投稿者「スタッフはらこども」のアーカイブ

接触感染/飛沫感染/空気感染/エアロゾル感染の違いとは?その1[内科]

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、メディアなどで「飛沫感染」・「エアロゾル感染」という言葉が頻繁に出てくるようになっています。ここで改めて、それぞれどんな感染経路になるのかご説明していきたいと思います。

・飛沫感染

まず新型コロナウイルスは基本的に「飛沫感染」となります。飛沫感染とは、咳やくしゃみに含まれるしぶきの中にウイルスが含まれ、それを吸い込むことで感染します。新型コロナウイルスに対してマスクやフェイスシールドが必要とされているのは、この飛沫感染を防ぐためです。飛沫を物理的にさえぎることで飛沫感染のリスクを下げるということです。

また「ソーシャルディスタンス」と言われる人と人との距離をあけるという対策も、この飛沫感染への対策になります。飛沫は水分を含むしぶきで重いので、飛び散る距離に限界があります。それが2m程度といわれているため、2m離れることが推奨されているのです。
(※これは咳やくしゃみのエチケットを守った場合です。何もなしで思いっきり声や音を出して咳やくしゃみをすると、もっと遠くまで飛沫が飛んでしまいます。咳やくしゃみをする際には、きちんとエチケットを守りましょう。)

・接触感染

新型コロナウイルスの場合、感染者が触ったものの表面にウイルスが付着して、それを触ることにより感染する「接触感染」も大きな感染経路のひとつと言われています。ウイルスは付着したものの表面で、かなり長い時間活性を失わないという研究結果も出ています。ドアノブ、手すり、様々な機器のボタンやスイッチ、スマホやタブレットの表面など日常生活の中で注意が必要なものは数多くあります。

接触感染については消毒が有効です。次亜塩素酸ナトリウムやアルコールでまめに消毒を行いましょう。今消毒用アルコールが手に入りづらいといわれていますが、次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、市販されている漂白剤を薄めることで簡単に作れます。

以前ノロウイルス対策として、次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方を当ブログに掲載していますので、参考にしてみてください。(→記事はこちら!

また家庭でできる新型コロナウイルス感染対策について、日本環境感染症学会がまとめておりますので、是非見てみてください。(→日本環境感染症学会のHPはこちら

長くなりましたのでこの辺で。次回は「空気感染」・「エアロゾル感染」についてご説明します。

はらこどもクリニックでは、感染症の院内感染予防対策のため、患者さんの入口を空間的に隔離された3つに分けています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

はらこどもクリニックにアプリができました!

はらこどもクリニックでは、患者さんへの情報提供やお子さんの成長・病状の記録などができるスマートフォン、タブレット用アプリ「ププノート」を導入しました。今回はこのアプリについて、機能をご紹介したいと思います。

・ダウンロード、インストールの方法

このアプリは、はらこどもクリニックに通っている患者さんのみ使用できるアプリとなっています。インストールの際には、IDとパスワードが必要になります。IDとパスワードは受診の際に発行しますので、受診時に受付までご相談ください。
アプリのダウンロードは、App StoreもしくはGoogle playにて「はらこどもクリニック」で検索してください。「はらこどもクリニック ププノート」というアプリが出てきます。もしくはホームページの右側にダウンロード用のリンクが貼ってありますので、そこからダウンロードページへと移動できます。

・はらこどもクリニックより情報の発信

予防接種に関する情報や疾患に対する情報などを、タイムリーに発信していきます。
予防接種や健診のリマインドとして、また各季節で流行しやすい疾患のケアにつながるかと思います。
子どもの成長曲線も入っているので、お子さんの身長・体重の確認もできます。

・病気の症状の記録を取れる

病気の症状が出たときに、写真・動画を撮ってクラウドに保存、それがカレンダーの中に時系列で反映されます。例えば、湿疹などの皮膚疾患が出たときの写真、便の色がおかしかった時の写真、食物アレルギーが出たときの量の記録など、診察の際には非常に役立ちます。

・家族間での情報の共有

お子さんに何かの症状が出たときに、ご家族の中で情報の共有が難しいことがあります。診察時にお子さんを連れてきたご家族が、病状をよく分かっていないことも、実は珍しいことではありません。
平日でお母さんしかおらず、お父さんが子どもの病状を把握できていない。たまたま症状が出たときに、お父さんしかおらず、お母さんにどんな症状が出たのか伝わっていなかった…などなど、写真やメモを取っておけば、家族間での情報共有も無理なく行えます。

