子育てお役立ち情報」カテゴリーアーカイブ

新学期の子どもたちのメンタルについて[小児科]

新型コロナウイルスの流行によって、2年以上にわたり、子どもたちは大きな負担を強いられています。学校の行事ができない、できても制限が多い。修学旅行や林間学校に行けない、友達と遊べないなど、これまで当たり前にできていたことができない、そして、子どもたちの健やかな心身の成長のために必要なことができなくなってしまっています。

特にGWの連休明けは、学校に行けなくなるなど、メンタルの不調を訴える子どもが多く出る時期です。そこに新型コロナによる様々な要因が絡むことで、子どもたちのメンタルヘルスが悪化するリスクが大きくなっています。はらこどもクリニックでもASDやADHDの可能性がある子どもたちを中心に、1週間に3・4人はメンタルに不調を訴える子どもが来ています。

コロナのせいで不登校になったという報告も少なくありませんし、コロナによって変化した環境に不安感が大きくなっている子どもたちはたくさんいます。

また例えば親御さんが、子どもがコロナに罹るのが怖いからと学校に行かせないケースでは、余りに強制が過ぎると、強迫神経症になる子どもも一定数でています

このような状況を解決するためには、子どもたちに関わる周囲の大人たちが、子どもたちを傷つけないようソフトに対応することで大切です。何かトラウマになるようなエピソードが起こると、子どもたちの心は大きくダメージを負ってしまいます。

子どもたちの変化をよく見てあげて、子どもたちのメンタルを守っていただきたいと思います。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

子どもの飲酒・喫煙どうしていけないのか?

今年度から成人年齢が20歳→18歳に変更されました。しかし、飲酒・喫煙については、これまで通り20歳になってからという点は変わりません。これはなぜでしょうか?

一番は子どもにとって飲酒・喫煙が色々な意味で害が大きいということです。

まずタバコについては、正確には子どもだけではなく全ての年齢において、健康を害するという面ではよろしくありません。喫煙によってダメージを受けた肺は、喫煙をやめても健康な状態に戻るわけではありませんので、本数にもよりますが、若い時からタバコを吸っていれば、それだけダメージも大きくなります。

飲酒については、まず大前提として、アルコールが障害度の高い薬物であるということです。身体的な依存性が高く、中毒になった場合の離脱症状も激しいです。

困ったことに、小さな子どもがお酒を飲んでしまった(飲まされてしまった)ようなケースが、稀に報告されます。例えば、2歳の子どもにお酒を飲ませたケースでは、急激な肝障害を起こし、肝肥大が見られたという報告があります。

アルコールは肝臓で分解されるため、体が成長しきっておらず、肝機能が十分に発達していない状態での飲酒は、命の危険に関わるというケースもあるということです。

また中高生になって体がある程度できていても、飲酒が単なる飲酒だけに終わらず、窃盗などの犯罪行為や違法薬物の摂取につながるなど、その先の非行行動につながりやすいという点も見逃せません。

アルコールは、いわゆるゲートドラッグになりやすいのです。子どもは酒量のコントロールが効かないこともあり(最も大人でもコントロールが効かない人は少なくありませんが)、飲酒は制限されているのです。

心身が健やかな成長を遂げるにあたって、飲酒・喫煙は大きな害を及ぼします。子どもたちに、安易に飲酒・喫煙させないよう、大人もきちんと見守ってあげましょう。

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小さな子どもたちにマスクをさせる場合の注意点

新型コロナウイルスのオミクロン株の拡がりの中、政府から「2歳以上にマスク着用を推奨する」という通達が出たことで、医療界・教育界から異論が相次ぎました。

そもそも2歳未満にはマスクはNGとされています。これは不織布などの気密性の高いマスクだと、幼児の心臓などに負担が大きいと考えられること、また布マスクは濡れると密閉度が高くなるため、仮に嘔吐などをしてマスクが濡れてしまった場合、それで窒息する可能性もあるからです。

このような理由を考えれば、2歳になったからといって、マスクをすることが100%安全かと言えばそうではありません。発育・発達のスピードは子どもによってそれぞれ異なるからです。

全く問題なくマスクをできる子もいるかもしれませんが、3歳・4歳になっても嫌がってできない子は一定数います。また、発達に問題があるようなお子さんの中には、感覚過敏のような症状で、鼻や口に異物が当たることを嫌がり、マスクをできない子もいます。

