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新型コロナウイルスワクチンの予防接種についてのお知らせ

所沢市では5/17より高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの予防接種が始まりました。

はらこどもクリニックも接種医療機関となっておりますので、予防接種についての注意事項をお知らせさせていただきます。

まず予防接種を行えるのは、接種券がお手元に配られた方のみになります。
原則的に予約のみで、予約は、はらこどもクリニックへの連絡ではなく、自治体の予約システムを利用してください。

専用のコールセンター(0570-005527)、インターネット、LINEの3つの方法で予約が可能です。コールセンターは混雑しているので、インターネットかLINEでの予約がすいているとのことです。

はらこどもクリニックへの直接のお問い合わせや、来院には対応しかねますのでご了承ください。

予約をキャンセルする場合は、なるべく早めにキャンセルをお願い致します。現在使用されているファイザー社のワクチンは取り扱いの制限が多く、直前のキャンセルですと、ワクチンが無駄になってしまうほか、きちんとキャンセルをしないとワクチンを接種したことになってしまいますのでご注意ください。

インターネットとLINEでの予約の場合は、予約の忘れがないようにリマインドの連絡がいくとのことです。電話にはリマインドがありませんので、予約忘れの防止の意味でも、インターネット、LINE予約の方がおすすめかと思います。

予防接種は、発熱や他の病気の方とは別にゾーニングされた「健康外来」での待合、接種となります。「健康外来」は正面右側の入口になります。

 

あわせまして、はらこどもクリニックでは医師、スタッフについて5月1日に1回目のワクチン接種を行ったことをご報告致します。21日に2回目の接種を行う予定です。

参考として、1回目の接種時点での副反応についてもご紹介したいと思います。

原院長については、特に大きな反応はありませんでした。2日間くらいちょっと接種部位が痛いかな?と感じる程度だったとのことです。新井医師についても、少し腫れた程度で大きな反応はありませんでした。

拓麿副院長については、接種後、局所の痛みがだんだんと強くなっていき。接種日の夜は、背中を掻くのに腕を動かすことができないくらいの痛みが出ました。また1日だるさがあったとのことです。若い看護師ではかなり痛みが強く出たケースもありました。

総じて、高齢で免疫反応が鈍くなっているほど、副反応が弱くなる傾向にあり、若い人ほど副反応が強く出ているようです。

また26歳基礎疾患無しの女性看護師がワクチン接種後亡くなったという報道が出ました。3/19 1回目接種、3/22は通常勤務、3/23に死亡確認という経過だったようです。

亡くなった後にCTを撮った結果、直径3.5cmの血腫がみつかり、石灰化も見られたということなので、画像による所見では、死因は腫瘍からの出血、クモ膜下出血の可能性が高いと思われ、ワクチンとの因果関係は否定されています。

現状の予防接種の制度では、ワクチン接種後一定期間に亡くなった方の事例は全て報告されることになっています。例えばワクチン接種の帰りに交通事故に遭って死亡したケースでも、死亡事例として上がるようになっています。

今回の例もワクチン後の死亡ということでそこだけが切り取られて大きく報道されていますが、本当にワクチンが原因で起こった事かどうかは、冷静に判断する必要があります。

はらこどもクリニックのスタッフでも、重篤な副反応が出たケースはありませんので、安心して接種していただければと思います。

予防接種 筋肉注射と皮下注射 何が違うの?【内科・小児科】

少しずつですが、医療関係者のへの新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、高齢者の方への接種スケジュールを公表する自治体も出てきました。このブログをお読みのみなさんも、テレビや新聞などで、予防接種の写真を目にしたことと思います。

新型コロナウイルスのワクチンについては、「筋肉注射」とされています。筋肉注射は画像のように、皮膚に対して垂直に刺すように針を入れ、皮下組織の下の筋肉に薬液を注射します。

日本では予防接種というと、針を皮膚に対し斜めに刺し皮下組織に薬液を入れる「皮下注射」の方が一般的ですが、世界では筋肉注射がスタンダードで、皮下注射は日本だけのローカルルールです。筋肉注射は皮下注射よりも免疫効果が高く、副反応も小さい傾向にあるなど、メリットの多い注射法なのです。

