そもそも「抗生物質」ってなに?

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1月から2月にかけて、抗生物質の乱用による様々な弊害をこのブログでお伝えしてきました。しかし、そもそも「抗生物質」とは何なのか?を書いていなかったので、今さらながら書いてみたいと思います。

抗生物質とは、簡潔に言うと「抗菌薬」です。つまり細菌による感染症に対して有効な薬のことを言います。逆に言えば、細菌以外の原因で引き起こされた病気には効果はありません。

分かりやすいところで言えば「風邪」です。風邪はそのほとんどが何らかのウイルスによって引き起こされます。ウイルスは細菌ではありません。したがって抗生物質が風邪に効くことはほぼ無いといって良いでしょう。

しかしこう書くと「風邪の時にも抗生物質処方されたけど?」と思われる方も多いと思います。それは全くその通りで、風邪の時に抗生物質を処方することは珍しいことではありませんでした。これには処方する医師側からすると「保険」的な意味合いが強いようです。

「万が一細菌性の風邪だったら…」、「万が一症状がひどくなって肺炎を引き起こしたら…」、「万が一風邪によって抵抗力が落ち、他の感染症を併発してしまったら…」などなど、この万が一が起こらないよう、もしくは万が一が起きたときに責められないよう抗生物質を処方してしまうのです。

これには患者さん側の意識も関係していて、「抗生物質を飲めば病気が早く治る」とか「抗生物質は万能薬で何にでも効く」といったイメージがあることも問題のひとつです。これは日本だけの問題ではなく、イギリスでも3割以上の人が、風邪に抗生物質が効くと思っているそうです。ちなみに抗生物質を処方しがちかどうかは、医師の教育環境(例えば出身大学、研修先の病院など)に関係なく、抗生物質を処方する医師は処方してしまうというデータが出ています。

もう一度言いますが、抗生物質の乱用には様々な弊害があります。抗生物質を飲んでも風邪が早く治るわけではありません。子供たちの将来のためにも、そのことを記憶に留めておいていただけると幸いです。

 

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
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受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

子供の花粉症

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冬季オリンピックももう少しで終わりますね。今年はメダルを獲得した選手も多く、なかなか盛り上がっているようです。とはいえ寒さはまだまだ厳しく、冬は続きそうではありますが、関東では早くもスギ花粉が飛び始めているようです。

花粉症といえば、昔は大人がかかる症状でした。しかし、今ではどんどん若年化が進み、子供でも花粉症の症状を訴えるようになっています。幼稚園児で花粉症になってしまう子も決して珍しくありません。子供の花粉症とはいえ、症状は大人と同じです。くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどが出ます。小さいお子さんは夜寝る時に苦しくなってしまうことも多く、ぐずる子も多く見られます。子供にとっては非常に辛いことです。即効性のある治療法として、大人ですとレーザー治療などもありますし、強い薬を飲むこともできますが、子供の場合は、処方する薬を含めてその対処は限られてしまいます。

また、花粉症に有効な治療法として、アレルゲンを舌の裏に少量落とすことでアレルギーを改善する「免疫舌下療法」という治療法もあります。(大人であれば80%程度の割合で効果があります。)しかし、これは現在12歳以上からできることになっており、小さいお子さんには使えません。

もどかしいようですが、玄関に入る前に服についた花粉を落として、家の中に持ち込まない。洗濯物を外に干さないようにするなど、花粉が部屋の中に入らないように注意をしつつ、症状がひどい場合には、小さいお子さんにも使える抗ヒスタミン剤などのお薬で、症状を和らげる治療をするというのが最善策になります。

これからの季節に鼻水などが出ている場合、それがただの風邪なのか、花粉症なのか診断する必要があります。これらは全く治療法が変わってきますから、安易に自己判断せず、きちんと受診しましょう。

ちなみに年をとってくると花粉症の症状は出にくくなるようです。花粉症はアレルギー反応、つまりアレルゲンに対し体の免疫が過剰に反応してしまうものです。年をとって免疫反応が落ちてくると、症状が弱まるんですね。

 

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抗生物質の使いすぎはNG 耐性菌の実例

先日のブログで、日本は「抗生物質大国」だということを書きました。今回はその実例についていくつか書いてみたいと思います。

近年で大きな問題になったのが「マイコプラズマ肺炎」です。もともとマイコプラズマ肺炎に効く抗生物質は一部しかありません。マクロライド系、ニューキノロン系の抗生物質です。しかし、このうちマクロライド系への耐性菌が出てきてしまったことで、この肺炎の治療は非常に難しいものになってしまいました。このマクロライド耐性マイコプラズマの原因は日本の抗生物質の乱用であるということが、WHOで指摘されています。

