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12歳以上の中高生も新型コロナウイルスワクチンを接種した方が良いのか?【内科・小児科】

日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、かなり高い水準になってきました。高齢者については、希望される方のほとんどで接種が完了したようで、これからは若い年代の方への接種が進んでいくはずです。

その中で12歳以上の中高生の年代がワクチンを接種すべきかどうかというテーマがあります。結論から言いますと、その年代もワクチンを接種した方が良いと考えています。

子どもたちの学校生活の中では、どんなにきちんと感染対策をしても、密を避けることが難しい状況が発生します。学校生活の中で、新型コロナが流行すれば、学級閉鎖や休校などの措置を取らざるをえなくなり、教育に支障が出てきます。また子どもたちの間で大流行すると、新たな変異を生む可能性が高くなります。

子どもが重症化するというケースは世界的にみても少ないのですが、変異株へ置き換わったことで、所沢でも入院となったケースも出てきていますし、子どもが原因で家庭内感染が起こり、親が重症化するというケースも多くなってくるでしょう。また社会全体で見ると、子どもの間で流行すると、タイミング的に抗体価が落ちてきた高齢者に感染するというリスクも出てきます。

心配なのは副反応だと思います。海外では若い世代での治験も行われていますので、参考として、その結果をご紹介したいと思います。

12歳~25歳までの約1000人にワクチンと偽薬プラセボ(生理食塩水)の接種を行ったところ、副反応はプラセボ群40%、ワクチン接種群70%に起こったということです。主な副反応は頭痛や倦怠感で、解熱剤が必要な発熱は2~6%というデータが出ています。

興味深いのはプラセボ群にも4割もの副反応が見られることです。これはワクチン接種をしたという心理的要素が身体の不調を引き起こしている可能性を示唆しています。日本では、他国よりも副反応が多いという報道もありましたが、メディアなどでいたずらに副反応の恐怖を煽ることで、ワクチンを接種した人たちに、ネガティブな心理的なバイアスがかかってしまっていることも原因なのかもしれません。

また16~25歳のグループより、12~15歳のグループの方が抗体価の上昇が良いというデータが出ていますので、中学生年代への接種は効果が高そうです。

所沢市では、12歳以上のワクチン接種については予約が始まっておりますので、接種を前向きに検討してみてください。

はらこどもクリニックでも接種を行っています。新型コロナウイルスのワクチン接種については、ワクチン確保の都合上、自治体経由での予約となります。クリニックに直接ご連絡いただいても対応しかねますので、ご注意ください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

はらこどもクリニックスタッフ 新型コロナウイルスワクチン接種について

はらこどもクリニックでは全てのスタッフが5月21日に新型コロナウイルスワクチンの2回目の接種を終えたことをご報告致します。

1回目接種後に抗体検査をした結果、全員に中和抗体があり、回復した軽症者の方より高いくらいの数値がありました。

2回目接種後では、拓麿副院長の抗体検査の結果、19000AU/ml以上の数値がありました。原院長が4700AU/mlを超えていました。

これはコロナウイルスに感染し、回復した患者さんに比べても、大幅に高い数値です。軽症の感染者の方の抗体値は個人差はあるものの数百AU/mlが多いようです。(スパイクタンパクのリボゾーム受容体ドメインのIgG抗体=中和抗体)。

この数値を見ても、ワクチンの効果がかなり高いことが分かります。

副反応については、原朋邦院長については、特に何もありませんでした。新井先生は接種した方の腕に少し痛みがあったのと軽いだるさはあったものの、1~2日で回復しています。拓麿副院長については、発熱はないものの強いだるさがありました。

看護師の中には発熱者が複数出ました。熱が高くなったケースもありましたが、1~2日で下がっています。基本的に重篤な副反応はなく、全員2日程度で回復しています。

副反応で発熱した場合には、アセトアミノフェン系の解熱剤を使用しても問題ありません。熱が辛い場合には、カロナールを処方してもらったり、市販の解熱剤を使用しても大丈夫です。

