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[アレルギー科]アトピー性皮膚炎の治療指針

数あるアレルギー疾患の中でも、患者さんのQOLに大きく影響を及ぼすのが「アトピー性皮膚炎」ではないでしょうか。人によって症状の重さに程度の差はありますが、痒み、併発する食物アレルギー、見た目の問題など、対処しなければならない問題が数多くあります。

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、肌が水分を保つことができにくくなり、肌から水分が蒸発してしまいます。また肌が炎症を起こし、痒みを伴う湿疹が出ます。

アトピー性皮膚炎の治療では、この湿疹をきちんとケアし、皮膚のバリア機能を保ってあげることが最も重要になります。それにより、他の食物アレルギーの発症を防いだりすることができるのです。そのためには、ステロイド軟膏薬を適切に塗ることが大切です。

アトピー性皮膚炎の治療過程において多く見られるのは、ステロイド軟膏の塗り方を医師から指導されていないケースです。ステロイド軟膏にはいくつか種類があり、症状の度合いによってどれを処方するか決めなければなりません。また、肌からの吸収率も部位によって異なる(顔や首は吸収率が高く、手先は吸収率が低いなど)ため、塗る部位によっても差別化が必要になります。

はらこどもクリニックでは、ステロイド軟膏を処方する際には、必ず医師が塗り方を実演して患者さんに見てもらいます。小児のアトピー治療では、親御さんが「こんなに量を塗るの?」と驚かれるケースもあるくらい、軟膏はきちんと塗らなければ効果が得られません。

例えば飲み薬なら、「1日3回毎食後に2錠ずつ」など用量・用法が決められており、患者さんはそれに沿って薬を服用します。なぜ軟膏でも同じことをしないのでしょうか?

ステロイド軟膏を怖がる方もいますが、きちんと使えば副作用などの害はありません。逆に言えば、だからこそ医師の指導が大切だと考えています。

以前にもアトピー性皮膚炎についての記事を書いていますので、是非ご覧ください。

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所沢市の小児科・内科・アレルギー科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
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[アレルギー科]花粉症が引き起こす他のアレルギー

今年はスギ花粉の飛散量が多く、花粉症の方は苦労しているのではないでしょうか。3月半ばからはヒノキの花粉も飛んでいるとのことで、GW明けくらいまでは続きそうとのことですね。日本における花粉症患者さんの数は、この10年間で増加傾向にありますし、まさに国民病となっている状態ですね。

さて、先日のナッツアレルギーについてのブログでも少し触れましたが、スギ花粉に対するアレルギーは、他のアレルギー症状を誘発する場合があります。花粉ということでいえば、スギからヒノキ、ハンノキ、シラカバの花粉に対するアレルギーになる可能性があります。また、厄介なのがバラ科の植物へのアレルギーを引き起こすことです。バラ科には日常的によく食べられるフルーツが数多くあります。リンゴ、モモ、サクランボ、イチゴ、ビワなどです。

バラ科の植物へのアレルギーが発症した場合でも、いきなり全てのフルーツがダメになるわけではありません。人によって「コレはダメでもアレは大丈夫」とか、アレルギー反応は出ているものの、症状が軽く、食べても余り問題ははないようなケースもあります。ただし逆の可能性もあり、いきなり強いアレルギー反応を起こしてしまう場合もあります。

また、アレルギーは同じアレルゲンでも調理の仕方、食べ方によって出たり出なかったりということがあります。例えば大豆は、色々と形を変えて食卓に並びますね。豆腐、きなこ、もやし、納豆、豆乳などです。もやしは大丈夫でも豆乳はダメ、きなこは大丈夫でも豆腐はダメといったように、ものによって出る出ないがあるのです。アレルギーの出方は本当に千差万別なのです。

もし何らかのアレルギー症状が出てしまった場合、今の段階では基本的にはアレルゲンを除去するしかありません。ただし、スギ花粉の免疫療法では、他のアレルギーが出るのを抑えることができるといわれています。

もし、花粉症の方で、バラ科のフルーツを食べて「喉がイガイガする」、「唇や舌がビリビリする」などの症状が出た場合は、血液検査やプリックテストを受けたほうが良いかもしれません。

ちなみに花粉症は、マスクをきちんとすることで、花粉の体内への侵入を6割程度は防げるというデータもあるようです。また、コンタクトではなく、メガネにすることでも花粉を防ぐ効果があるそうですよ。

