月別アーカイブ: 2020年10月

新型コロナウイルスで分かってきたこと[内科]

2020年10月現在で、新型コロナウイルスについて分かっていることを、少しまとめてみたいと思います。

海外では再び猛威をふるいはじめた新型コロナウイルスですが、日本では現在のところ爆発的に患者さんの数が増えることはなく、ある程度の数で落ち着いているようです。PCR検査での陽性数の推移として、全国では500~600人/日、検査陽性者が最も多い東京都で200人/日前後、埼玉県では30~50人前後が多くなっています。

各都道府県で定義が異なるため、あくまで参考値にはなりますが、厚労省が発表している全国の重症者数は10月に入ってからは150人に満たないくらいで推移しています。4月後半から5月頭までのピーク時は300人を超えていましたので、おおよそ半分くらいの数字ということになります。

まず小児については、新型コロナウイルスに感染しても症状が軽いということはほぼ間違いないといって良いでしょう。日本での小児の酸素吸入の事例はほとんどありませんし、世界的に見ても小児の重症者は非常に数が少ないことが分かっています。

日本小児科医会がまとめたデータによると、小児への感染経路の78%が家庭内感染ということで、他の感染症と異なり、子ども同士での感染例は少ないことが特徴です。全体の9割近くが薬の服用などをせずに無治療で回復したというデータが出ています。

感染拡大を防ぐのに最も厄介な点として、症状が無い状態でも人に感染させる可能性があるということです。新型コロナウイルスに対して、マスクが非常に有効な感染防止対策になったのは、この無症状でウイルスを持っている人からの飛沫の拡散=ウイルスの拡散を防げることが大きいのだと思われます。

また発症した場合の特徴として、肺の症状や味覚異常が出て、一旦症状が良くなった場合でも、急にひどくなるということがあるようです。

現在新型コロナウイルスについては、世界中で論文が多数あげられている状態です。特に発生源と言われている中国からは非常に多くの論文が出ています。しかしこれらはまだ査読を受けていないものが多く、いわば出しっぱなしの状態になっています。今後きちんと査読をされた時に、残る論文がどれだけあるのかというのが重要です。

メディアなどでは、査読を受けていない論文から情報を引っ張って、あれは良い、これはダメなどという報道も少なくありませんが、先走って情報が錯綜している状態ですので、不正確な情報に惑わされないようにしてください。

 

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

花粉症ではないアレルギー性鼻炎[アレルギー科]

日本の場合、アレルギー性鼻炎の最もポピュラーなものはスギ花粉による「花粉症」だと思いますが、他のアレルゲンに反応して起こる鼻炎もあります。

通年性のアレルギー性鼻炎と言われるもので、「ダニ」がアレルゲンとなるケースが多いです。ダニによる喘息持ちの方の8割程度は鼻炎の症状もあります。アレルギー性鼻炎の特徴として、水っぽい鼻水よりも、鼻の奥にある鼻腔が詰まる鼻閉型が多く、鼻呼吸がしにくくなります。(スギとダニ、両方にアレルギー反応が出る方も珍しくありません。)

アレルギー性鼻炎があると、鼻詰まりで集中力が落ちたりするので、お子さんの場合、テストの成績が下がる傾向にあるというデータもあります。

通年症状は出ているわけですが、自律神経の関係上、温度差で症状が重くなることがあるため、気温が下がり、1日の気温差が大きくなる秋にひどくなる患者さんが多いです。大体体育の日から勤労感謝の日までがピークなのではないでしょうか。

喘息と共にお子さんの発症例は多く、中学生くらいになるとアレルギー症状が治まってくるので、症状は軽くなることが多いです。

治療法としては花粉症と同じで、抗アレルギー薬で症状を抑えます。また、免疫療法もあり、はらこどもクリニックでは、スギ花粉とダニの両方を行っている患者さんもいます。

時期的にこれからの季節は症状が重くなる方も多いので、ひどい場合には我慢せず、きちんと診察を受けてくださいね。

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女性がかかりやすい病気 膀胱炎[内科]

女性がかかりやすい病気に「膀胱炎」があります。尿道から侵入した菌が膀胱で増殖し、炎症を起こす病気です。頻尿/残尿感/痛みなどがあり、重い病気ではないものの、不快感の強い病気です。

女性の方がかかりやすいのは身体の作りの問題です。女性は尿道と肛門、膣の距離が近く、そこに存在している大腸菌などの菌が尿道に侵入しやすいこと、また、男性よりも女性の方が尿道が短いため、菌が膀胱に侵入しやすいからです。

原因となる菌は、子どもの場合8割方大腸菌で、大人の場合はもう少し金の種類が複雑になります。菌が引き起こす炎症なので、基本的には抗菌剤による治療になります。

子どもの頃は男の子の性器に皮が被っていますので、0歳では逆に男の子のほうが女の子よりも多く、3歳くらいから女の子の方が多くなるようです。大人の男女差で見ると、女性の方が30倍ほど多く、さらに妊婦さんとなると、リスクはその30倍になると言われています。

大体尿道の外側1/3くらいは菌がいます。排尿の度に洗い流されるわけですが、夏場で尿量が少なかったり、おしっこを途中で止めると、菌が膀胱に入りやすくなります。膀胱の中におしっこがたまっている時間が長くなると、菌が繁殖する時間が長くなるので、膀胱炎になりやすくなります。妊婦さんの場合は、尿を出し切る筋肉が緩くなりがちで残尿が多いため、菌が繁殖しやすくなるわけです。

ですので、膀胱炎の予防には、水を多めに飲んで尿の回数、尿量をある程度確保する。おしっこをするときは一気に出すといったことが有効です。

実際のところ、お水をたくさん飲んでたくさんおしっこをすれば自然に治ることも多いうえ、泌尿器科に通うことをためらう方も多いため、膀胱に違和感があっても病院には行かないという方もおられるでしょう。ただ不快感が強い病気なので、仕事や学校に支障をきたすようなら、きちんと通院して診察を受けましょう。

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