接種後は人によって痛みや発熱もありますので、お仕事が休みの日の前日に接種したり、もしくは接種の次の日は休みにしてもらうなどの対策を取った方が良いかと思います。

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mRNAワクチンの有効性が高い理由【内科】

 

現在、世界中で様々な新型コロナウイルスのワクチンが出回っています。日本で使用されているのはファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンです。この2つのワクチンは90%を超える高い有効率があり、他のワクチンに比べても、非常に有効性が高いことが分かっています。

ウイルスベクターワクチンであるアストラゼネカのワクチンは、有効率約75%、またシノバックの不活化ワクチンは50%程度という調査結果もあるようです。

こうして見ると、シノバックのワクチンは、効果が低いように思われますが、そもそも不活化ワクチン自体の有効率はそれほど高くありません。例えば私たちが毎年のように接種するインフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、有効率は50%程度だと言われています。

有効率とは、ワクチンを接種しなかった場合と接種した場合で、どのくらい発症者が減少したかの数字です。例えば100人の人がいてワクチンを接種しなかった場合、50人の人が感染症を発症したとします。対してワクチンを接種した場合、発症者は5人に減少しました。
発症者の数は50人→5人になり45人の減少です。ワクチンを接種していない時の発症人数を100%とし、割合に直すと発症者が100%→10%になり、90%減少したことになります。この減少の割合を有効率と言います。有効率50%の場合は、ワクチンを接種した場合でも100人中25人の人が発症する計算になります。

新型コロナのワクチンでmRNAワクチンの成績が良いのは、液性免疫だけではなく、細胞性免疫を誘導するからと考えられています。
液性免疫はウイルスのスパイクタンパクに対応する抗体を作り、ウイルスのスパイクを無効化し、細胞に取り付きにくくする免疫反応です。
対して細胞性免疫は、ヘルパーT細胞とキラーT細胞によって、ウイルスに感染した細胞をウイルスごと殺してしまうようなイメージです。液性免疫が反応の性質上、変異株に対して効果が低いのに比べ、細胞性免疫は変異株にも高い効果を示すことが分かってきています。

ウイルスベクターワクチンも細胞性免疫を誘導しますが、ベクターに対する免疫反応が起こるため効率が悪くなっている可能性があります。
不活化については、液性免疫のみの誘導になり、抗体増強反応を起こす可能性もあることから、今回の新型コロナウイルスに対しての効果は厳しいものがありそうです。また、ウイルスを無害化する時にタンパク質が変質しているほか、本来抗体を作るために必要なタンパク以外の、余計なタンパクも含まれているため、どうしても効果は弱くなってしまいます。

ただしmRNAワクチンは、RNAが物質として非常にもろいため、取り扱いに難があります。アストラゼネカのワクチンは、ファイザーやモデルナのワクチンに比べれば取り扱いは簡単で、1回接種で良いというメリットもあります。

また今後は日本のシオノギの組み換えタンパクワクチンも出てくる予定です。組み換えタンパクワクチンは既にB型肝炎ワクチンなどで実用化されており、取り扱いも難しくなく、コストも安価です。

このように有効率だけではなく、ワクチンによって様々なメリット・デメリットがありますので、流行の状況を見ながら、適切にワクチン接種を進めていくべきでしょう。

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予防接種 筋肉注射と皮下注射 何が違うの?【内科・小児科】

少しずつですが、医療関係者のへの新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、高齢者の方への接種スケジュールを公表する自治体も出てきました。このブログをお読みのみなさんも、テレビや新聞などで、予防接種の写真を目にしたことと思います。

新型コロナウイルスのワクチンについては、「筋肉注射」とされています。筋肉注射は画像のように、皮膚に対して垂直に刺すように針を入れ、皮下組織の下の筋肉に薬液を注射します。