小さなお子さんにマスクをさせる場合は、大人がきちんと管理できることが大切です。

吐き気や嘔吐がある時には、窒息の可能性があるので、月齢が大きくてもマスクはしない方が良いですし、昼寝をしている時には外してあげる必要があります。例えば、お出かけの際、疲れてベビーカーなどでお子さんが寝てしまった場合なども、マスクを外した方が良いです。

また大人の場合、鼻水が出ている時は他の人にうつさないようマスクをするかもしれませんが、子どもの場合、鼻水が出ている時には呼吸が上手くできずとても苦しい状態になります。その時に無理にマスクを着けさすのは良くありません。

保育園では2歳児の場合、1人の保育士さんが5~6名の子どもを見なければなりません。2歳児といえばイヤイヤ期のど真ん中であることが多いですし、その中でマスク管理まで保育現場に強いることは、非常に大きな負担になると共に、事故の危険性も高まります。

この点からも、「2歳以上にマスク着用を推奨する」という通知は、もっと慎重に検討されるべきだったと思います。

感染予防の観点からはマスクは非常に有効な対策です。ですが、お子さんの場合は、親御さんがきちんとお子さんの状況を見て、マスクを着用するしないの判断をしてあげてください。

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赤ちゃんのアレルギー【アレルギー科・小児科】

現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。特に食物アレルギーについては、1歳未満の乳児で最も多く発症します。早い子ですと、2、3カ月くらいでミルクアレルギーを発症するケースもあります。

赤ちゃんは自分で意思表示が出来ないので、大人が判断してあげる必要があります。例えば、ミルクを飲んだ後に顔色が悪化するようなケースや、離乳食を食べて蕁麻疹が出るような場合には、アレルギーを疑う必要があります。ただし乳児の場合、アナフィラキシーは余り多くはなく、食べてすぐには症状が出ず、ラグがあるケースもあり、判断が難しいこともあります。

母乳にアレルゲンが含まれている場合、アレルギーが出てしまう場合もあります。ただしアレルギーが出たからと言って、母乳をやめさせることは推奨されていません。母乳は乳児の成長にとって重要なものなので、アレルギーが出た場合でもきちんと評価をして、本当に止めなければならない場合だけ止めることになります。

また食物アレルギーに伴うアトピー性皮膚炎も発症するケースもあります。小さい子の場合、普通の蕁麻疹として診断されてしまうケースも少なくないため、きちんとした評価が必要になります。この場合は、肌のケアをしっかりと行いながら、少しずつ治療を行っていきます。

なお、食物アレルギー検査の中で、遅延型アレルギーの検査としてIgG抗体を測定するというものがあります。しかし、アメリカ、ヨーロッパをはじめ、日本のアレルギー学会でも、食物アレルギーにおいては、IgG抗体検査は診断的価値が無いと公式に否定しています。

困ったことに、日本アレルギー学会や小児アレルギー学会が公式に注意喚起の見解文を出している現在でも、IgG抗体検査を行っている医療機関は少なくありません。アレルギー検査をされる際は、注意してください。

(※日本アレルギー学会によるIgG抗体検査に関する注意喚起はこちらです。)

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鼻呼吸と口呼吸【内科】

昔から口呼吸は良くないと言われていますね。大体の場合は何となくで、理由などは付け加えられないことも多いのですが、実際のところ口呼吸にはデメリットがたくさん潜んでいます

まず今の時期的にいうと感染症のリスクが上がるということがあります。口呼吸をすると口の中が乾燥するため、細菌やウイルス感染のリスクが上がります。また、口の中の常在菌の変化が起こることで、口臭などの問題も出てきます。

もうひとつは顔の形が変わってしまうというリスクもあります。

特徴として、アゴが小さく後方になり、首の境目、くびれがはっきりしないような形になったり、上唇が突出したような形になります。これは「アデノイド顔貌」と言われています。

首の回りのリンパ節のひとつ=アデノイドは、5、6歳から大きくなり始め、8歳頃にピークがきます。アデノイドの肥大が起こると、鼻腔に行く空気が少なくなり、鼻呼吸がしづらく、口呼吸になります。そのまま口呼吸を続けていると顔の形が変化してきてしまうため、アデノイド顔貌と名付けられました。現在ではアデノイドの肥大関係なく、口呼吸によって起こる顔つきを総称的にアデノイド顔貌と呼ぶことが多いです。

アデノイド肥大があるかどうかの判断の目安として、5、6歳からいびきをかくようになったり、風邪などひいていないのに、寝る時に口呼吸になっている場合は、医師の診察を受けてみてもよいでしょう。アデノイド自体は、耳鼻科での外科手術で割と簡単に切れてしまうので、それほど心配することはありません。

