ノロウイルスの予防法と対処法 その1

今回は、毎年、この季節になると大流行するノロウイルスについて改めて書いてみたいと思います。

大前提として、ノロウイルスにはワクチンがありません。そのため、感染してしまったら対症療法しかなく、症状が重くなってしまうことが多いのです。一度罹患すると免疫はできますが、ウイルスの変異が早く、数年単位で入れ替わってしまうため、定期的に大流行するのも特徴のひとつです。

その感染力は非常に強く、体内に10個のウイルスが入っただけで発症すると言われています。感染者の吐しゃ物1ccあたり、10億個のウイルスが入っているので、それだけで日本全国民が感染するほどのウイルスの数ということになります。体内での増殖力がものすごく、潜伏期間が短い(24時間~48時間程度)のも特徴です。

感染経路としては、飛沫感染が最も多くなります。感染者の吐しゃ物や下痢便が飛び散って、その飛沫を吸い込んでしまうだけではなく、吐しゃ物の処理の仕方が甘かった時に、それが乾燥してウイルスが空気中に舞い上がり、吸い込んでしまうことでも感染します。

ノロウイルスの予防には、手洗いや調理器具の洗浄・消毒を徹底することが有効と言われています。しかし実際のところ、お子さんの通う学校や保育施設などでノロウイルスが流行してしまった場合、有効に予防するというのは、なかなか難しいことです。

ノロの感染を広げないようにするには、感染してしまった場合に適切に対処することが重要です。特に子供の吐しゃ物などをしっかりと処理しないと、家族間での感染が広まってしまいます。しっかりと消毒しなくてはいけませんが、ノロウイルスにはアルコール消毒は効きません。ノロの消毒には漂白剤に使用されている「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です。

長くなってしまったので、今回はこの辺で。

次回は「次亜塩素酸ナトリウム」消毒液の作り方と汚染物の処理の仕方について書いてみたいと思います。

 

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

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