投稿者「スタッフはらこども」のアーカイブ

新井恵子先生のご紹介 はらこどもクリニックブログ

今回は、4月よりはらこどもクリニックに勤務していただいております新井恵子先生について、ご紹介したいと思います。

新井先生は、広島大学医学部を卒業後、麻酔科を経て、長らく内科、プライマリケア医として活躍されていました。この度、はらこどもクリニックの内科機能を強化したいという中で、来て頂くことになりました。

プライマリケア連合学会に所属し、漢方専門医の資格をお持ちのほか、身体の痛みを取り除く「ペインクリニック」を専門としており、AKA療法や筋膜リリースなどの手法を用い、腰痛などの痛みの症状を改善する治療なども行っていただいております。担当スケジュールとしましては、月・木・金・土曜日となっておりますのでご注意ください。

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

はらこどもクリニックのプライマリケア はらこどもクリニックブログ

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はらこどもクリニックでは、総合診療という考え方を大切にしています。まず第一に小児科医は子供の総合医であること、そして、子供だけではなくその親御さんも含めた、家族全体の健康を見守るファミリークリニックの機能をもつことです。何か医療的な問題が起こったら、まずはらこどもクリニックに来てもらう。家族全体のかかりつけ医のようなイメージでしょうか。

このように身近で何でも相談に乗ってくれる総合医療のことを「プライマリケア」と呼んでいます。はらこどもクリニックは、所沢市のプライマリケア医として、役割を果たしていきたいと考えています。

この「プライマリケア」という考え方は、海外では一般的な考え方です。イギリスやドイツでは、地区ごとにプライマリケア医の人数枠が決められていて、何かあったときにはまずそこで診てもらうという風になっています。また、アメリカでは「プライマリケア≒ファミリーメディスン」というイメージであり、ただ病気を診るのではなく、家族・家庭の環境も含めて診療し、助言を行うという考え方にのっとっています。例え一時的に病気が治っても、その原因が家庭環境に因っていた場合、同じことが繰り返されてしまいます。それを根本的に解決するには、家族・家庭の問題も改善する必要があるのです。

日本でも「プライマリケア」の概念は少しずつ広まってきているとはいえ、まだまだ発展途上です。昭和40年代にアメリカにプラマリケアを学ぶために派遣された医師たちがおり、帰国後その医師たちが、日本における初代の総合診療医・プライマリケア医となりました。しかし、そこからプライマリケアという概念が定着するには至りませんでした。日本には、家族・家庭の価値観が多様化する中で、本当の家族学を学べるところがないという問題もあるのでしょう。これから日本では日本なりのプライマリケア、家族診療の形を見つけていかなければなりません

さて、はらこどもクリニックに話を戻しますと、今までは、原朋邦院長や原拓麿副院長の知識や経験といったものの範囲内で家族診療を行ってきました。しかし、これからは内科医の先生を入れ、クリニック全体として、プライマリケアの機能を持たせていこうと考えています。

そのはじめとして、4月より内科医の新井恵子先生に勤務して頂いております。新井先生は、プライマリ・ケア連合学会認定医の資格を持ち、そのほか漢方専門医、ペインクリニックなどを専門としていますす。(新井先生の担当診療時間については、HP内「診療案内」→「担当スケジュール」をご覧ください。)追ってこのブログ内でも、新井先生のご紹介をしたいと思っています。

 

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
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はしか(麻疹)が大流行しているように見える理由は?【埼玉県】はらこどもクリニック

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今年の麻疹(はしか)の流行がこれほど大きく報道されている理由のひとつに、麻疹(はしか)が全数報告になったことが挙げられます。国から指定された感染症については、発症者を診たら、保健所に届出を出すという決まりになっているのです。

実は麻疹(はしか)は、2007年に大流行しています。この時はワクチン1回接種だった世代が当たってしまったのです。1回接種だったうえに、周囲に麻疹(はしか)がない状態だったので、大人になるにつれ抵抗が落ちてしまったと考えられています。また、1回ならまだしも、接種を受けていない人もかなりの数いたようです。そのため、今年の流行とは比べものにならないほど感染が拡大し、早稲田、上智、駒澤大学などで全休校になり、当時は非常に大きく報道されました。原拓麿副院長は、当時は横浜の病院に勤務しておりましたが、1日に30人ほどの麻疹(はしか)患者さんを診ていたとのことです。

このような大流行の反省を踏まえ、2013年から麻疹(はしか)は、全数報告指定の感染症となりました。今年は、全数報告になってから初めての流行になるので、物事が大きく見えてしまっている側面があると思われます。