ちなみに赤ちゃんは3カ月くらいまでは、口呼吸が上手くできません。そのため鼻が詰まると呼吸困難になって苦しがるようなケースがあります。そのため、3カ月未満の赤ちゃんの鼻詰まりには十分注意してあげてください。

はらこどもクリニックでは、赤ちゃんの場合、生理食塩水を点鼻して、鼻詰まりを治すことをやっています。この方法はいわゆる鼻うがいのようなもので、アメリカの小児医療の教科書にも載っているスタンダードな治療法です。

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思春期 女性ホルモンのバランスが不安定で起きる症状【小児科】

思春期は成長に伴い、ホルモン分泌が多くなっていき、アンバランスな状態になります。それにより自律神経に関係する症状が出ることがあります。

例えば、起立性調節障害といって、起立時にめまいや動悸が起こる病気や、低血圧になり朝起きられなくなるといった症状も良く知られています。

男の子に比べ女の子は月経や、乳房が膨らむなどの変化が大きいため、精神的にも色々と不安定になることも少なくありません。

また近年、思春期早発症の疑いの女の子が、年々増えているという現状があります。これは昔と現代の生活習慣の変化に伴い成長が早くなっていることも影響しています。例えば、原院長のお父さんが医師をやられていた時代(1950年代)では、初潮の平均年齢は14歳でした。現在は11歳と3歳も早くなっています。

本当に性モルモンの異常分泌で思春期が早く始まってしまっているのか、正常なホルモン分泌の範囲で成長が早くなっているのかを見極めるのが非常に難しくなっています。

これをきちんと判断するには、ホルモンの分泌量と共に骨年齢を計測することが重要で、これをきちんとできる医療機関がすくないという問題もあります。

非常にデリケートな問題ではありますが、お子さんと親御さんが上手くコミュニケーションを取りつつ、困ったことがあれば小児科医に相談してください。

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アトピー性皮膚炎の汗対策【アレルギー科】

夏休みが終わり、2学期が始まります。まだまだ残暑が厳しい中で注意しなければならないのが、学校生活の中でのアトピー性皮膚炎の悪化です。これは汗の処理をきちんとできないことで起こります。

特に中学校の部活動で悪くなるケースが多いです。例えば朝練をして汗をかきます。その状態のまま夕方まで授業を受けて、さらに放課後部活動という流れになると、汗の成分が肌に残ったままほぼ1日を過ごすことになります。汗は成分が強いため、アトピー性皮膚炎の症状の悪化につながってしまうのです。

本当は朝練終わりにすぐにシャワーを浴びて、汗を流してしまうのが良いのですが、私立のスポーツ強豪校でもなかなかシャワールームが設置してある学校はないでしょう。

その場合は、タオルをたくさん持って行って濡れタオルで身体を拭いてきれいにするなど、なるべく早めに汗をきれいにすることが大切です。肌に刺激の少ないタイプであれば、汗拭きシートでも良いでしょう。手、足、首など直接水道で洗い流せるところは、洗ってしまった方が良いです。

きちんと汗を処理して、症状の悪化を抑えるようにしましょう。

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お子さんの熱中症対策【小児科】

新型コロナウイルスが感染力の強い変異株に入れ替わり、日本国内の感染状況は悪化しています。その中で感染症対策は非常に重要になりますが、それと同時に暑さが厳しい中で気を付けなければならないのはお子さんの熱中症対策です。

まず感染拡大防止に役立つマスクではありますが、マスクは2歳までは推奨されていません。マスクにより熱がこもり、熱中症のリスクが高まります。(また呼吸がしにくくなり、呼吸や心臓への負担になる。顔色や表情が読み取りにくくなり、体調の変化に気づきにくくなるというリスクもあります。)

実際にマスクをして体育をしてお子さんが亡くなったという事例もありますので、十分に注意してください。

小さなお子さんが熱中症になっても、自分で異常を訴えることは難しいでしょう。熱中症はいきなり倒れるようなケースも多いので、まわりの大人がきちんと注意をはらっておく必要があります。見分け方として誰もが熱いと感じているような時に、汗をかいていない場合は注意が必要です。

熱中症の対策として、こまめに水分を摂ることはもちろん、帽子を被らせるのは有効です。日本人の場合、髪の毛が黒いことが多いので、熱を吸収しやすく、頭の温度が上がりやすくなります。黒や濃い色のものより、白に近い薄い色の方が効果は高いでしょう。また防止に水をかけておくと気化熱で熱を奪うので、良いかもしれません。

