はらこどもクリニックで、小児アレルギーの中で最も患者さんの数が多いのが「小児喘息」です。
「喘息」は、ダニやホコリなどの刺激物により、気道が炎症を起こすことで気道が狭くなり、呼吸が苦しくなるという症状が出ます。息をするたび、「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」という音が出たりします。喘息の発作は圧倒的に夜が多く、症状がひどいと呼吸困難になって死に至ることもあります。(アレルギー性のほかにも「アスピリン喘息」もあります。)
様々な調査がありますが、現在の子供の有病率は、8~10%程だと言われています。ピークよりは下がりましたが、30年前に比べると、2~3倍に増えています。大気汚染が進んでいること、また冷暖房の普及で季節感がなくなったことにより、アレルゲンとなるダニが棲みやすくなってしまったことが原因として考えられています。
喘息は呼吸器系なので冬の病気と思われがちですが、実際は、症状が重くなるのは秋です。その明確な原因は分かっていませんが、1日の温度差、台風や秋雨前線による気圧の変化が影響しているのではないかと言われています。またアレルゲンとなるダニやハウスダストが、9~10月にかけて多くなるというのも影響しているでしょう。
小児喘息は自然に治ることが多い病気です。アレルゲンに対する過敏性は年齢が上がることに落ちていくことが多く、小学校高学年までに5割程度は治まるイメージです。(昔はもう少し治りがよく、7割程度は治まっていたのではないかと思います。)ちなみに拓麿副院長も小3の頃までは、小児喘息の症状が出ていました。
喘息は日常生活を送る上で、色々な不便があります。そのひとつがスポーツです。長距離走やサッカーのような呼吸数を上げるようなスポーツは、発作が起こりやすくなる傾向があります。対して水泳やスキーのようなスポーツは呼吸数が少なくて済むので、喘息には良いと言われています。
昔は喘息の発作が酷くなり、夜中病院に駆け込むということもよく見られましたが、現在では薬が良くなっていますので、そのような光景を見ることは少なくなりました。また、免疫療法など有効な治療法も増えています。家の掃除や薬のコントロールなど、親御さんの協力も症状の改善に必要不可欠です。病気と上手に付き合って、症状を抑えていきましょう。
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