病気と症状」カテゴリーアーカイブ

女性がかかりやすい病気 膀胱炎[内科]

女性がかかりやすい病気に「膀胱炎」があります。尿道から侵入した菌が膀胱で増殖し、炎症を起こす病気です。頻尿/残尿感/痛みなどがあり、重い病気ではないものの、不快感の強い病気です。

女性の方がかかりやすいのは身体の作りの問題です。女性は尿道と肛門、膣の距離が近く、そこに存在している大腸菌などの菌が尿道に侵入しやすいこと、また、男性よりも女性の方が尿道が短いため、菌が膀胱に侵入しやすいからです。

原因となる菌は、子どもの場合8割方大腸菌で、大人の場合はもう少し金の種類が複雑になります。菌が引き起こす炎症なので、基本的には抗菌剤による治療になります。

子どもの頃は男の子の性器に皮が被っていますので、0歳では逆に男の子のほうが女の子よりも多く、3歳くらいから女の子の方が多くなるようです。大人の男女差で見ると、女性の方が30倍ほど多く、さらに妊婦さんとなると、リスクはその30倍になると言われています。

大体尿道の外側1/3くらいは菌がいます。排尿の度に洗い流されるわけですが、夏場で尿量が少なかったり、おしっこを途中で止めると、菌が膀胱に入りやすくなります。膀胱の中におしっこがたまっている時間が長くなると、菌が繁殖する時間が長くなるので、膀胱炎になりやすくなります。妊婦さんの場合は、尿を出し切る筋肉が緩くなりがちで残尿が多いため、菌が繁殖しやすくなるわけです。

ですので、膀胱炎の予防には、水を多めに飲んで尿の回数、尿量をある程度確保する。おしっこをするときは一気に出すといったことが有効です。

実際のところ、お水をたくさん飲んでたくさんおしっこをすれば自然に治ることも多いうえ、泌尿器科に通うことをためらう方も多いため、膀胱に違和感があっても病院には行かないという方もおられるでしょう。ただ不快感が強い病気なので、仕事や学校に支障をきたすようなら、きちんと通院して診察を受けましょう。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
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[内科]女性にとって身近な疾患 子宮筋腫

女性特有の病気の中でも、多くの女性にみられるのが「子宮筋腫」です。文字通り、筋肉でできた良性の腫瘍が子宮壁にできます。30代~40代に多く、早い人だと20代で筋腫が出来てしまう場合もあります。ごく小さなものも含めれば、45歳までに7割程度の女性に発生すると言われています。

筋腫が大きくなってしまうと、下腹部に圧迫感が出たり、頻尿になるケースもあります。厄介なのは筋腫により月経血の量が多くなることです。出血が多くなると、貧血になり身体に様々な変調をきたすことがあります。貧血の症状が出たので、検査してみたら子宮筋腫だったというようなことも珍しくありません。

実際には月経血が多いという理由で病院に来る女性は多くありませんので、婦人科の健診で判明することが多いです、また、最近では出産年齢が上がっていることもあり、妊娠した時に子宮筋腫があることが分かるケースも珍しくありません。

全ての筋腫が身体に害があるかというとそうではありません。小さいものであれば特に悪さはしないので、手術はせずに経過観察だけにとどめるケースもあります。特にホルモンの関係から、閉経すると筋腫が大きくならないことが分かっていますので、50代くらいで特に害がないのであれば、そのままにしておくケースが多いと思います。筋腫自体がガン化することはほとんどありませんが、重要なのは、悪性の肉腫との鑑別をきちんとつけることです。

女性にとっては非常に発生しやすい病気ですが、このように症状の出方は千差万別ですし、年齢によって対処の方法も変わってきます。月経血の量が多い、月経時の痛みが強いなどの場合は、病気ではないと思われがちですが、婦人科系の病気のシグナルである可能性もあります。一人で抱え込まずに一度診察を受けてみてください。