自分自身で症状を説明できないお子さんの場合、診察の際に発症時の写真・動画があることは診察の大きな助けになります。また、記録した情報は、はらこどもクリニック以外でも提示して使っていただけるのも大きな利点です。
処方箋の内容、各種検査データ、レントゲン写真などなど、何でもメモ代わりにスマホに写真で取り込んでおけば、様々な時に役に立つかと思われます。是非、ダウンロードして、有効に活用して頂ければと思います。

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[はらはら通信より転載]新型コロナウイルスの情報ほか

今回は先日配信されたはらはら通信より転載の記事となります。
コロナウイルスの話題を中心に、役に立つ情報が載っておりますので、是非参考になさって頂きたいと思います。
はらはら通信は、登録制のメールマガジンとなっております。定期的に役に立つ情報を発信しておりますので、興味のある方は登録してみてください。

こちらのページから登録できます。

新型コロナウイルスは言葉の通り新型なので、研究されてきた訳ではありません。このウイルスが登場する前までは、従来型と呼ばれる4つの型のコロナウイルス、サーズ、マースと呼ばれた重症型の6つの型がありました。同じコロナウイルスの仲間なので、共通の条件があるだろうと考えられます。
ワクチンが直ぐにでもできるように言われていますが、多分、出来ても効果が悪い可能性が高いのです。それは自然感染では病気を免れるという意味の免疫はできないか、出来ても不完全であることがわかっているからです。実際に再感染が起こります。
また、肺炎になり重症になるのは、経過した後です。免疫が出来る頃に重症になるのは別の仕組みが働いているからです。どのような機序で炎症を起こす物質がつくられるのかその仕組みがよくわかっていません。ひどくなる人と軽く済む人の違いが何に因るのかもわかっていません。それを抑える薬が試行錯誤で試されている状態です。
決め手になる治療法がない病気です。罹らないことが一番です。その基本的なことは、飛まつを浴びる近さには近づかない、汚染物質を手で目や口に運ばないことです。

外来の受付がオープンになっていたのですが、患者・家族の方々とクリニックスタッフの間に飛まつが行き来しないようにアクリル板で遮蔽にしました。私とデンタルの息子と娘に手伝って貰って作成しました。素人なので出来には問題がありますが、どちらからも飛まつはお互いに届かないと思います。

流行が拡大すると誰が新型コロナの感染者かわからなくなります。その場合には、疑わしきは患者さんと同じように対応することです。
感染予防用に使う予防衣がなくゴミ袋を代用したり、顔や口もとを防ぐマスク類、消毒に使うアルコールが入手困難です。購入できても価格高騰しています。医療スタッフの異様な服装に驚かれたり不快に思われるかも知れませんが苦肉の策です。ご容赦下さい。

クリニックは汚染場所だと怖いと思われるかもしれませんが、当方は旧クリニックから現在地に移転するときに、クリーンゾーンを健康外来と称して入るときから会計迄別にしています。予防接種は安全に行うことができますので定期接種の予防接種は、粛々とお受けになってください。

病気は新型コロナウイルス感染だけではありません。受診されるときには症状や経過をお教えください。基本的に病気をお持ちの方は可及的に感染症の方々と一堂に会さないようにしたいと考えていますので、ご協力ください。

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糖尿病の症状にいち早く気付くには

糖尿病に罹ると、感染症に非常に弱くなるということを以前当ブログでも紹介しました。感染症に罹りやすくなったら注意が必要です。また、大人が通常罹らないような珍しい感染症の場合、糖尿病を疑って、スクリーニング検査をします。

では、糖尿病の症状で、他の病気と同じような症状が出ることがあるのでしょうか。結論から言うと、糖尿病は、初期では自覚症状が出にくいため、これといった症状で気付くことは難しいと言えます。自覚症状(喉の渇き、多汗、手足のしびれなど)が出る頃には、症状がかなり進行した状態になっていることが多いのです。

糖尿病を早期発見するには、尿糖、血糖の数値が重要な指針となります。これから会社などでの健診の季節だと思いますから、検査結果を適当に流さず、自分の数値をしっかりと確認しましょう。