熱中症の疑いがある時は、とにかく温度を下げて水分を摂るという事が重要です。例えば水をかけて扇風機で風を送る、外の場合は霧吹きをして風を送るなどしてください。

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子どもの鼻血 どんな原因がある?【小児科】

大人に比べて子どもの方が頻度が高いものに「鼻血」があります。余りに頻繁に鼻血が出るようだと親御さんも心配になってしまうかと思いますが、そのほとんどは病気などではなく、医学的に問題ないものです。

子どもの鼻血は朝が多く、その原因は朝方無意識にムズムズする鼻をこすってしまうためです。鼻血の多くは、鼻の入口に近いところ「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる部分からの出血です。ここは血管の表面が余り保護されておらず、比較的簡単に出血してしまうためです。

このような鼻血の場合は15分程度で止まりますので、小鼻の部分を押さえて、出血した血を飲まないよう少し下を向いてください。
親御さんの世代が小さい頃には、鼻の根本の硬い部分を押さえ上を向くと教わったかもしれませんが、硬い部分を押さえても意味がないうえ、上を向くと血を飲み込んでしまい、吐き気などを起こす可能性があるので、やめましょう。

またティッシュペーパーを鼻の穴に詰めるということもやりがちですが、それを抜く時にかさぶたがはがれてしまい、また出血する可能性があるのでおすすめできません。小鼻を押さえて安静にするのがベストです。

鼻血がなんらかの病気との関連があるケースの判断基準としては、ひと月に6回以上鼻からの出血がある場合、鼻血が出た時に15分以上経ってもなかなか止まらないという場合です。
また子どもの鼻血は朝が多いと書きましたが、昼夜問わず15分以上の鼻血が頻繁に起こるようなら注意が必要かもしれません。

可能性として、血液を固めるためのタンパク質が少なく、血が固まりにくくなる「血友病」や白血病などが疑われます。

子どもの鼻血は、多くの場合それほど心配する必要はありませんが、もし先に書いたような症状があった場合は、ご相談ください。

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女児の思春期、早い?遅い?【小児科】

「思春期」は、精神的にも身体的にも大きな変化がある時期です。今回は特に女児の思春期における身体的変化とその頃に起こる様々な症状について解説していきたいと思います。

女児の場合、男児よりも様々な変化が起こります。中でも「月経」が始まるのは大きな変化です。
月経は生理と呼ばれるくらいですから、普通に起こることなのですが、中には、痛みが強いお子さんも中学生くらいの年代にはあります。
場合によっては、ピルを使って月経を止めるなどもありますが、原因を明らかにするために検査を月経周期に合わせて行う必要がある場合もあります。原因の一つである「子宮内膜症」に子どもが罹る場合も意外と多いのです。子宮内膜症は痛みが強く、時には倒れるくらいの痛みが出るようなケースもありますが、ただ単に生理痛が重いだけと思われがちです。

また稀ではありますが「思春期早発症」という病気もあります。

二次性徴の少し前、小学校3~4年生の頃に月経がきたり、乳房の発達、陰毛が出現します。一時的には身長が伸びるのですが、早く成長期が終わってしまうため、結果として背が小さくなります。

思春期早発症の場合、発見が遅れると、気付いた時には成長期が終わっていて治療ができないということにもなりかねません。また長期間の治療が必要で、精神面のコントロールが難しいこともありますし、原因として、脳腫瘍や卵巣腫瘍の可能性もあるため、早めの発見、早めの治療が非常に重要になります。(逆に二次性徴が遅い「思春期遅発症」もあります。)

このような性徴の問題は非常にデリケートで、親御さんもそこまで詳しくチェックするのが難しい場合があります。
女児の場合、乳房の発達が親御さんの判断基準になりますが、これらの症状は必ずしもそれだけでは分からないからです。実際に患者さんからの相談で見つけるよりも、何か別のきっかけで医師側が見つけるパターンが多いのです。

思春期の始まりである小学校高学年くらいになると、感染症などの病気に罹りにくくなり、病院に来る機会が減ります。その中で思春期特有の心の問題や発育などの性的な成長の問題で病院に行っていいか、子どもは分からなくなってしまうことが多いのです。

お子さんに身体や心の発達、成長で心配なことがあったら、気軽に小児科に相談してください。親御さんには言えないことでも他人である医師になら言えることもあります。

思春期はお子さんにとっても親御さんにとっても変化の大きい時期だと思います。小児科医を上手くサポートに使ってみてください。

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