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小さな子どもたちにマスクをさせる場合の注意点

新型コロナウイルスのオミクロン株の拡がりの中、政府から「2歳以上にマスク着用を推奨する」という通達が出たことで、医療界・教育界から異論が相次ぎました。

そもそも2歳未満にはマスクはNGとされています。これは不織布などの気密性の高いマスクだと、幼児の心臓などに負担が大きいと考えられること、また布マスクは濡れると密閉度が高くなるため、仮に嘔吐などをしてマスクが濡れてしまった場合、それで窒息する可能性もあるからです。

このような理由を考えれば、2歳になったからといって、マスクをすることが100%安全かと言えばそうではありません。発育・発達のスピードは子どもによってそれぞれ異なるからです。

全く問題なくマスクをできる子もいるかもしれませんが、3歳・4歳になっても嫌がってできない子は一定数います。また、発達に問題があるようなお子さんの中には、感覚過敏のような症状で、鼻や口に異物が当たることを嫌がり、マスクをできない子もいます。

小さなお子さんにマスクをさせる場合は、大人がきちんと管理できることが大切です。

吐き気や嘔吐がある時には、窒息の可能性があるので、月齢が大きくてもマスクはしない方が良いですし、昼寝をしている時には外してあげる必要があります。例えば、お出かけの際、疲れてベビーカーなどでお子さんが寝てしまった場合なども、マスクを外した方が良いです。

また大人の場合、鼻水が出ている時は他の人にうつさないようマスクをするかもしれませんが、子どもの場合、鼻水が出ている時には呼吸が上手くできずとても苦しい状態になります。その時に無理にマスクを着けさすのは良くありません。

保育園では2歳児の場合、1人の保育士さんが5~6名の子どもを見なければなりません。2歳児といえばイヤイヤ期のど真ん中であることが多いですし、その中でマスク管理まで保育現場に強いることは、非常に大きな負担になると共に、事故の危険性も高まります。

この点からも、「2歳以上にマスク着用を推奨する」という通知は、もっと慎重に検討されるべきだったと思います。

感染予防の観点からはマスクは非常に有効な対策です。ですが、お子さんの場合は、親御さんがきちんとお子さんの状況を見て、マスクを着用するしないの判断をしてあげてください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
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