病気と症状」カテゴリーアーカイブ

[内科]サイトカインストームとは?その1

新型コロナウイルスによる感染症について世界各国で研究が進められている中、様々な情報がニュース等で報じられています。その中で症状が重篤化する原因に「サイトカインストーム」という言葉が出てきています。今回はこの「サイトカインストーム」について、少し紹介してみたいと思います。

まずサイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質です。細胞間での情報伝達をする役割を持ち、体の中で様々な生理現象を発生させるトリガーのような働きをしています。非常にたくさんの種類があるだけでなく、ある反応を促進するものと抑制するものがあり、お互いにコントロールし合ってバランスがとれています。いわばサイトカイン同士が一種のネットワークを形成していて、それをサイトカインカスケードと呼びます。

例えば、あるサイトカインが働くと、それが過剰にならないように他のサイトカインが抑制をかけたりして、結果的にコントロールされるのです。サイトカインは必ず1つで2つ以上の機能を持っていますので、そのネットワークはとても複雑な仕組みになっています。

サイトカインの中には、免疫系に深く関わるものもあります。通常ウイルスに感染すると、体の中でウイルスがどんどん増えてきます。するとそのウイルスに対抗するために抗体ができます。抗体は対応したウイルスとぴったりとくっつくように作られ、抗体とくっついたウイルスは、マクロファージという病原体を食べる細胞に食べられやすくなるのです。マクロファージは抗体ごとウイルスを食べると、酵素の働きで病原体を分解していきます。

この過程で、サイトカインが分泌されます。サイトカインが出ることで、身体を温めるために発熱をおこしたり、マクロファージを活性化させたりと、ウイルスをやっつけるために様々な形で作用します。

しかし、新型コロナウイルスに感染した場合、どういうわけかこのサイトカインのコントロールがうまくいかなくなり、抑制がかかりすぎたり、反応を促進させるのが過剰になったりとバランスが取れなくなった状態になってしまいます。これが「サイトカインストーム」です。

長くなりましたので、続きはまた次回に。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

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[小児科]夏に感染しやすい子どもの感染症、新型コロナ感染との比較

夏の感染症を引き起こす代表的なものに「エンテロウイルス」があります。エンテロウイルスは腸管で増殖するウイルスの総称で、たくさんの種類があります。発熱などの風邪の諸症状はもちろん、ヘルパンギーナ、手足口病、発疹などなど種類によって出る症状は多種多様で、ひとつの型に感染して免疫ができても、他の型には感染してしまうため、1シーズンに何度も感染するケースもあります。

暑くなってくると集団生活の中で感染が増え始め、7月後半に多くなります。例年であれば、このタイミングで夏休みに入るため、一旦感染の拡大は収束する傾向にあるのですが、今年は夏休みが短くなっているため、例年よりも長い期間にわたって流行するのではないかと予想しています。

そしてもうひとつが「アデノウイルス」です。代表的な症状として咽頭結膜熱(プール熱)を引き起こします。結膜炎、のどの痛み、発熱が主な症状となります。

ただしこちらのウイルスも非常に型が多く、変異が早いことで知られています。3年前は50種類程度だったものが、現在では80種類以上の型があることが分かっています。そのためアデノウイルスが引き起こす症状も多種多様で、百日咳のようなひどい咳や下痢になることもあります。また型が多いので、お子さんだけではなく、大人がかかってしまうケースも多くみられます。

エンテロウイルスとアデノウイルスは総じて熱が高くなることが多いですが、新型コロナウイルス感染症では、子どもの場合、最初は熱が出ることが少ないようです。季節的にはコロナウイルスよりもアデノウイルスの方がよほど流行しますので、お子さんが熱を出したからといってパニックにならず、きちんと医療機関で診てもらいましょう。発熱などの症状がある場合には、必ずそのことを伝え、各医療機関からの指示に沿って通院してください。

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虫刺されがひどくなってしまった時は?[小児科]

この季節、外で子どもが遊んでいるときに悩まされるのが虫刺されです。時折、ひどく腫れてしまう、かゆみ、痛みがひどくなるようなものもあるかと思います。その場合は、普段よく刺される蚊とは違う虫に刺された可能性が高いと考えた方が良いでしょう。