ではなぜ日本だけ皮下注射が多いかというと、昔、抗菌剤の筋肉注射によって薬害が出たからです。ワクチンとは関係ありませんでしたが、筋肉注射そのものが避けられ、ワクチン接種についても皮下注射になってしまったのです。(ちなみに生ワクチンについては、皮下注射の方が抗体が上がりやすいことが分かっているので、皮下注射が推奨されています。)

筋肉注射は見た目のイメージから、注射した時の痛みが強いと思われがちですが、実際には筋肉注射だから痛いということはありません。注射の痛みは針の太さや注射をする人の技量によります

筋肉注射が怖いというイメージを抱く方もいるかもしれませんが、皮下注射と比べ効果が高く、副反応の腫れや痛みも少ない方法です。安心して接種を受けていただいて大丈夫です。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

ワクチン接種によるアナフィラキシーショックについて【内科・小児科】

ワクチン接種の副反応としてアナフィラキシーがあります。

アナフィラキシーとは、体内にアレルゲンとなる物質が入ることで、全身にアレルギー反応が現れることです。中でも蕁麻疹などの皮膚症状、呼吸困難、血圧の低下、意識の低下など命にかかわるような症状が起きることをアナフィラキシーショックと言います。

ワクチンには抗原となるタンパク質だけではなく、免疫効果を高めるためのアジュバントをはじめ、様々な成分が添加されています。ごくまれにその添加物に反応してしまうケースがあります。これらの成分は製薬会社の技術の核となる部分であるため、一般的には公開されていないこともあり、事前に防ぐというのはなかなか難しくなっています。

アナフィラキシーは、接種後15分以内に起こることが多いですが、起こった時に医師がいればきちんと対処することが出来ますので、死に至ることはほとんどありません。はらこどもクリニックでは接種後15分以上は院内に残っていただき、様子を見ることにしています。(お会計などの事務手続きの時間も含みますので、それほど長い時間には感じられないと思います。)何かあった時にはすぐに対処できるよう準備しておりますので、ご安心いただければと思います。

はらこどもクリニックでは、開業以来予防接種でのアナフィラキシーショックは0件で、点滴等で3人ほどアナフィラキシーが起こったケースがあります。数字的にみても、かなり珍しいケースであることは事実です。ちなみに日本のワクチンでアナフィラキシーが最も多いのは3種混合ワクチンです。

新型コロナウイルスのワクチンについても、海外での接種事例から副反応のデータがとられていますが、ファイザー製のワクチンでアナフィラキシーショックが報告されています。これらの方については、全員アドレナリンの処方で助かっているということです。

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新型コロナウイルスワクチンについての解説 その2【内科】

今回は新型コロナウイルスのワクチンの中で、ウイルスベクターワクチンと組み換えタンパク質ワクチンについて、解説したいと思います。

 ・ウイルスベクターワクチン
元々遺伝子治療に使われていた手法を用いたワクチンです。人に対して病原性の無いウイルスや弱毒性のウイルスに、抗原となるタンパク質の情報(DNA)を組み込み、ワクチンとしています。ベクターとは運び屋といった意味です。

人の細胞の中に入り込んだDNAに基づいて抗原となるタンパク質(新型コロナの場合は、スパイクタンパク質)が作られ、それに対抗する抗体が作られる仕組みです。

DNAはRNAに比べ物質として安定しているため、運用が容易なことがメリットですが、ワクチン接種によってベクターとなるウイルスそのものに対し、抗体ができてしまうことで、複数回の接種ができない可能性もあります。
今後日本でも使用が想定されるアストラゼネカのワクチンがこのタイプになります。

・組み換えタンパク質ワクチン
抗原となるタンパク質を遺伝子組み換え技術によって作り出し、それをワクチンとして使用します。遺伝子組み換えには酵母や大腸菌などが使われます。

このタイプのワクチンについては全く新しい製造法というわけではなく、すでに使われているB型肝炎ワクチンと同じになるので、接種実績の多いことがメリットのひとつです。
一般的に免疫原性が低いことが多く、それをいかに上げるかが、各製薬会社の技術となっています。日本の塩野義製薬が治験を開始しているワクチンがこのタイプになります。

 

