月別アーカイブ: 2022年12月

インフルエンザの流行状況について

12月23日に東京・神奈川を含む6都県でインフルエンザの流行期に入ったとの発表がありました。埼玉についても、感染の報告数がぐっと上がってきているので、近々流行期に入るものと思われます。(埼玉県の感染状況についてはこちらをご覧ください。https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/srv-flu.html

世界的に見ると、現在、アメリカとカナダでインフルエンザが大流行しています。データで見ると、重症化率が高そうです。今年は新型コロナの方に意識を取られて、インフルエンザはワクチンの接種状況が例年に比べて良くありません。そのため、感染した場合に症状が重くなることが危惧されます。

感染拡大は例年よりは遅れてはいますが、年末年始に人の移動が多くなると感染が一気に拡大する傾向にあります。年末年始を経て、1月中旬以降が感染拡大のピークになることが予想されます。

また、中国からどのくらい人流があるかによって感染の拡大状況も大きく変わる可能性があります。毎年春節に合わせて、中国から大量の旅行者が来ますので、それによって持ち込まれたウイルスによって感染が拡大する傾向にあるからです。

中国では新型コロナが感染爆発しているようですので、今シーズンは人の移動が読みづらいですが、備えておくに越したことはありません。

はらこどもクリニックでは、このような状況を受け、29日にインフルエンザワクチンの接種日を設けました。もしまだ接種を受けていない人は、検討してみてください。

予約ページはこちら

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

年末年始 休診日のお知らせ(2022年~2023年)

年末年始(2022~2023年)休診日のお知らせです。

12月29日(木)~ 1月3日(月)は、休診とさせて頂きます。
12月29日に関してはインフルエンザ予防接種のみ実施いたします。(10時〜 要予約)

ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

なお、所沢地区で年末年始に診療をしている医療機関は「所沢医師会ホームページ」の休日当番医ページにて記載がありますので、万が一診療が必要な場合には参考にしてください。

> 休日急患当番医のご案内(所沢市医師会)

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

子どもの睡眠障害【小児科】

世界でも子どもが寝ない国が日本と韓国と言われています。それに伴って、子どもの睡眠障害も増えています。

原因は様々ですが、まず子どもが大人の行動様式に合わせざるをえない社会状況があるでしょう。例えば仕事が遅く、子どもが寝るような時間に帰宅し、そこで子どもの目が覚めてしまう。遅い時間帯の大人の外食や遊びに子どもを頻繁に付き合わせるようになったことなどが挙げられます。

またスマホが普及したこともその原因のひとつでしょう。人間は、朝しっかりと明るい光を目に入れてあげることが大切で、逆に夜は余り強い光を目に入れるのは良くありません。それによってメラトニンというホルモンがコントロールされ、睡眠の質が良くなるのです。スマホの強い光を遅い時間帯に見ることで、そのコントロールが崩れる恐れがあります。

子育ての中で、親御さんがお子さんをおとなしくさせようとすると、ついついスマホに頼りがちになります。それが遅い時間帯になると、余り良くない影響が出てしまうかもしれません。

また少し上の年齢になると子どもが自分の部屋を持つことも多くなります。そうなると親が子どもの生活を細かいところまで見守ることは難しでしょう。寝る前に長時間スマホを見ているお子さんも多いと思いますので、なかなか難しいところです。

不眠は日本の国民病ともいえるほどになっていて、現在では様々なサプリや薬が世に出回っています。しかし、睡眠の質を向上させるためには、早寝・早起き・きちんと朝ごはんという規則正しい生活をすること以上のものはありません。

現代の日本人の生活様式の中で、規則正しい生活を送るということはなかなか難しいとは思いますが、なるべくお子さんには、早寝・早起きを実践してもらうようにしましょう。

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子どものやけどについて【小児科】

家庭で起きやすい子どもの事故に「やけど」があります。

昔は冬になると、やけどは多かったものです。例えば、石油ストーブに触ってしまう、こたつの熱源に直接触ってしまうなどがありましたが、近年では、エアコンやホットカーペットなどに置き換わり、以前と比べてやけどは少なくなりました。