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[内科]サイトカインストームとは?その2

前回に引き続き「サイトカインストーム」についてのお話です。

サイトカインストームの中でも炎症を引き起こす炎症性のサイトカインが増えてしまい、自分の正常な細胞まで傷つけてしまうことで肺炎が重篤化したり、多臓器不全を起こしたりすることが分かっています。(少し前のニュースでは、ステロイドの処方が症状の重篤化を抑える可能性があるという研究結果が出たというものもありましたが、これはステロイドが全体的にサイトカインを抑える効果があるからです。)

サイトカインストームが起こった場合には、ある一種類のサイトカインを抑制しても、問題解決になりません。治療法の難しさは、そこにあります。

例えばリウマチの時に強く作用しているインターロイキン6を抑えると治療になるのですが、新型コロナウイルス感染のときに抑えても、他のサイトカインのコントロールが効かなくなっているので効果が悪いのです。

現在のところ、サイトカインストームがなぜ起こるのか、どんな条件下で起こるのかなど詳しいことは分かっていません。このあたりのことがもう少しきちんと解明されていかないと、有効な治療薬やワクチンの実用はなかなか難しい面があります。まずは個人でできる対策をきちんと講じて、新型コロナになるべくうつらない、うつさないように心がけましょう。

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[内科]サイトカインストームとは?その1

新型コロナウイルスによる感染症について世界各国で研究が進められている中、様々な情報がニュース等で報じられています。その中で症状が重篤化する原因に「サイトカインストーム」という言葉が出てきています。今回はこの「サイトカインストーム」について、少し紹介してみたいと思います。

まずサイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質です。細胞間での情報伝達をする役割を持ち、体の中で様々な生理現象を発生させるトリガーのような働きをしています。非常にたくさんの種類があるだけでなく、ある反応を促進するものと抑制するものがあり、お互いにコントロールし合ってバランスがとれています。いわばサイトカイン同士が一種のネットワークを形成していて、それをサイトカインカスケードと呼びます。

例えば、あるサイトカインが働くと、それが過剰にならないように他のサイトカインが抑制をかけたりして、結果的にコントロールされるのです。サイトカインは必ず1つで2つ以上の機能を持っていますので、そのネットワークはとても複雑な仕組みになっています。

サイトカインの中には、免疫系に深く関わるものもあります。通常ウイルスに感染すると、体の中でウイルスがどんどん増えてきます。するとそのウイルスに対抗するために抗体ができます。抗体は対応したウイルスとぴったりとくっつくように作られ、抗体とくっついたウイルスは、マクロファージという病原体を食べる細胞に食べられやすくなるのです。マクロファージは抗体ごとウイルスを食べると、酵素の働きで病原体を分解していきます。

この過程で、サイトカインが分泌されます。サイトカインが出ることで、身体を温めるために発熱をおこしたり、マクロファージを活性化させたりと、ウイルスをやっつけるために様々な形で作用します。

しかし、新型コロナウイルスに感染した場合、どういうわけかこのサイトカインのコントロールがうまくいかなくなり、抑制がかかりすぎたり、反応を促進させるのが過剰になったりとバランスが取れなくなった状態になってしまいます。これが「サイトカインストーム」です。

長くなりましたので、続きはまた次回に。

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[小児科]夏に感染しやすい子どもの感染症、新型コロナ感染との比較

夏の感染症を引き起こす代表的なものに「エンテロウイルス」があります。エンテロウイルスは腸管で増殖するウイルスの総称で、たくさんの種類があります。発熱などの風邪の諸症状はもちろん、ヘルパンギーナ、手足口病、発疹などなど種類によって出る症状は多種多様で、ひとつの型に感染して免疫ができても、他の型には感染してしまうため、1シーズンに何度も感染するケースもあります。

暑くなってくると集団生活の中で感染が増え始め、7月後半に多くなります。例年であれば、このタイミングで夏休みに入るため、一旦感染の拡大は収束する傾向にあるのですが、今年は夏休みが短くなっているため、例年よりも長い期間にわたって流行するのではないかと予想しています。

そしてもうひとつが「アデノウイルス」です。代表的な症状として咽頭結膜熱(プール熱)を引き起こします。結膜炎、のどの痛み、発熱が主な症状となります。

ただしこちらのウイルスも非常に型が多く、変異が早いことで知られています。3年前は50種類程度だったものが、現在では80種類以上の型があることが分かっています。そのためアデノウイルスが引き起こす症状も多種多様で、百日咳のようなひどい咳や下痢になることもあります。また型が多いので、お子さんだけではなく、大人がかかってしまうケースも多くみられます。