新しいワクチンということで、皆さんが気にされるのは副作用・副反応のことだと思います。新型コロナウイルスワクチンについては、海外の接種実績を見る限り、副反応の強さ、頻度は少し大きいものの、重篤なケースは報告されていません。少なくとも現在使われている生ワクチンよりは、理論上安全性は高いはずです。生ワクチンはウイルスそのものを体の中に入れますが、これらのワクチンは、抗原タンパク質に関するものしか体に入れないからです。

ただし海外製のワクチンは治験の人種の割合にかなり偏りがあり、ほとんどが白人でアジア系は数%にすぎません。ワクチンでは人種間でリスクが異なる可能性があるので、アジア人では日本がモデルケースのひとつとなると思います。

緊急事態宣言によって新規の感染者数は減少傾向になりますが、無症状や軽症の方が急に症状が悪化し、無くなるというケースも報じられています。少なくともワクチン接種によって、重症化は防げる可能性は高いと思いますので、リスクとベネフィット(利益)をきちんと判断していただきたいと思います。

ワクチンに対して不安があるという方は、まず医療従事者への接種の結果を見て、冷静に判断するという形でもよろしいかと思います。

はらこどもクリニックの医師・スタッフもワクチン接種を行いますので、接種後の副反応などについて、レポートできたらと思っています。

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新型コロナウイルスワクチンについての解説 その1【内科】

医療従事者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が、2月から始まっています。

使用されたファイザー製のワクチン(mRNAワクチン)、そして今後使用が予定されているアズトラゼネカのワクチン(ウイルスベクターワクチン)は、従来使われてきたワクチンとは、製造方法が異なる新しいワクチンです。今回はこれらの新しいワクチンについて解説していきたいと思います。(不活化ワクチン、生ワクチンについては、過去の記事を参照してください。)

mRNAワクチンとウイルスベクターワクチンの特徴として、「液性免疫」と「細胞性免疫」の両方の免疫を誘導できるということがあります。(不活化ワクチンでは液性免疫の誘導のみ。)

細かい反応については非常に専門的になるので省きますが、大まかに言うと、液性免疫は体の中にウイルス・細菌などの「抗原」に対する「抗体」を作り、ウイルスの活性を失わせる働き。細胞性免疫はウイルスや細菌にやられた細胞を壊すキラーT細胞を作ります。
この2つの免疫が誘導されることで、感染抑制と重症化の抑制に高い効果を得ることが出来ます。
(mRNAワクチンの仕組みについてもっと詳しく知りたい方は、大阪大学名誉教授 宮坂昌之先生のFBに詳しく分かりやすい解説がされていますので、是非ご覧になってみてください。)

・mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン
DNAには様々なタンパク質を合成する設計図が入っています。しかし、DNAから直接タンパク質が合成されるわけではありません。DNAが持つ情報から必要な部分だけが、まずmRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれる物質にコピーされ、そのmRNAの情報をもとにヒトの細胞がタンパク質を合成します。mRNAワクチンは、この反応を利用したワクチンです。

ウイルスの表面にはスパイクタンパク質があり、人間の抗体はこのスパイクタンパク質に対し反応します。ウイルスの遺伝子(DNA)の中からこのスパイクタンパク質の形成に関する部分(RNA)のみを解析し、その情報を転写したmRNAを作ります。そのmRNAを保護する物質に包み、ワクチンとしています。

mRNAは人の細胞の中に入り込み融合すると、mRNAから情報を読み取った人の細胞は、指示通りスパイクタンパク質を作ります。人の体の中の免疫系がこのスパイクタンパク質を認識すると、対応する抗体が作られると共に感染細胞を破壊するキラーT細胞も活性化されるという仕組みです。mRNAの指示によって作られるのはあくまでスパイクタンパク質のみなので、ウイルスそのものではありません。

RNAはいずれ壊れてしまい、ワクチン接種を受けた人の遺伝子の中には組み込まれません。このような仕組みから、理論上、副作用が少なく安全性の高いワクチンと考えられています。