ただし、低温やけどについては注意する必要があります。低温やけどは、体温よりも少し高い温度(44℃~50℃前後)のものに、皮膚が直接長時間触れることによって起こります。症状がひどい場合、皮膚の奥の方までやけどが進行してしまいます。

低温やけどは急激に熱さや痛みなどを感じるわけではないので本人が気づくのが遅く、症状が悪化してしまうケースが多いです。低温やけどによる見た目の変化はありますが、痛みがでるまで患部を確認することはありませんから、気付かないのです。

これを予防するには、熱源となるものに直接触れないようにすることです。例えばホットカーペットなら、上にもう1枚マットを敷いて使用する。カイロなどは直接肌に触れさせず、服の上から貼る。電気毛布などはタイマーを使って、ある程度の時間で切れるようにしておくなどです。

かつて湯たんぽを使用していた時代には、冬になると低温やけどが多くありました。今では湯たんぽを使う人は多くはないと思いますが、使う場合にはタオルなどに巻いて使用したうえで、布団の中が温まったら、寝付く前に布団から出してしまうことがベターでしょう。

またやけどをしてしまった場合の対処としては、すぐにきれいに洗って流水で冷やしてください。また水ぶくれができている場合には潰してはいけません。水ぶくれの中の体液は、治癒効果のある体を守っている成分なので、そのままにしておきましょう。

もしやぶけてしまったら、そこから体液が漏れないよう、かつ雑菌等が入らないよう、ラップを巻いてガードしてください。ガーゼは、体液を吸ってしまい、患部に貼りついてしまうのでやめましょう。

低温やけどはぱっと見てもどの程度症状が重いのかが分からないので、その時に痛みがないからといって軽視せず、必ず医療機関に診てもらうようにしましょう。

ちなみに低温やけどは、高齢者の方に多いです。暖房器具にあたって動かない時間が多いことや皮膚の感覚が鈍くなっているため、より気付きにくく、症状が悪化するケースが見られます。高齢者の方と同居されている場合も注意しましょう。

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ウイルス性の急性脳症とは?【内科・小児科】

新型コロナウイルスのオミクロン株が広まった結果、それまではなかった子どもの死亡事例が出てきました。今年の4月には、栃木県で基礎疾患のない8歳の女の子が感染後、急性脳症で死亡したというケースがありました。基礎疾患はなく、ワクチンは未接種だったとのことです。

では急性脳症とはどのような症状なのでしょうか?

脳症とは、脳の浮腫(ふしゅ)=むくみや腫れによって、意識障害やけいれん、呼吸麻痺、運動機能の麻痺などが起こります。症状の悪化は早く、特に急激に症状が進行するケースを急性脳症と言います。

脳にダメージがあるため、命は助かっても、何らかの障害が残るケースもあります。例えば、同じく上述のケースと同じく栃木県で、命こそ助かったものの、5歳未満の女の子が急性脳症で重篤な状態になり、体に麻痺が残ったという事例もあります。

脳症の原因には様々なものがありますが、その中でも新型コロナに限らず、ウイルス感染によって起こり得るのがウイルス性の脳症です。ただし、ウイルスが脳に直接感染して炎症を引き起こすものは脳炎と言います。脳症の場合、必ずしも脳が炎症を起こしているわけではなく、脳を調べても、ウイルスが出てこない場合もあります。

脳症の場合、ウイルスそのものが原因なのか、サイトカインなど自己免疫系の異常が原因なのか、はたまた他の原因があるのか、はっきりとは分からないことが多いのです。

例えば、日本脳炎の場合は、脳から病原体が見つかりますが、インフルエンザ脳症の場合は、脳の中からインフルエンザウイルスは見つかりません。

脳炎と脳症は症状からは見分けがつきません。症状は同じですが、脳症の場合は、それを引き起こす直接的な要因が分からないことも多いので、治療がより難しくなります。

新型コロナの場合、今後解剖例が増えてこないと、どのような原因でどんなメカニズムで脳症を引き起こすのかがはっきりと分かってこないでしょう。

ワクチン接種によって、直接的に、急性脳症を予防できるというわけではありませんが、感染のリスクを下げ、重篤化のリスクを下げることで結果として、急性脳症になるリスクを減らすことができます。

お子さんのワクチン接種をしていない方は、早いうちに接種をお願いできれば幸いです。

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