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発達障害でマスクが出来ないケース[小児科]

発達障害のひとつにASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)があります。社会的なコミュニケーションがうまくできなかったり、興味などが偏るという性質があります。

ASDの頻度はそれほど多いわけではありませんが、発達に何らかの障害を持つ子どもの割合が10%程度ありますので、学校全体で考えると1人、2人はいる可能性があります。

ASDの中には、感覚過敏を持っている子がいて、ある特定のものに対して忌避反応を示します。例えば学校生活で言うと、チャイムの音がダメだったり、オルゴールの音がダメだったりといったように特定の音がダメな子がいたり、味覚に出てしまう子は、特定の食べ物を美味しくないと感じてしまったり、好き嫌いのレベルを超えて嫌がるという反応を示します。

その中には触覚に反応を示す場合もあります。例えば特定の肌触りの服を嫌がったり、ある部分に何かが触れるのを嫌がったりといった具合です。触覚過敏の中で、口元に何かが触れるのが嫌な場合は、マスクを着けられないことになります。

このような反応を示す子に対しては、できる範囲で受け入れてあげないと、そもそも社会に入ってくることができなくなってしまいます。集団生活でみんながやっているからやりなさいと言ってもその子にとっては無理なのです。その子についてはやらない・できないという例外を認めてあげないと、その子を排除することになってしまいます。

例えばマスクはダメでもフェイスシールドは大丈夫だったり、何か別の解決策がある可能性もありますが、特に子どもが小さいうちは、自分が嫌な理由を説明できないこともあり、対応が非常に難しいのです。やはり「許容」ということをどこかで認めないといけません。

新型コロナの感染者数は、大きくは下がらないものの、ある程度状況が落ち着いてきており、withコロナで社会をどう回すのかが、色々と議論されています。中でもマスクについては、これから暑くなるにつれて熱中症のリスクも上がることから、屋外では外すなどの指針が示されました。

それとは別に、上に挙げたようにマスクが出来ない人もいるという事実を認識したうえで、排除をしない社会にしていただきたいと思います。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
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