また、度々入院患者の死亡事例が発生する院内感染の原因菌も、薬剤耐性菌であることが多いのです。院内感染の原因となるのは、ブドウ球菌や緑膿菌がありますが、このうち緑膿菌は、耐性菌になりやすく多剤性耐性菌になりやすいのです。そのため、重大な院内感染の原因菌になる頻度が高いのです。

抗生物質大国のひとつであるインドでは、どんな抗生物質も受け付けない「スーパー耐性菌」が発生し、その対処が問題になっています。今はインド国内に留まっていますが、これだけ世界中でモノやヒトの往来がある中では、いつ世界中に拡散するか分かりません。

日本では、ちょっとした風邪のような症状の時にも、抗生物質を出すようなケースがまだまだ多く見られます。抗生物質の乱用を減らすには、医師だけではなく、患者さんの意識や知識もとても大切になってきます。このブログを読むことで、少しでも抗生物質の問題に興味を持っていただければ幸いです。

 

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発熱あれこれ 熱性痙攣

高熱が出た時に起こる症状のひとつに熱性痙攣があります。痙攣が派手な場合は、親御さんもパニックになってしまうことも多く見られます。ただし熱性痙攣自体は、それほど恐ろしいものではありません。仮に熱性痙攣を何回起こしたとしても、それが原因で後遺症が残ったりすることはありません。(熱性痙攣をした子供は、3割~5割程度繰り返すことがあるようです。)

熱の時に使用する座薬には、熱性痙攣を予防するものもありますが、非常に強い薬のため、子供の体の負担を考えると、余り使用はおすすめできないものです。

ただし難しいのは、痙攣が熱性痙攣なのか、それとも他の異常のために起こった痙攣なのかを判断する必要があるということです。痙攣には原因も型もいくつかあります。もし髄膜炎などの重い感染症による痙攣だった場合には、すぐに対処が必要です。痙攣を起こした場合、基本的には、すぐに病院に行ってください。きちんと医師に診察してもらい、何が原因かを調べてもらう必要があります。またその際には、スマホなどで痙攣の様子を撮影しておくと、診察の際に非常に役に立ちます。

ちなみに痙攣が熱性痙攣かどうかを判断するには、痙攣が左右対称かどうかを見るという方法があります。左右対称に痙攣する場合は大丈夫なことが多いのですが、左右非対称に痙攣する場合は、何か重篤な病気の可能性があります。特に目がどちらかに寄っていたりしたら注意が必要です。

また、小さなお子さんの場合は、痙攣の動きが小さく、親御さんが痙攣しているのに気付かない場合があります。例えば、口をぐっと食いしばって緩むのを繰り返していたり、腕をぎゅっとして緩むことを繰り返している場合には痙攣している可能性があります。

お子さんが痙攣を起こした場合には、パニックにならず、なるべく冷静に症状を観察したうえで、きちんと医師の診察を受けてください。

 

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抗生物質の使いすぎは、なぜいけないのか? その2

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前回に引き続き、抗生物質のお話です。

抗生物質の使いすぎは、耐性菌を生み出すと同時に、抗生物質が効きにくい体を作ってしまう場合があります。人間の体には常在菌と呼ばれるたくさんの菌が生きています。まず抗生物質を使うと、悪い細菌だけではなく、体に良い常在菌も殺してしまうことになります。それにより、体の調子を崩すこともあります。また、常在菌自体が抗生物質の耐性菌になってしまう場合もあります。これの怖いところは、常在菌がもつ薬剤耐性の遺伝子情報を他の菌に伝えることで、他の菌まで耐性菌に変化してしまうことです。もし、体の多くの常在菌が耐性菌になってしまえば、その人は抗生物質が効かない体になってしまう可能性もあるのです。

現在、前回のブログにあげた厚労省の動きなどから、大きな大学病院などでは、抗生物質は一医師の独断では勝手に使えないよう使用管理を行うところも出てきています。しかし、現実には、まだまだ抗生物質の使い過ぎは是正されているとは言えません。開業医の処方のチェックをする機関はありませんし、仮に開業医が抗生物質を処方しすぎたとしても、特に罰則などはないからです。

はらこどもクリニックでは、このような問題から、抗生物質を使わないでも治療が可能な場合には、なるべく抗生物質を使わないようにしてしています。また、もし抗生物質を使う場合でも、世代的に新しい抗生物質である万能的なセフェム系の薬は使わず、なるべく狭い範囲で菌を死滅できるような前世代の抗生物質を使うなどして、耐性菌の発生を防ぐようにしています。例えば、子供がよくかかる感染症に「溶連菌」がありますが、溶連菌はペニシリン感受性が高く良く効くので、ペニシリンを処方するなどしています。こうすればセフェム系への耐性が出来てしまうことはなく、安心だからです。