一方でRNAは非常に壊れやすく不安定な物質のため、これをどう人の細胞まで壊さずに届けるかが課題でした。今回のファイザーのワクチンでは、mRNAを脂質で包み、かつ-70℃以上の超低温で保管することで、それを可能にしています。

mRNAワクチンは、今回の新型コロナウイルスのワクチンとして初めて利用される実用化された技術ではありますが、以前から次世代のワクチンとして研究されてきた製造法です。元々がんのワクチンとして長く研究されていましたが、がんの場合抗原の特定が難しく、実用化に至りませんでした。新型コロナウイルスの感染拡大によって、実践投入が早まったということになります。実用化こそ初めてなものの、技術としては真新しいものではなく、きちんと研究されてきたもので、理論上では安全性も高く、効果も高いと思われます。

遺伝子解析の技術が上がり、ウイルスが持つ遺伝子の解析が容易になってきたことや、該当のウイルスの遺伝子さえ手に入ればすぐに対応したワクチンを製造できるため、ウイルスが変異した場合でも対応しやすいというメリットがあります。

上に書いたように体の中に入れるにはあくまでスパイクタンパク質に関わるRNAだけなので、他の必要ないタンパク質が体に入らないことも大きいメリットです。コロナウイルスは、抗体を持っていた方が症状が重篤化する抗体増強反応があることも分かっているので、なるべく余計なタンパク質は身体の中に入れたくないという点もポイントです。
今後日本でも流通が予想されるモデルナのワクチンもこのタイプになります。

長くなってしまったので、アストラゼネカのワクチンで使用されているウイルスベクターワクチンいついては次回に解説します。

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発熱外来について[内科・小児科]

埼玉県では県医師会や各市町村医師会と連携し、昨年12月より、新型コロナウイルスとインフルエンザの診療・検査の両方に対応できる医療機関を「埼玉県指定診療・検査医療機関」として整備しました。

医療機関名については県のHPで公表されていますので、ご覧ください。(※埼玉県HPはこちら

いわゆる発熱外来的なもので、発熱があった時に患者さんがどうすればよいか迷わないようにするための措置となります。はらこどもクリニックについても、指定医療機関となっています。

これらの発熱外来では、発熱のある患者さんについては、他の患者さんと接触しないようにするよう定められています。

はらこどもクリニックでは、元々発熱の患者さんについては、入り口、待合室が隔離された感染室での受付、待合となっているため、これまでと対応が変わるわけではありません。医師も複数人おりますので、きちんと対策をおこなったうえで診察いたします。(クリニック内の空調の流れについても確認済みです。感染室から一般、健康外来の空気の流れはありません。)

他医療機関では受付時間、診療時間に制限を設けている場合がありますが、はらこどもクリニックについては特に時間の制限等は設けておりません

発熱外来の受付につきましては、通常のWEB予約はできませんのでご注意ください。お電話にて熱が何度あるかなどの症状を伺いますので、必ず連絡の上、来院いただけるようお願い致します。

また感染待合室に一度に入れる人数に限りがあるため、状況によっては、車の中などでお待ちいただく可能性もございます。発熱外来にお越しの場合、クリニック到着後に改めてもう一度お電話(04-2926-4333)いただけるようお願い致します。

なおPCR検査につきましては、医師の判断で実施しておりますので、ご了承いただけますと幸いです。

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インフルエンザの流行状況[内科・小児科]

新型コロナウイルスと共に流行が危惧されたインフルエンザですが、今のところ流行の兆しはありません。11月の感染者数は、去年の0.2%ほどとのことです。秋から冬にかけて流行するインフルエンザ以外の感染症も例年と比べるとかなり少なくなっています。
みなさんが新型コロナ対策として、きちんとした予防行動を続けていることが大きいのだと思われます。

一方でインフルエンザワクチンの予防接種の状況を見てみると、今年は政府や医師会などが積極的にプロモーションした結果、例年は接種しない方たちも接種を受けたりするなどしたため、ワクチンの需要に供給が追い付かない状況になっています。
インフルエンザワクチンは必要だからといってすぐに作れるものではありませんので、新規の安定した供給は難しいでしょう。現在でもお子さんに接種できていないというご家庭もあるのではないでしょうか。