日本では予防接種というと、針を皮膚に対し斜めに刺し皮下組織に薬液を入れる「皮下注射」の方が一般的ですが、世界では筋肉注射がスタンダードで、皮下注射は日本だけのローカルルールです。筋肉注射は皮下注射よりも免疫効果が高く、副反応も小さい傾向にあるなど、メリットの多い注射法なのです。

ではなぜ日本だけ皮下注射が多いかというと、昔、抗菌剤の筋肉注射によって薬害が出たからです。ワクチンとは関係ありませんでしたが、筋肉注射そのものが避けられ、ワクチン接種についても皮下注射になってしまったのです。(ちなみに生ワクチンについては、皮下注射の方が抗体が上がりやすいことが分かっているので、皮下注射が推奨されています。)

筋肉注射は見た目のイメージから、注射した時の痛みが強いと思われがちですが、実際には筋肉注射だから痛いということはありません。注射の痛みは針の太さや注射をする人の技量によります

筋肉注射が怖いというイメージを抱く方もいるかもしれませんが、皮下注射と比べ効果が高く、副反応の腫れや痛みも少ない方法です。安心して接種を受けていただいて大丈夫です。

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ワクチン接種によるアナフィラキシーショックについて【内科・小児科】

ワクチン接種の副反応としてアナフィラキシーがあります。

アナフィラキシーとは、体内にアレルゲンとなる物質が入ることで、全身にアレルギー反応が現れることです。中でも蕁麻疹などの皮膚症状、呼吸困難、血圧の低下、意識の低下など命にかかわるような症状が起きることをアナフィラキシーショックと言います。

ワクチンには抗原となるタンパク質だけではなく、免疫効果を高めるためのアジュバントをはじめ、様々な成分が添加されています。ごくまれにその添加物に反応してしまうケースがあります。これらの成分は製薬会社の技術の核となる部分であるため、一般的には公開されていないこともあり、事前に防ぐというのはなかなか難しくなっています。

アナフィラキシーは、接種後15分以内に起こることが多いですが、起こった時に医師がいればきちんと対処することが出来ますので、死に至ることはほとんどありません。はらこどもクリニックでは接種後15分以上は院内に残っていただき、様子を見ることにしています。(お会計などの事務手続きの時間も含みますので、それほど長い時間には感じられないと思います。)何かあった時にはすぐに対処できるよう準備しておりますので、ご安心いただければと思います。

はらこどもクリニックでは、開業以来予防接種でのアナフィラキシーショックは0件で、点滴等で3人ほどアナフィラキシーが起こったケースがあります。数字的にみても、かなり珍しいケースであることは事実です。ちなみに日本のワクチンでアナフィラキシーが最も多いのは3種混合ワクチンです。

新型コロナウイルスのワクチンについても、海外での接種事例から副反応のデータがとられていますが、ファイザー製のワクチンでアナフィラキシーショックが報告されています。これらの方については、全員アドレナリンの処方で助かっているということです。

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新型コロナウイルスワクチンについての解説 その2【内科】

今回は新型コロナウイルスのワクチンの中で、ウイルスベクターワクチンと組み換えタンパク質ワクチンについて、解説したいと思います。

 ・ウイルスベクターワクチン
元々遺伝子治療に使われていた手法を用いたワクチンです。人に対して病原性の無いウイルスや弱毒性のウイルスに、抗原となるタンパク質の情報(DNA)を組み込み、ワクチンとしています。ベクターとは運び屋といった意味です。

人の細胞の中に入り込んだDNAに基づいて抗原となるタンパク質(新型コロナの場合は、スパイクタンパク質)が作られ、それに対抗する抗体が作られる仕組みです。

DNAはRNAに比べ物質として安定しているため、運用が容易なことがメリットですが、ワクチン接種によってベクターとなるウイルスそのものに対し、抗体ができてしまうことで、複数回の接種ができない可能性もあります。
今後日本でも使用が想定されるアストラゼネカのワクチンがこのタイプになります。