抗生物質は非常に効果の高い薬です。しかし、特に子供に対し使いすぎてしまうことは、子供たちの将来に大きな影を落としかねません。子供を育てている親御さん方にもそのことを十分に知っていただけたら幸いです。

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抗生物質の使いすぎは、なぜいけないのか? その1

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小児科で処方する薬には様々なものがありますが、「抗生物質」もその一種です。抗生物質とは、様々な微生物がほかの微生物の増殖や機能を害するために出す物質のことで、それをベースに作り出された抗菌剤のことを言います。抗生物質の歴史はそれほど古くありません。1928年にアオカビから見つけられた「ペニシリン」が世界初の抗生物質とされています。(学校の授業で習ったり、人気ドラマの「JIN」で、主人公の医師が精製していたので、ご存知の方も多いかもしれません。)現在では、本当にたくさんの種類の抗生物質が医療の現場で使われています。

抗生物質は、感染症に対し非常に有効な薬です。しかし、同時に使い方を間違えると大変なことになる薬でもあります。それは抗生物質を使いすぎると、その薬に対する耐性菌を発生させてしまうからです。

薬剤耐性菌による感染症は、現代医療をもってしても治療が困難な病気です。現在医療が生み出した最大の発明とも言われる抗生物質を受け付けない感染症なのですから、それも当然の話です。まだある特定の抗生物質のみに耐性がある菌ならよいですが、複数の抗菌薬に耐性をもつ多剤耐性菌の場合は、治療は非常に困難を極めます普段抗生物質を使いすぎていると、いざ命にかかわるような感染症にかかった時、抗生物質が効かないという可能性が十分にありえるのです。

日本において薬剤耐性菌による感染症は、非常に身近にある問題です。誰しもが感染する可能性があると言えます。試しにインターネットで「耐性菌 感染 死亡」というキーワードで調べてみてください。ここ数年だけでも非常にたくさんのニュースが検索で出てくるはずです。

それもそのはず、実は日本は世界の中でも有数の「抗生物質乱用大国」なのです。世界の先進国で抗生物質使用のワースト3は、フランス、日本、中国で、この3カ国は世界でも大きく問題視されています。厚生労働省もこの現状を変えようと、医療現場における抗生物質の使い方を是正する対策を行っています。

長くなってしまったので、続きはまた後日。

このブログを読んで頂くことで、少しでも抗生物質の問題に興味を持っていただければ幸いです。

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子供は風の子?

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連日寒い日が続いています。この冬は冬型の様相が強く、日本海側では大変な大雪で困っているようです。

そんな中でも子供は外で遊びたがり、時として非常に薄着で走り回りたがりますね。まさに「子供は風の子」とはよく言ったものです。しかし親御さんからしてみれば、薄着で外に出るのは心配になりますね。実際に子供に厚着をさせたほうが良いのかという相談を受けることも良くあります。

基本的には、子供が寒がっていないのならば、そこまで気にすることはないでしょう。子供は代謝がよく暑がりですから、大人が感じる寒さは参考になりません

ちなみに子供の暑がり、寒がりは2歳までに育つ環境に左右される部分もあります。大体2歳くらいまでに汗を出す汗腺の数が決まるので、それによって暑がりになったり、寒がりになったりします。例えば、夏にエアコンの効いた涼しい部屋ばかりにいると、汗をかくことが少ないので、汗腺の数が少なくなり、暑い時の体温調節が得意ではなくなり、暑がりになるといったことです。

寒い日の薄着問題よりも注意して頂きたいのは、温度差による体調の変化です。激しい温度差は、体に大きな負担を与えます。余りにも暖房が効きすぎた暖かい部屋から寒風吹きすさむ外に出たり、また逆も然りです。大人でも体調を崩すことがありますので、そういう時こそ上着を着せたり脱がせたりで、うまく調節してあげてください。また、冬場に遊んで汗をかいた場合には、そのままにせずきちんと着替えさせてあげることも大切ですね。

 

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鼻水の色でみる風邪の進行度

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風邪を引くと鼻水が出ますが、その時々により色や粘度が違いますね。一般的に風邪の初期には水っぽく透明な鼻水が、たらたら流れるように出ます。これは体内に侵入した細菌やウイルスを鼻水で外に洗い流そうという反応です。(ちなみに英語では「ランニングノーズ」と言います。)