刺されると非常にしつこい痛痒さが続くブユや、刺されると火傷のようなミミズ腫れになるアオバアリガタハネカクシ(羽アリに似ている赤い虫)、お茶畑の多い狭山市周辺ではチャドクガもなかなか厄介です。チャドクガの場合、直接虫に触れなくても、風に舞った毛が付着するだけで、皮膚炎になります。

虫刺されによる皮膚炎の治療では、ステロイド系の塗り薬を使いますが、症状がひどい場合には、効果が薄いため、飲み薬を使う場合も出てきます。

外で遊ぶ場合や、屋外でのレジャーなどでは、虫よけを上手く使って、虫刺されの被害を抑えましょう。

虫よけについては、過去のブログ記事にまとめておりますので、そちらをご覧ください。

→リンク:https://hara-kodomo.com/blog/2017/07/

 

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接触感染/飛沫感染/空気感染/エアロゾル感染の違いとは?その2[内科]

前回に引き続き、ウイルスの感染経路についてのご説明です。

・空気感染

「空気感染」とは、飛沫から水分が蒸発した状態で、さらに小さな微粒子となり、そこにウイルスが付着して空気中を広範囲にわたって漂い、それを吸い込んで感染するものです。空気感染するウイルスは非常に感染力が強いですが、空気感染するウイルスは麻しん、水痘(水ぼうそう)と限られています。(ちなみに結核菌も空気感染します。)

・エアロゾル感染

そして最近聞くようになった「エアロゾル感染」ですが、これについては現状明確な基準はありません。エアロゾルとは空気中に漂う微細な粒子ということですが、エアロゾル感染は新しい言葉で、そもそも医療界においてはあまり使われていません。基本は飛沫感染ながらも、いわゆる三密の環境下で、空気感染に近いことが起こりえるくらいのイメージで捉えておくのがよいかもしれません。

ウイルスの感染の強さは、空気中をウイルスが漂って遠くまで広がるかどうかです。換気をよくしてどこかに流れてしまえばリスクが少なくなります。三密を避け、皆さん一人ひとりが感染予防を心がけてください。

新型コロナウイルスの場合、病院では入院患者さんの場合は1日6回を目安に換気が行われています。結核などの空気感染に準じた対応となっているようです。これから暖かくなるので、窓を開けるのにちょうどよい季節ですから、お部屋の換気を常に良くしておくのが良いでしょう。

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接触感染/飛沫感染/空気感染/エアロゾル感染の違いとは?その1[内科]

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、メディアなどで「飛沫感染」・「エアロゾル感染」という言葉が頻繁に出てくるようになっています。ここで改めて、それぞれどんな感染経路になるのかご説明していきたいと思います。

・飛沫感染

まず新型コロナウイルスは基本的に「飛沫感染」となります。飛沫感染とは、咳やくしゃみに含まれるしぶきの中にウイルスが含まれ、それを吸い込むことで感染します。新型コロナウイルスに対してマスクやフェイスシールドが必要とされているのは、この飛沫感染を防ぐためです。飛沫を物理的にさえぎることで飛沫感染のリスクを下げるということです。

また「ソーシャルディスタンス」と言われる人と人との距離をあけるという対策も、この飛沫感染への対策になります。飛沫は水分を含むしぶきで重いので、飛び散る距離に限界があります。それが2m程度といわれているため、2m離れることが推奨されているのです。
(※これは咳やくしゃみのエチケットを守った場合です。何もなしで思いっきり声や音を出して咳やくしゃみをすると、もっと遠くまで飛沫が飛んでしまいます。咳やくしゃみをする際には、きちんとエチケットを守りましょう。)

・接触感染

新型コロナウイルスの場合、感染者が触ったものの表面にウイルスが付着して、それを触ることにより感染する「接触感染」も大きな感染経路のひとつと言われています。ウイルスは付着したものの表面で、かなり長い時間活性を失わないという研究結果も出ています。ドアノブ、手すり、様々な機器のボタンやスイッチ、スマホやタブレットの表面など日常生活の中で注意が必要なものは数多くあります。

接触感染については消毒が有効です。次亜塩素酸ナトリウムやアルコールでまめに消毒を行いましょう。今消毒用アルコールが手に入りづらいといわれていますが、次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、市販されている漂白剤を薄めることで簡単に作れます。

以前ノロウイルス対策として、次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方を当ブログに掲載していますので、参考にしてみてください。(→記事はこちら!