糖尿病は様々な合併症を伴う全身病です。糖尿病で悪くならない臓器はないと言えます。とにかく悪化させないことが重要です。怪しいなと思ったら、早めに診断を受けて、血糖をしっかりとコントロールしましょう。

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もしかして子どもが花粉症かも?ここで判断。[小児科・アレルギー科]

当ブログでも度々取り上げていますが、近年子どもの花粉症は決して珍しいことではなくなっています。大人でも辛い花粉症、子どもならなおさら辛いことでしょう。

ただ花粉症は時期的にウイルス感染症に被る時期も多いので、子どもが風邪なのか花粉症なのか、判断に迷われることもあるかもしれません。
花粉症と判断する場合、特に注意したいのは「目の症状」です。頻繁に目をこすったり、目が赤くなるといった症状が出ていた場合、花粉症を疑っても良いでしょう。また、鼻水、鼻づまりの症状が室内では比較的軽く、屋外でひどくなる場合も花粉症の可能性ありです。

「ビラノア®」は12歳以上からの投与となるため、子どもの場合は「アレグラ®」・「ザイザル®」が主となります。この2つには子ども用の剤形(ドライシロップなど)があり、大きな副作用もなく安全性も高い薬です。

点眼薬については、眼科学会からの通達でステロイド系からシフトし、抗ヒスタミン系が主流です。

もし、子どもが花粉症かも?と思ったら、お気軽にご相談くださいね。

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スギ花粉症の治療方針[アレルギー科]

スギ花粉の本格的なシーズンに突入しています。温かく風の強い日などは、花粉症の患者さんにとって、辛い時期が続いていますね。
先日、患者さんからはらこどもクリニックにおける「花粉症の治療方針」について質問いただきました。ですので今回は端的にまとめてご紹介したいと思います。

まず免疫療法については、花粉症のピーク時期から新たに始めることはありません。花粉症の時期は、スギ花粉に対し体の免疫が過敏になっているため、免疫療法を行うことにリスクを伴います。

基本的にはピークの過ぎた5~6月頃から開始が理想です。(※既に治療をはじめていて服薬継続中の方は、花粉症のシーズンでも服薬を続けていただきます。)
ちなみに免疫療法については、定期的に通院→注射を打つ皮下免疫療法の方が継続率が高いです。

対症療法としての治療については、使用する薬を限定しています。花粉の薬はアレルギーを引き起こすヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン剤が中心になりますが、強い薬も多く、起きているのが辛いくらい眠くなる方もいます。はらこどもクリニックでは、なるべくそういったデメリットを少なくできるように薬を選んで処方しています。

多く処方しているのが「ビラノア®」です。他の薬と違い脳に入らないので、眠気が起こりにくく、車の運転も基本的には問題ありません。食事の影響で効き目が落ちるので、空腹時に服用します。

「アレグラ®」、「ザイザル®」も、前年度から効果が出ている方については、引き続き使用しています。もちろん薬には強さの違い(※例えば「アレグラ®」は弱く眠くなりにくい等)や合う合わないの個人差がありますので、合う薬が見つかるまで変えたりすることもあります。
「アレロック®」については、脳に入り、ボーっとしたり眠くなる人が多い薬なので、はらこどもクリニックでは原則的に取扱いはしておりません。

ちなみに花粉症の薬はピークを迎えてから服用するより、すこしさかのぼった時期から服用する方が症状を抑えることができます。大体1月末くらいからが良いでしょう。来シーズンからは、こちらのブログでも早めに情報を発信させていただきます。

ちなみに喫煙、飲酒は花粉症の悪化因子となります(特に煙草)。この時期はできるだけ控えるようにすると良いでしょう。

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院長退院のお知らせ

肝膿瘍により入院しておりました原朋邦院長ですが、3月30日に無事退院致しましたので、ご報告させていただきます。

まだ本調子ではありませんので、しばらく診察には戻れませんが、追ってブログにてご連絡させていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒よろしくお願い致します。

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[はらはら通信より転載]コロナウイルスの情報など

今回は先日配信されたはらはら通信より転載の記事となります。
コロナウイルスの話題を中心に、役に立つ情報が載っておりますので、是非参考になさって頂きたいと思います。
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新型コロナウイルス感染流行で、毎日ニュースはそのことばかりです。
とうとう、オリンピックも開催が延期になりました。学校は閉鎖、そして春休みに突入、4月は開校予定ですが予断は許されません。

