます。抗体検査を必要とするかどうかは医師の判断にゆだねています。少なくとも、公的に行う予防接種の問題を、責任メーカーが医師の判断にゆだねるというのは如何なものでしょうか。先ず、問題が小さいであろうと思っても、それを被接種者に誰が、どのように知らせるのでしょうか。何もしなければ医師に相談する人もいません。不十分な情報提供を受けると、不安を招くだけに終ります。抗体測定、ワクチンの保障をすれば企業の責任が果たされたことにならないので企業は、学術的根拠に基づいた企業側の考えを示すべきだと考えます。

私は、危険なことが起こったのではないのですが、少なくとも接種した医療機関として通知をすることに責任があると考えて、このような対応を行いました。今回の件については、あまり大きく報道されておりませんので、ご存じなかった方も大勢おられると思います。不安に思う方は、まずこちらの文章を読んでいただき、冷静に判断していただければ幸いです。

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