エンテロウイルスとアデノウイルスは総じて熱が高くなることが多いですが、新型コロナウイルス感染症では、子どもの場合、最初は熱が出ることが少ないようです。季節的にはコロナウイルスよりもアデノウイルスの方がよほど流行しますので、お子さんが熱を出したからといってパニックにならず、きちんと医療機関で診てもらいましょう。発熱などの症状がある場合には、必ずそのことを伝え、各医療機関からの指示に沿って通院してください。

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虫刺されがひどくなってしまった時は?[小児科]

この季節、外で子どもが遊んでいるときに悩まされるのが虫刺されです。時折、ひどく腫れてしまう、かゆみ、痛みがひどくなるようなものもあるかと思います。その場合は、普段よく刺される蚊とは違う虫に刺された可能性が高いと考えた方が良いでしょう。

刺されると非常にしつこい痛痒さが続くブユや、刺されると火傷のようなミミズ腫れになるアオバアリガタハネカクシ(羽アリに似ている赤い虫)、お茶畑の多い狭山市周辺ではチャドクガもなかなか厄介です。チャドクガの場合、直接虫に触れなくても、風に舞った毛が付着するだけで、皮膚炎になります。

虫刺されによる皮膚炎の治療では、ステロイド系の塗り薬を使いますが、症状がひどい場合には、効果が薄いため、飲み薬を使う場合も出てきます。

外で遊ぶ場合や、屋外でのレジャーなどでは、虫よけを上手く使って、虫刺されの被害を抑えましょう。

虫よけについては、過去のブログ記事にまとめておりますので、そちらをご覧ください。

→リンク:https://hara-kodomo.com/blog/2017/07/

 

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接触感染/飛沫感染/空気感染/エアロゾル感染の違いとは?その2[内科]

前回に引き続き、ウイルスの感染経路についてのご説明です。

・空気感染

「空気感染」とは、飛沫から水分が蒸発した状態で、さらに小さな微粒子となり、そこにウイルスが付着して空気中を広範囲にわたって漂い、それを吸い込んで感染するものです。空気感染するウイルスは非常に感染力が強いですが、空気感染するウイルスは麻しん、水痘(水ぼうそう)と限られています。(ちなみに結核菌も空気感染します。)

・エアロゾル感染

そして最近聞くようになった「エアロゾル感染」ですが、これについては現状明確な基準はありません。エアロゾルとは空気中に漂う微細な粒子ということですが、エアロゾル感染は新しい言葉で、そもそも医療界においてはあまり使われていません。基本は飛沫感染ながらも、いわゆる三密の環境下で、空気感染に近いことが起こりえるくらいのイメージで捉えておくのがよいかもしれません。

ウイルスの感染の強さは、空気中をウイルスが漂って遠くまで広がるかどうかです。換気をよくしてどこかに流れてしまえばリスクが少なくなります。三密を避け、皆さん一人ひとりが感染予防を心がけてください。

新型コロナウイルスの場合、病院では入院患者さんの場合は1日6回を目安に換気が行われています。結核などの空気感染に準じた対応となっているようです。これから暖かくなるので、窓を開けるのにちょうどよい季節ですから、お部屋の換気を常に良くしておくのが良いでしょう。

はらこどもクリニックでは、感染症の院内感染予防対策のため、患者さんの入口を空間的に隔離された3つに分けています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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接触感染/飛沫感染/空気感染/エアロゾル感染の違いとは?その1[内科]

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、メディアなどで「飛沫感染」・「エアロゾル感染」という言葉が頻繁に出てくるようになっています。ここで改めて、それぞれどんな感染経路になるのかご説明していきたいと思います。

・飛沫感染

まず新型コロナウイルスは基本的に「飛沫感染」となります。飛沫感染とは、咳やくしゃみに含まれるしぶきの中にウイルスが含まれ、それを吸い込むことで感染します。新型コロナウイルスに対してマスクやフェイスシールドが必要とされているのは、この飛沫感染を防ぐためです。飛沫を物理的にさえぎることで飛沫感染のリスクを下げるということです。