・組み換えタンパク質ワクチン
抗原となるタンパク質を遺伝子組み換え技術によって作り出し、それをワクチンとして使用します。遺伝子組み換えには酵母や大腸菌などが使われます。

このタイプのワクチンについては全く新しい製造法というわけではなく、すでに使われているB型肝炎ワクチンと同じになるので、接種実績の多いことがメリットのひとつです。
一般的に免疫原性が低いことが多く、それをいかに上げるかが、各製薬会社の技術となっています。日本の塩野義製薬が治験を開始しているワクチンがこのタイプになります。

 

新しいワクチンということで、皆さんが気にされるのは副作用・副反応のことだと思います。新型コロナウイルスワクチンについては、海外の接種実績を見る限り、副反応の強さ、頻度は少し大きいものの、重篤なケースは報告されていません。少なくとも現在使われている生ワクチンよりは、理論上安全性は高いはずです。生ワクチンはウイルスそのものを体の中に入れますが、これらのワクチンは、抗原タンパク質に関するものしか体に入れないからです。

ただし海外製のワクチンは治験の人種の割合にかなり偏りがあり、ほとんどが白人でアジア系は数%にすぎません。ワクチンでは人種間でリスクが異なる可能性があるので、アジア人では日本がモデルケースのひとつとなると思います。

緊急事態宣言によって新規の感染者数は減少傾向になりますが、無症状や軽症の方が急に症状が悪化し、無くなるというケースも報じられています。少なくともワクチン接種によって、重症化は防げる可能性は高いと思いますので、リスクとベネフィット(利益)をきちんと判断していただきたいと思います。

ワクチンに対して不安があるという方は、まず医療従事者への接種の結果を見て、冷静に判断するという形でもよろしいかと思います。

はらこどもクリニックの医師・スタッフもワクチン接種を行いますので、接種後の副反応などについて、レポートできたらと思っています。

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新型コロナウイルスワクチンについての解説 その1【内科】

医療従事者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が、2月から始まっています。

使用されたファイザー製のワクチン(mRNAワクチン)、そして今後使用が予定されているアズトラゼネカのワクチン(ウイルスベクターワクチン)は、従来使われてきたワクチンとは、製造方法が異なる新しいワクチンです。今回はこれらの新しいワクチンについて解説していきたいと思います。(不活化ワクチン、生ワクチンについては、過去の記事を参照してください。)

mRNAワクチンとウイルスベクターワクチンの特徴として、「液性免疫」と「細胞性免疫」の両方の免疫を誘導できるということがあります。(不活化ワクチンでは液性免疫の誘導のみ。)

細かい反応については非常に専門的になるので省きますが、大まかに言うと、液性免疫は体の中にウイルス・細菌などの「抗原」に対する「抗体」を作り、ウイルスの活性を失わせる働き。細胞性免疫はウイルスや細菌にやられた細胞を壊すキラーT細胞を作ります。
この2つの免疫が誘導されることで、感染抑制と重症化の抑制に高い効果を得ることが出来ます。
(mRNAワクチンの仕組みについてもっと詳しく知りたい方は、大阪大学名誉教授 宮坂昌之先生のFBに詳しく分かりやすい解説がされていますので、是非ご覧になってみてください。)

・mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン
DNAには様々なタンパク質を合成する設計図が入っています。しかし、DNAから直接タンパク質が合成されるわけではありません。DNAが持つ情報から必要な部分だけが、まずmRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれる物質にコピーされ、そのmRNAの情報をもとにヒトの細胞がタンパク質を合成します。mRNAワクチンは、この反応を利用したワクチンです。

ウイルスの表面にはスパイクタンパク質があり、人間の抗体はこのスパイクタンパク質に対し反応します。ウイルスの遺伝子(DNA)の中からこのスパイクタンパク質の形成に関する部分(RNA)のみを解析し、その情報を転写したmRNAを作ります。そのmRNAを保護する物質に包み、ワクチンとしています。

mRNAは人の細胞の中に入り込み融合すると、mRNAから情報を読み取った人の細胞は、指示通りスパイクタンパク質を作ります。人の体の中の免疫系がこのスパイクタンパク質を認識すると、対応する抗体が作られると共に感染細胞を破壊するキラーT細胞も活性化されるという仕組みです。mRNAの指示によって作られるのはあくまでスパイクタンパク質のみなので、ウイルスそのものではありません。