ただ始めに書いたように、インフルエンザの流行はまだきておりませんので、焦る必要はないかと思います。とはいえワクチンは接種した方が当然良いので、今からでも接種できるのであれば、なるべく接種してください。
例年年末年始に里帰りや旅行などで日本国民大移動が起こるため、そこで一気に感染が広がることが多いのです。今年はコロナの影響で公共交通機関を使った移動をする人も少ないとは思いますが、これから接種すれば流行の終わりである3月頃まできちんと抗体価がもつでしょう。

はらこどもクリニックでは、新型コロナウイルス感染対策のため、1日に接種できる人数を制限しておりますが、インフルエンザワクチン接種を引き続き行っていますこちらから、予約ページにお入りください。

本格的な冬に突入し新型コロナがまた感染拡大している中では、いつもなら何でもないようなちょっとした発熱にも神経質にならざるをえないかもしれません。ただ新型コロナウイルスは現在まで子どもへの感染が少なく、子ども間で感染が広がるというケースがほとんどみられません。子どもへの感染は、家庭内での同居家族からの感染がほとんどです。

通常の感染症は、集団生活をしている子どもたちが感染し、そこからお子さんといる時間の多いお母さんへ、そこからお父さんへという流れで感染が広がるケースが多いのに対し、新型コロナウイルスの場合は、まず外に出ることが多いお父さんが感染→お母さん→お子さんという、逆パターンの流れをとることが多いです。

大人が最初に風邪の症状をしめし、その後でお子さんにうつったというケースは注意した方が良いかもしれません。

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PCR検査、抗体検査、抗原検査の違いとは?その2[内科]

前回に引き続き、新型コロナウイルスについての各種検査についての解説です。

・抗原検査
ウイルスそのものを検出する検査です。検査キットにはそのウイルスに反応する抗体が塗ってあり、採取した検体に抗原があると反応するという仕組みです。インフルエンザの検査として行われることが多く、受けたことがある方も多いのではないでしょうか。

抗体検査は検査キットの質によって感度のバラつき幅が大きく、キットに使われている抗体が特定のウイルスだけに反応するピュアなものであることが重要です。インフルエンザなどでは交差が多くあるので、偽陽性も多くなります。

検体の採取方法としては、PCR検査と同じく

①鼻の孔から喉に綿棒を入れ採取する(鼻腔咽頭ぬぐい液)
②唾液から採取する
③鼻の孔から2cm程度綿棒を入れ採取する(鼻腔ぬぐい液)の3つがあります。

こちらもPCR検査と同じく、死んだウイルスでも反応が出る可能性があります。
現状出回っている検査キットがどれだけ確度が高いのかは、何とも言えないところです。本当に新型コロナウイルスにだけ反応しているのか、旧型とのクロスはないのかなど検証ができていないからです。

・抗体検査
ウイルスに感染すると体の中には、そのウイルスに対応する抗体が作られます。その抗体の有無を調べる検査です。抗体ができるまでは時間がかかるので、ウイルスに感染していたとしてもすぐには検査をすることができません今ウイルスに感染しているかどうかではなく、あくまで2週間以上経った時の答え合わせとして使える検査です。

ウイルスの表面にはスパイクという鍵のようなタンパク質がたくさんあり、抗体はそのスパイクに対応して作られます。新型コロナウイルスの場合、このスパイクの型が旧型のコロナウイルスとの交差があると言われています。そのため抗体検査を受けたとしても、本当に新型コロナウイルスに対応した抗体であるかの確認はできません。

検体の採取方法としては血液検査になり、正確性を期すなら注射器による採血が必要です。最近では指先に少し傷をつけて血液を採取する自宅検査用のキットも出回っていますが、指先には皮脂をはじめとして様々なものが付着していることが多く、検査の感度は決して高いとは言えません。

また抗体検査で陽性だったからと言って、新型コロナウイルスに感染しない、発症しないという保証はありません。先ほど書いた旧型との交差の可能性のほか、新型コロナウイルスでは抗体を持っている方が症状が重くなる「抗体増強反応」も確認されていて、まだウイルスと抗体の関係について分かっていないことが多いからです。
抗体検査が陽性→自分は新型コロナウイルスに抗体がある→感染しないからどこに行っても大丈夫!ということにならないように注意しましょう。
抗体検査は現状、新型コロナウイルスの感染の判定としては使いにくい検査です。