黄色い鼻水がでるのは、細菌やウイルス増殖の最前線である鼻の奥の部分に白血球が集められ、その戦いによって死んだ菌や白血球が鼻水に含まれるためです。体が細菌やウイルスを殺そうとしているので、そうなってくると多くの場合、治りかけになっているといえるでしょう。

しかし、風邪の症状がひどくなると、鼻の奥にある副鼻腔が炎症を起こし、そこに膿性で粘度の高い鼻水がたまる副鼻腔炎になることがあります鼻水の症状だけではなく、寝ていると喉に鼻水が垂れ、咳がひどくなることもあります

10日程度で症状が改善すればよいのですが、急性の副鼻腔炎にかかると、副鼻腔に溜まった膿が更なる炎症を引き起こし、慢性の副鼻腔炎になる場合があります。俗に「蓄膿(ちくのう)症」と呼ばれるものです。こうなってしまうと、副鼻腔の炎症を抑え、溜まった膿を出すという治療が必要になってきます。

鼻水の色は風邪を引いた際の一種のバロメーターにもなりますので、お子さんが風邪を引いた時には、ちょっと注意してみておくと良いかもしれません。

 

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「言葉が早い・遅い」を決めるのは子供との会話

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親御さんから良く聞かれることのひとつに「言葉の早い・遅い」があります。特にそれが将来的に影響してくるのか、もしくは何か疾患的なことがあるのかというポイントです。

結論から言ってしまうと、言葉が早い場合、特に問題はありません。そして残念ながら、言葉が早い子が天才的な能力をもっているというわけでもありません。しかし、言葉が極端に遅い場合には、少し注意が必要です。

目安として、

・1歳6ヶ月で単語が出ている。

・2歳で2語文をしゃべる。

これを満たしていれば大丈夫でしょう。3歳を過ぎて言葉があまり出ないようなら、検査したほうがいいかもしれません。

基本的に言葉の早い・遅いは、子供がどれだけ親御さんとコミュニケーションを取って、会話しているかにかかってきます

統計では、平均すると第一子が一番言葉が早い、ということがわかっています。これは親が子供に接する時間が一番長いからと考えられています。そして、テレビやYoutubeなど、言葉が出ているものを見せておくだけでは喋れるようにはなりません言葉に対し、応答・反応があることが重要なのです。

子供の言葉が遅いという心配をするのなら、まず自分がしっかりとお子さんと話しているか、ということを見直してみてください。家事やお仕事が忙しくても、なるべくコミュニケーションの時間を取ること、兄弟姉妹がいる場合、コミュニケーションが上の子だけ、下の子だけに偏っていないか、考えてみてください。

 

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インフルエンザ 家庭内感染を防ぐには?

インフルエンザの予防というと、「手洗い」・「うがい」・「マスク」というのが一般的です。

しかし実際のところ、インフルエンザの予防に対しては、うがいをしてもしなくても有為の差が出ないことが分かっています。手洗いについてもそれほど大きな差はなく、手洗いをした方がちょっとだけ予防になるくらいのイメージです。手洗い自体はウイルスを洗い流すためには有効な手段なのですが、インフルエンザウイルスに関しては、そのほとんどが飛沫感染なので、手洗いをしても、そこかしこにウイルスが漂っていて拾ってしまうのです。(もちろん、他のウイルスや感染症の予防になるので、手洗いはきちんとしましょう!

予防に最も有効なのはマスクなのですが、非感染者がマスクをしても余り意味がないことが分かっています。空気中に漂うインフルエンザウイルスは非常に小さいので、マスクと肌の隙間から入ってきてしまうのです。

有効なのは感染者がマスクをして、飛沫を飛び散らないようにすることです。マスクをすると、まわりに飛び散るウイルスがかなり減ります。入ってくるのを防ぐのではなく、感染源から広がらないようにするという予防法ですね。同様に、感染者と同じ部屋にいない、なるべく隔離した状態にすることも有効です。ちなみにインフルエンザの感染者が咳やくしゃみをすると、大きめの部屋の端から端までウイルス入りの飛沫が飛び散ってしまいます。

また、インフルエンザウイルスは湿度に弱いので、部屋を十分に加湿しておくことも予防法のひとつではあります。

大人が感染した場合はこのようなことを徹底しましょう。しかし、小さなお子さんの場合、マスクをして大人しくしていることはなかなか難しいことですね。実際、お子さんきっかけでご家族にインフルエンザが広まってしまうことは非常に多いです。以前のブログにも書きましたが、インフルエンザは早めに薬を使うことが有効です。感染の疑いがあったら、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。

それが結果として、周りに感染が広がるのを防ぐことにもなります。

 

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