RNAはいずれ壊れてしまい、ワクチン接種を受けた人の遺伝子の中には組み込まれません。このような仕組みから、理論上、副作用が少なく安全性の高いワクチンと考えられています。

一方でRNAは非常に壊れやすく不安定な物質のため、これをどう人の細胞まで壊さずに届けるかが課題でした。今回のファイザーのワクチンでは、mRNAを脂質で包み、かつ-70℃以上の超低温で保管することで、それを可能にしています。

mRNAワクチンは、今回の新型コロナウイルスのワクチンとして初めて利用される実用化された技術ではありますが、以前から次世代のワクチンとして研究されてきた製造法です。元々がんのワクチンとして長く研究されていましたが、がんの場合抗原の特定が難しく、実用化に至りませんでした。新型コロナウイルスの感染拡大によって、実践投入が早まったということになります。実用化こそ初めてなものの、技術としては真新しいものではなく、きちんと研究されてきたもので、理論上では安全性も高く、効果も高いと思われます。

遺伝子解析の技術が上がり、ウイルスが持つ遺伝子の解析が容易になってきたことや、該当のウイルスの遺伝子さえ手に入ればすぐに対応したワクチンを製造できるため、ウイルスが変異した場合でも対応しやすいというメリットがあります。

上に書いたように体の中に入れるにはあくまでスパイクタンパク質に関わるRNAだけなので、他の必要ないタンパク質が体に入らないことも大きいメリットです。コロナウイルスは、抗体を持っていた方が症状が重篤化する抗体増強反応があることも分かっているので、なるべく余計なタンパク質は身体の中に入れたくないという点もポイントです。
今後日本でも流通が予想されるモデルナのワクチンもこのタイプになります。

長くなってしまったので、アストラゼネカのワクチンで使用されているウイルスベクターワクチンいついては次回に解説します。

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ワクチン接種についての法改正 何が変わったのか?[小児科]

2020年10月に予防接種に関する法律が変わりました。これはロタウイルスワクチンの定期接種化に伴って改正されたものです。

改正されたポイントを端的にまとめると「注射生ワクチンは4週間隔空ける必要があるが、それ以外の異なるワクチンはいつ接種してもいい」となったことです。

例えばこれまでは注射生ワクチンである「MRワクチン」を接種した場合、次にどんなワクチンを接種する場合でも4週間空ける必要がありました。しかし、今回の改正により次に接種するのが経口生ワクチンや不活化ワクチンであれば、特に間隔を空ける必要がなくなりました。極端なことを言うと、異なるワクチンであれば毎日連続で接種することが可能だということです。

注意しなければならないのは「異なるワクチン」というところです。各ワクチンには効果的に免疫を獲得するための定められた接種間隔があります。例えば不活化ワクチンであるヒブワクチンは、1回目接種と2回目接種では4~8週間隔空けなければなりません。ヒブワクチンを接種した次の日に肺炎球菌ワクチンを接種することはできますが、ヒブを続けて接種することはできません

これにより予防接種の全体スケジュールの管理がかなり楽になることが予想されます。特に同時接種をしないスケジュールを組む場合は恩恵が大きいでしょう。同時接種をしている場合はそれほど影響はなさそうです。

ちなみにはらこどもクリニックでは、通院の回数が少なくなり、お子さんが痛い思い、怖い思いをする回数が少なくなる同時接種を推奨しています。同時接種は医学的に安全性と効果についてきちんとエビデンスがある接種法ですので、安心して接種を受けてください。

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ウイルスと薬 その2[内科]