また家庭でできる新型コロナウイルス感染対策について、日本環境感染症学会がまとめておりますので、是非見てみてください。(→日本環境感染症学会のHPはこちら

長くなりましたのでこの辺で。次回は「空気感染」・「エアロゾル感染」についてご説明します。

 

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糖尿病の症状にいち早く気付くには[糖尿病内科]

糖尿病に罹ると、感染症に非常に弱くなるということを以前当ブログでも紹介しました。感染症に罹りやすくなったら注意が必要です。また、大人が通常罹らないような珍しい感染症の場合、糖尿病を疑って、スクリーニング検査をします。

では、糖尿病の症状で、他の病気と同じような症状が出ることがあるのでしょうか。結論から言うと、糖尿病は、初期では自覚症状が出にくいため、これといった症状で気付くことは難しいと言えます。自覚症状(喉の渇き、多汗、手足のしびれなど)が出る頃には、症状がかなり進行した状態になっていることが多いのです。

糖尿病を早期発見するには、尿糖、血糖の数値が重要な指針となります。これから会社などでの健診の季節だと思いますから、検査結果を適当に流さず、自分の数値をしっかりと確認しましょう。

糖尿病は様々な合併症を伴う全身病です。糖尿病で悪くならない臓器はないと言えます。とにかく悪化させないことが重要です。怪しいなと思ったら、早めに診断を受けて、血糖をしっかりとコントロールしましょう。

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もしかして子どもが花粉症かも?ここで判断。[小児科・アレルギー科]

当ブログでも度々取り上げていますが、近年子どもの花粉症は決して珍しいことではなくなっています。大人でも辛い花粉症、子どもならなおさら辛いことでしょう。

ただ花粉症は時期的にウイルス感染症に被る時期も多いので、子どもが風邪なのか花粉症なのか、判断に迷われることもあるかもしれません。
花粉症と判断する場合、特に注意したいのは「目の症状」です。頻繁に目をこすったり、目が赤くなるといった症状が出ていた場合、花粉症を疑っても良いでしょう。また、鼻水、鼻づまりの症状が室内では比較的軽く、屋外でひどくなる場合も花粉症の可能性ありです。

「ビラノア®」は12歳以上からの投与となるため、子どもの場合は「アレグラ®」・「ザイザル®」が主となります。この2つには子ども用の剤形(ドライシロップなど)があり、大きな副作用もなく安全性も高い薬です。

点眼薬については、眼科学会からの通達でステロイド系からシフトし、抗ヒスタミン系が主流です。

もし、子どもが花粉症かも?と思ったら、お気軽にご相談くださいね。

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[はらはら通信より転載]コロナウイルスの情報など

今回は先日配信されたはらはら通信より転載の記事となります。
コロナウイルスの話題を中心に、役に立つ情報が載っておりますので、是非参考になさって頂きたいと思います。
はらはら通信は、登録制のメールマガジンとなっております。定期的に役に立つ情報を発信しておりますので、興味のある方は登録してみてください。

こちらのページから登録できます。

新型コロナウイルス感染流行で、毎日ニュースはそのことばかりです。
とうとう、オリンピックも開催が延期になりました。学校は閉鎖、そして春休みに突入、4月は開校予定ですが予断は許されません。

今わかっていることは以下のようです。
感染した人の80%は軽症におわります。しかし、20%は重症です。死亡者も出ています。
子どもの発生数は少なく、軽症とされていますが、中には重症例もありますので、感染しないにこしたことはありません。