また「ソーシャルディスタンス」と言われる人と人との距離をあけるという対策も、この飛沫感染への対策になります。飛沫は水分を含むしぶきで重いので、飛び散る距離に限界があります。それが2m程度といわれているため、2m離れることが推奨されているのです。
(※これは咳やくしゃみのエチケットを守った場合です。何もなしで思いっきり声や音を出して咳やくしゃみをすると、もっと遠くまで飛沫が飛んでしまいます。咳やくしゃみをする際には、きちんとエチケットを守りましょう。)

・接触感染

新型コロナウイルスの場合、感染者が触ったものの表面にウイルスが付着して、それを触ることにより感染する「接触感染」も大きな感染経路のひとつと言われています。ウイルスは付着したものの表面で、かなり長い時間活性を失わないという研究結果も出ています。ドアノブ、手すり、様々な機器のボタンやスイッチ、スマホやタブレットの表面など日常生活の中で注意が必要なものは数多くあります。

接触感染については消毒が有効です。次亜塩素酸ナトリウムやアルコールでまめに消毒を行いましょう。今消毒用アルコールが手に入りづらいといわれていますが、次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、市販されている漂白剤を薄めることで簡単に作れます。

以前ノロウイルス対策として、次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方を当ブログに掲載していますので、参考にしてみてください。(→記事はこちら!

また家庭でできる新型コロナウイルス感染対策について、日本環境感染症学会がまとめておりますので、是非見てみてください。(→日本環境感染症学会のHPはこちら

長くなりましたのでこの辺で。次回は「空気感染」・「エアロゾル感染」についてご説明します。

はらこどもクリニックでは、感染症の院内感染予防対策のため、患者さんの入口を空間的に隔離された3つに分けています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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糖尿病の症状にいち早く気付くには

糖尿病に罹ると、感染症に非常に弱くなるということを以前当ブログでも紹介しました。感染症に罹りやすくなったら注意が必要です。また、大人が通常罹らないような珍しい感染症の場合、糖尿病を疑って、スクリーニング検査をします。

では、糖尿病の症状で、他の病気と同じような症状が出ることがあるのでしょうか。結論から言うと、糖尿病は、初期では自覚症状が出にくいため、これといった症状で気付くことは難しいと言えます。自覚症状(喉の渇き、多汗、手足のしびれなど)が出る頃には、症状がかなり進行した状態になっていることが多いのです。

糖尿病を早期発見するには、尿糖、血糖の数値が重要な指針となります。これから会社などでの健診の季節だと思いますから、検査結果を適当に流さず、自分の数値をしっかりと確認しましょう。

糖尿病は様々な合併症を伴う全身病です。糖尿病で悪くならない臓器はないと言えます。とにかく悪化させないことが重要です。怪しいなと思ったら、早めに診断を受けて、血糖をしっかりとコントロールしましょう。

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もしかして子どもが花粉症かも?ここで判断。[小児科・アレルギー科]

当ブログでも度々取り上げていますが、近年子どもの花粉症は決して珍しいことではなくなっています。大人でも辛い花粉症、子どもならなおさら辛いことでしょう。

ただ花粉症は時期的にウイルス感染症に被る時期も多いので、子どもが風邪なのか花粉症なのか、判断に迷われることもあるかもしれません。
花粉症と判断する場合、特に注意したいのは「目の症状」です。頻繁に目をこすったり、目が赤くなるといった症状が出ていた場合、花粉症を疑っても良いでしょう。また、鼻水、鼻づまりの症状が室内では比較的軽く、屋外でひどくなる場合も花粉症の可能性ありです。

「ビラノア®」は12歳以上からの投与となるため、子どもの場合は「アレグラ®」・「ザイザル®」が主となります。この2つには子ども用の剤形(ドライシロップなど)があり、大きな副作用もなく安全性も高い薬です。

点眼薬については、眼科学会からの通達でステロイド系からシフトし、抗ヒスタミン系が主流です。

もし、子どもが花粉症かも?と思ったら、お気軽にご相談くださいね。

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