ウイルスと薬についてのお話の続きです。今回はウイルスとワクチンについて書いてみます。

ウイルスは増殖するとき、宿主の細胞増殖の機能を利用して、自分の遺伝子であるRNAをどんどんコピーしていきます。この時、約3%の割合で何らかの変異があると言われています。ウイルス感染症では、体内に何百万個ものウイルスがいる状態になります。わずか3%の変異率でも、母数が多いので、変異したウイルスが登場する可能性が非常に高いのです。さらに多くの人に感染が広がればなおさらです。このようにウイルスはめまぐるしく変異を繰り返すため、ワクチンができても有効な効果を得にくい場合があるのです。

また、報道番組やワイドショーなどでは、抗体ができていれば、コロナウイルスに罹りにくい、症状が出ないというような論調もありますが、これは正しくありません。

新型コロナウイルスの感染では、ウイルス感染が引き金となって自己免疫系が自分の血管や臓器を攻撃することによって、血管系の疾患や多臓器不全などの重い症状が起こるということが分かってきています。この場合、むしろ抗体がある方が、症状が重篤化する可能性があります。(サイトカインストーム、ADE。)

例えばデング熱は、4つの型があり、ある型に感染し抗体ができると、次に別の型に感染した場合、重篤化する可能性が高いことが分かっています。またネココロナウイルスでは、ウイルスに抗体をもった猫が、同じウイルスに感染すると重篤化することがあるそうです。

実は単純に「接種したときに抗体を作る」だけのワクチンであれば簡単に作れます。不活化や弱毒化したウイルスを体内に入れれば抗体自体はできるからです。ただし、その抗体が正しくウイルスの抑制に働くかどうかは、きちんと検証を積み重ねなければ分からないのです。

同じくコロナウイルスが原因のSARS、MERSでは、ワクチンはできていません。上に書いた変異や抗体・免疫の問題で、有効なワクチンが作れなかったのです。ウイルスに対するワクチンの開発は、とても難しいのです。

アメリカでは早ければ年内にワクチンが接種できるという報道もありましたが、これがどこまで有効なのかは、実際に接種してみないと分からない部分がかなりあると思います。

しばらくはこのウイルスとうまく付き合いながら、感染を押しとどめていくしかありません。3密を避ける、手洗いをする、マスクを上手に使うなどの対策をきちんととって、なるべく感染しない、させないようにしていきましょう。

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診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

予防接種はきちんと受けましょう![小児科]

新型コロナウイルスの感染を恐れ、医療機関に行かないという人が増えているそうです。実際のところ、高齢者の必要以上の通院なども問題になっていますので、それが適正化した側面もあるかもしれません。

しかし、お子さんの予防接種を控えるような考え方はとても危険です。今は新型コロナ一色ですが、実際には他の病気が無くなったわけではありません子どもにとっては、新型コロナよりも危険度が高いであろう病気もたくさんあります。

予防接種は月齢で期限があり、今のところ延期などの措置は取られていません。ワクチンを接種するのには効果的な月齢もあるため、スケジュールに沿って受けていただくのが良いでしょう。

日本では長い自粛生活の甲斐もあって、少しずつ感染の広がりは落ち着いているように見えますが、第2波、第3波がくれば、今後アメリカやヨーロッパのようになる可能性は完全に否定はできません。今、各健診類が延期になっているように、予防接種にも何らかの制限がかかってしまうかもしれません。受けられる時に、きちんと予防接種は受けるようにしてください。

はらこどもクリニックは「一般」・「感染症」・「健康外来」と、症状、診察内容によって、3つのエリアにゾーニングしています。予防接種や乳幼児健診の患者さんは「健康外来」で、入口、待合室ともに、病気の患者さんとはきちんと隔離して、診察を受けることができます。また発熱があり、感染症が疑われる患者さんについては「感染室入口」から「感染待合室」に入っていただき、そこで受付から会計まで済ますことができるようになっています。

予防接種は安全にできますので、怖がらずにきちんと受けにきてください。

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