家族内での感染率は高いです。誰が発端者になっても、家族の罹患は予防しずらいのが事実です。家族内に高齢者、糖尿病、高血圧、心臓呼吸器の疾患、高脂血症の基礎疾患を持っている方の家族は、もちこまない、持ち込んでもうつさない、ことが大切です。
これらの基礎疾患があることが悪いのは勿論ですが、あっても良くコントロールされていればリスクは低くなりますので、治療を必ず正しくお受けになってください。
嗅覚、味覚などの感覚障害が発病初期に出る人が居るそうです。上気道感染症ではよくあることなのですが、初期症状として気になれば、医師にご相談ください。
初期はせき、鼻水、痰、などの上気道症状があり、肺炎の下部気道症状・所見が加わるのは7~10日目です。以後、一気に悪くなる人が多いようです。一般医療機関では対応ができないので、相談センターに相談して指定された医療機関に受診なさってください。待合室でほかの患者さんに感染させる、させられるのが完全に予防できないからです。
都知事をはじめ関東各県知事も不要不急の外出はさけるように、人が集まる行事はしないように、狭い、空気が動かない、人と人の距離が短い空間が危険でそのような橋に行かないようにと勧告をしています。医療機関では、新型コロナウイルス感染症でなくとも他の病気が減ったわけではありませんので、そのような患者さんに対応しつつ、医療機関そのものが感染の場にならぬように工夫をしています。
私共のクリニックは、幸いというか感染症、一般、健康と3つのゾーンに分けた部位を持っていますので、それをうまく生かして対応したいと思います。事前にどのような患者さんが来られるのかを把握することが重要になるので、ぜひ、情報を入れてください。いつもより時間がかかることになり、お待たせすることもあろうかと思いますがぜひ、ご協力をお願いいたします。

●院長が急に入院をしてご心配頂いたり、ご迷惑をおかけしていますが、幸いに経過良好で、来週は退院が可能です。肝膿瘍という病気で、退院後すぐには無理かもしれませんが4月2週目には復帰できるかと考えています。もうしばらくご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。

●もう数日しかありませんが、4月に小学校に入られる方の2期の麻疹風疹の予防接種が3月31日までです。お忘れの方はぜひ、駆けこみでもよいので接種をお受けになってください。

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[内科]がんと貧血の関係

鉄分の欠乏による貧血についていくつか記事を書きましたが、それが原因ではない貧血もあります。他の病気に起因した貧血です。

ひとつは潰瘍などによる出血があり、貧血になってしまう場合です。30代~40代の女性に多いのは、子宮筋腫によって月経血が増え、慢性的な出血が起こることによって、貧血になるケースです。

また、がんになると、貧血の症状が起こる場合があります。出血が見られなくても、赤血球そのものの数が減って、MCV(平均赤血球容積≒赤血球の大きさと考えてください。)が大きくなります。これはがんによって代謝が下がることが原因と考えられます。(鉄欠乏の貧血の場合は、赤血球の数自体は変わらず、MCVが小さくなります。)ただし、がんも早期の場合では貧血にはならず、かなり進行してから症状が出ます。

このように赤血球の数値は、貧血だけではなく、様々な病気を発見する指針にもなります。貧血を放っておかず、健診で数値がおかしかったり、体調に変化がある場合などは、きちんと診察を受け、治療を行いましょう。

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[内科・アレルギー科]寒暖差アレルギーはアレルギーではない!?

この時期になると多くのメディアで「寒暖差アレルギー」という言葉が使われます。日中と朝晩の気温差、暖房の効いた部屋と外気温での寒暖差が原因で、くしゃみがとまらなくなったり、蕁麻疹がでるといったアレルギー症状が起こるというものです。

ですが、アレルギーとは何か特定のアレルゲンとなる物質に対し、体の免疫が過剰反応し起こる症状です。寒暖差の場合、アレルゲンとなる物質はありませんから、実はアレルギー反応とは言えません。

寒暖差が激しいと、血管が広がったり(暖)、縮まったり(寒)が激しくなります。この血管の激しい収縮によって起こるのが、寒暖差アレルギーとされているものです。血管の収縮によって免疫を司るマスト細胞というものが刺激され、ヒスタミンを出すことによる反応です。

プロセスは全く違っても、結果としてアレルギーと同じようにヒスタミンが出て症状を起こすので、治療法も通常のアレルギー疾患に対するものと同じになります。そういったところから寒暖差アレルギーという名称がついたのでしょう。

あくまでメディアなどが使う通称で医療界では使わない言葉です。「伝染性紅斑」を通称「リンゴ病」と言うようなものですね。

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