以上前回も含め検査の解説をしてきました。検査の感度には幅が大きく、決して絶対視できるものではありません。検査を受けたから安心ということにはなりませんので、検査の有無、検査結果に左右されず、きちんと感染予防対策を取るようにしてください。

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PCR検査、抗体検査、抗原検査の違いとは?その1[内科]

気温、湿度が低くなり、新型コロナウイルスの感染者数は増加しています。そんな中、PCR検査をはじめ、新型コロナウイルスについて検査のできる医療機関も多くなってきました。現在、新型コロナウイルスについては、いくつかの検査方法があります。今回はその違いについて解説してみたいと思います。

・PCR検査
ウイルスがもつDNA、RNA(遺伝子)の断片を増殖させ、体の中にウイルスが存在しているかどうかを確認できる検査です。現在ある検査方法の中では感度は最も高く、少ないウイルスの量でも検出できるのが特徴です。

検体の採取方法としては3種類あります。
①鼻の孔から喉に綿棒を入れ採取する(鼻腔咽頭ぬぐい液)
②唾液から採取する
③鼻の孔から2cm程度綿棒を入れ採取する(鼻腔ぬぐい液)

①の場合、検体を採取る医療者のウイルス曝露の可能性も少なくなく、感染予防の装備をきちんと揃える必要がありましたが、②・③の場合、曝露は限定的なため、検査をする側・される側、どちらのハードルも下がりました。

現状、PCRが検査の感度が最も高いため、PCR自体の本当の感度を確認する術はありません。判定する機器や検査を行う医療者の技量などによってかなり幅があると思った方が良いでしょう。一般的に30~70%程度と言われています。
またウイルス感染からの日数によっても感度に違いがあり、濃厚接触から4日で33%、症状が出た当日で62%、症状が出てから3日目で80%ほどというデータもあります。
また症状が無くても何回もPCR検査では陽性になる可能性もあります。これは検査の手法上、ウイルスが生きていても死んでいても反応するからです。

新型コロナウイルスに対する陰性証明を出してくれとお願いされることがあります。ここに書いた通り、最も感度の高いPCR検査でも良くて70%ですから、厳密な意味での陰性の証明にはなりません。
ただ出張などのお仕事の都合上、どうしても陰性証明が必要な場合は、PCR検査を実施しての発行となります。

長くなりましたの続きはまた次回「抗原検査」「抗体検査」について解説していきます。

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冬にかけてウイルス感染症にかかりやすくなるのはなぜ?[内科・小児科]

今回はコロナウイルスをはじめとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、RSウイルスなどウイルス感染症が、秋から冬にかけて増える理由を解説していきたいと思います。

まずひとつが「温度」です。ウイルスは一般的に温度が低い方が活発化して増えやすくなる種類が多いと言われています。例えば風邪の原因となるライノウイルスは32~33度で増殖しやすくなります。人間の体温はもっと高いわけですが、寒くなると鼻で息を吸う時、冷たい外気にさらされるため鼻孔の温度が32~33度程度になります。それで鼻の奥でウイルスが増えてしまい、風邪の症状がでるというわけです。

次に「湿度」です。新型コロナウイルスにとって「ソーシャルディスタンス」という言葉が一般的になりましたが、ウイルスの感染力の強さには、どこまで広範囲にウイルスが飛んで広がるかも重要なファクターとなります。ウイルスが体内から外に出る時は飛沫などに付着して浮遊するのですが、湿度が高いとこの飛沫が重くなるため、飛ぶ距離が短くなると言われています。

逆に乾燥していると飛沫が軽くなり遠くまで飛ぶので感染が広がりやすくなります。乾燥しても失活しないタイプのウイルスが、この利点を生かして秋から冬の乾燥した時期に感染力が強くなります。代表的なものがノロウイルスです。

また乾燥によって鼻やのどの粘膜の機能が働きにくくなるという影響もあるでしょう。

元々コロナウイルスは冬に流行するウイルスですので、新型コロナウイルスもおそらくそうでしょう。Go toキャンペーンをはじめとして、感染者数の増加の原因が色々と取りざたされていますが、冬になると感染が広がるのは、ある意味で当然のことと言えます。

こまめな手洗い、マスク、人との距離、換気、栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠、できることをきちんとして感染しない、感染させない生活を心がけましょう。

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