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[アレルギー科]色々なナッツ・アレルギー

タンパク質と良質な脂肪を含むので、健康に良い食材としてナッツ類がよく挙げられます。そのナッツ類もアレルゲンとなることがあり、食物アレルギーを引き起こします。

代表的なものがピーナッツアレルギーで、ピーナッツバターなどをよく食べるアメリカでは、とても患者さんの数が多いアレルギーです。またイスラエルでも多いといわれています。日本ではそれほどメジャーなアレルギーではありませんが、昔に比べると数は増えている印象です。

ところで「ナッツ類」と一緒くたにしてしまっていますが、実際には色々な種類がありますね。ピーナッツ、アーモンドをはじめ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、・・・クルミもナッツのひとつです。

このようなナッツ類は、「鋼・目・科・属」などが細かく分かれています。つまり同じナッツといえど違う種類の植物ということです。例えば、「ピーナッツ」は「バラ亜鋼 マメ目 マメ科 ラッカセイ属」、「クルミ」は「マンサク亜鋼 クルミ目 クルミ科 クルミ属」に分類されています。

アレルギーの原因子となるアミノ酸の相同性は高くないので、全てのナッツにアレルギーが出るという人は少ないのです。(まれに全部ダメという方もいますが。)

だから厳密いうと「ナッツアレルギー」というものは無く、それぞれピーナッツアレルギーやマカデミアナッツアレルギー、クルミアレルギーがあるということですね。あるナッツにアレルギーが出てしまったとしても、全てのナッツを断つ必要はありません。どれに反応し、どれがダメで、どれが大丈夫なのか、きちんと検査をすれば分かります。

もしなんらかのナッツアレルギーになって不安な方は、きちんと検査を受けておきましょう。

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[アレルギー科]ピーナッツ・アレルギー花粉症との関連

前回はアメリカでのピーナッツアレルギー事情をご紹介しました。今回は他の国のアレルギー事情を少しご紹介したいと思います。

また日本ではアレルギーといえば、スギ花粉による花粉症が猛威を振るっています。今冬は暖かい日も多く、2月のかなり早い段階から花粉が飛んでいたようですね。これからがピークとなるはずですから、花粉症の方は、辛い季節になってきますね。

実はスウェーデンも花粉症大国として知られています。日本と同じように、花粉の季節になると、天気予報の中に「花粉の飛散予報」が入ってくるそうです。ただしスウェーデンの場合、スギではなく、ハンノキやシラカバの花粉が主な原因となっています。

厄介なのは花粉アレルギーが、似た因子をもつ他の食物アレルギーを引き起こすというところです。スウェーデンでは、シラカバの花粉症が原因で、ピーナッツアレルギーを引き起こすケースがかなりあるようです。日本では、シラカバの花粉症というのはほぼ考えられませんので、同様のケースは余りありません。スペインでも花粉症の人が多く、そこからモモなどのフルーツに対して、食物アレルギーになってしまうケースが多いようです。

花粉症の方で、フルーツを食べた時に口や唇がかゆくなったり腫れてしまったり、のどにイガイガ感が出た場合、他のアレルギーを併発している可能性はあります。早めに受診してくださいね。

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[アレルギー科]ピーナッツ・アレルギーの対処法と他アレルギーとの関連

食物アレルギーについて、「小さい時にはアレルゲンを食べさせない」→「アレルゲンはなるべく早いうちから食べさせた方がよい」という風に変っているという話題は、当ブログでも度々触れてきました。

これは当然日本だけではなく、世界的な流れです。例えばアメリカではピーナッツアレルギーの子供が非常に多いことで知られていますが、かつてはピーナッツを食べさせるのは3歳くらいからとされてきました。ところが実際にはピーナッツデビューを遅らせることで、アレルギーリスクがむしろ増えていることが分かり、今では固形物が食べられる月齢ならば、ピーナッツデビューをして構わない、むしろ食べさせた方がよいという方針に大転換されました。これは2017年のことなので、わずか2年前です。

それまではずっとエビデンス(科学的根拠)が無い状態で、アレルゲンを避けるということになっていたのですね。常識やコモンセンスというものが悪い意味でバイアスをかけてしまった最たる例でしょう。

ちなみにピーナッツアレルギーは、ローストした方が出やすく、油で揚げたほうが出にくいというデータがあるようです。調理方法でもアレルギーの出やすさは変わってくるものなのですね。

長くなったので今回はこの辺で。次回は花粉症とピーナッツアレルギーの関連性についてご紹介したいと思います。

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