今わかっていることは以下のようです。
感染した人の80%は軽症におわります。しかし、20%は重症です。死亡者も出ています。
子どもの発生数は少なく、軽症とされていますが、中には重症例もありますので、感染しないにこしたことはありません。

家族内での感染率は高いです。誰が発端者になっても、家族の罹患は予防しずらいのが事実です。家族内に高齢者、糖尿病、高血圧、心臓呼吸器の疾患、高脂血症の基礎疾患を持っている方の家族は、もちこまない、持ち込んでもうつさない、ことが大切です。
これらの基礎疾患があることが悪いのは勿論ですが、あっても良くコントロールされていればリスクは低くなりますので、治療を必ず正しくお受けになってください。
嗅覚、味覚などの感覚障害が発病初期に出る人が居るそうです。上気道感染症ではよくあることなのですが、初期症状として気になれば、医師にご相談ください。
初期はせき、鼻水、痰、などの上気道症状があり、肺炎の下部気道症状・所見が加わるのは7~10日目です。以後、一気に悪くなる人が多いようです。一般医療機関では対応ができないので、相談センターに相談して指定された医療機関に受診なさってください。待合室でほかの患者さんに感染させる、させられるのが完全に予防できないからです。
都知事をはじめ関東各県知事も不要不急の外出はさけるように、人が集まる行事はしないように、狭い、空気が動かない、人と人の距離が短い空間が危険でそのような橋に行かないようにと勧告をしています。医療機関では、新型コロナウイルス感染症でなくとも他の病気が減ったわけではありませんので、そのような患者さんに対応しつつ、医療機関そのものが感染の場にならぬように工夫をしています。
私共のクリニックは、幸いというか感染症、一般、健康と3つのゾーンに分けた部位を持っていますので、それをうまく生かして対応したいと思います。事前にどのような患者さんが来られるのかを把握することが重要になるので、ぜひ、情報を入れてください。いつもより時間がかかることになり、お待たせすることもあろうかと思いますがぜひ、ご協力をお願いいたします。

●院長が急に入院をしてご心配頂いたり、ご迷惑をおかけしていますが、幸いに経過良好で、来週は退院が可能です。肝膿瘍という病気で、退院後すぐには無理かもしれませんが4月2週目には復帰できるかと考えています。もうしばらくご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。

●もう数日しかありませんが、4月に小学校に入られる方の2期の麻疹風疹の予防接種が3月31日までです。お忘れの方はぜひ、駆けこみでもよいので接種をお受けになってください。

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<おしらせ>しばらくの間、診療体制が変更になります。

原朋邦院長が3月18日より「肝膿瘍(かんのうよう)」で入院しております。最低2週間の入院となりますので、しばらくの間、院長抜きでの診察体制になります。
ご不便をおかけすることも出てくるかと思いますが、ご了承頂けますと幸いです。

ちなみに「肝膿瘍」は細菌感染によって、肝臓に膿がたまってしまう病気です。ヒトからヒトへは感染せず、院内感染もない病気ですので、ご安心ください。

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糖尿病になると他の病気に罹りやすくなる[糖尿病内科]

連日新型コロナウイルスのニュースが報じられています。肺炎による死者も出ていますが、中国、そして台湾での肺炎による初の死者は、糖尿病を患っていたということです。

実は糖尿病に罹ると感染症に非常に弱くなります。血糖値のコントロールができていないと免疫の機能が弱くなってしまうのです。きちんと通院していて、薬などで症状をコントロールしつつ、医師が身体の様子を把握しているケースでは対策も打てますが、厄介なのは糖尿病の自覚症状がなく、病院には通っていない方が、様々な感染症にたくさん罹ってしまうケースです。

糖尿病の患者さんは大人だと普通は罹らないような感染症にも罹ってしまうことがあります。例えば、中耳炎や腸腰筋(ちょうようきん:腰の前側にあるインナーマッスル)の炎症などです。逆に珍しい感染症の場合、糖尿病の可能性を疑ってスクリーニング検査を行います。

これを防ぐためには、きちんと予防接種をすることが重要です。予防接種の優先度は1位が妊婦さん、その次が糖尿病などの慢性疾患をもっている方です。大人の場合は子どもと違い、公費助成があるケースは少ないですが、もし糖尿病の気がある方は、自費でもきちんと接種することをおすすめします。

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