5月9日現在の報告では、全国での患者数は200~250人くらいです。2007年と比べて考えると、決して多いと言えません。また今の子供達はワクチンを2回接種していますので、抗体をきちんと獲得していると考えてよいでしょう。今26歳~39歳の世代が、上に挙げたワクチン1回接種の世代なので注意が必要です。今まさに子育てをしている世代にあたりますね。ご自身がワクチンを打ったかどうか、一度確認してみるのが良いと思います。そして、最も注意が必要なのは、まだワクチンを打っていない2歳未満のお子さんです。

もう一度書きますが、怖いのは必要のない人がワクチン接種を求めることで、本来打つべき子供たちにワクチンが行き届かなくなることです。大人の方は報道に惑わされず、冷静になって過ごして頂ければと思います。

 

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

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はしか(麻疹)が流行?でもひとまず冷静に。【埼玉県】はらこどもクリニック

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3月に沖縄で「はしか」の感染者が報告されてから、全国にその感染が広がっています。ニュースなどでも報道されており、心配されている親御さんも多いのではないでしょうか。ワクチンができてからは、日本では、「はしか」は余り見られない病気となっています。今回は改めて「はしか」について、書いてみたいと思います。

「はしか」は正式には「麻疹」といわれる感染症です。大体4~6月にかけて流行し、感染すると90%以上の割合で症状が出ます。潜伏期は10~11日と言われています。症状としては、最初に発熱が始まり、2日目以降、鼻水や咳が出てきます。頬の粘膜に「コプリック斑」といわれる発疹が現れるのが特徴ですが、感染者全てに出るわけではないので注意が必要です。コプリック斑が出ない場合、症状が風邪に似ており、初期では診断が難しい病気でもあります。特に若い医師では、麻疹(はしか)を診たことがないという人もおり、判断が難しくなる場合もあるでしょう。感染すると、喉の粘膜が非常に汚くなるのが特徴であり、はらこどもクリニックでは、そういった部分も含めて診断しています。

3人に1人は重篤化し、特に子供が感染した場合、気道が大人よりも狭いため、呼吸困難など症状が重くなりやすいです。1000人に1~3人は死亡するという、致命率の高い感染症でもあります。

空気感染のため感染力は非常に強く、有効な予防法はワクチン以外にはありません。感染の強さを示す数値で比べてみると、インフルエンザ:2~3、水痘(水ぼうそう):8~10、麻疹(はしか):16~21となっており、その感染力の強さを実感して頂けると思います。

江戸時代には子供が麻疹(はしか)に罹って生き残れるかどうかでその運命が決まったことから、「命さだめ」と言われていたそうです。また、将軍の子供も麻疹(はしか)に罹ったという記録が残されています。庶民から発症した麻疹が、感染を繰り返し、人ごみから隔離されているはずの将軍家まで届く、すさまじい感染力だと言えますね。

さて、ここまで麻疹(はしか)のおそろしい側面を紹介してきましたが、今回のブログのタイトルにもあるように、今回の流行に関しては、少し冷静になる必要があると考えています。

まず、麻疹(はしか)についてはワクチンによる予防が、唯一にして最大の予防になります。現在では麻疹(はしか)については、基本的に風疹との混合ワクチンであるMRワクチンになりますが、1回接種で95%以上の人に抗体ができ、2回接種することで残りの5%の人にも抗体がつくと言われています。ワクチンを1回でも打っておけば、仮に感染して症状が出たとしても、症状は軽くなります。MRワクチンは定期接種になっていますから、きちんと接種しているお子さんについては、それほど心配する必要はありません。

また、一度感染すると抗体を獲得し、その抗体は一生続くと言われています。一部テレビ番組等で、「抵抗力の弱い高齢者は、ワクチン接種を受けた方が良い」という報道があったそうですが、それは全くデタラメといっていいでしょう。きちんとした麻疹ワクチンが流通したのが、昭和40年代の後半ですので、それより前の世代、現在46歳以上の人は、ほぼ麻疹(はしか)に罹患している世代です。昔は麻疹(はしか)の流行期となれば大変なもので、毎日のように1日何十人という麻疹患者さんを診たものです。ですので、高齢者はほぼ麻疹の抗体をもっていますので、大丈夫です。怖いのは、こういった報道がされることでパニックになってしまい、ワクチンの必要のない世代が、我先にと接種を求めることです。それによって本来ワクチンを打たなくてはならない子供たちにワクチンが行き渡らなくなることが、最大の問題です。

はらこどもクリニックにも、報道を見てワクチン接種を希望する高齢者の方が来院されましたが、このようなことをしっかりと説明し、納得して接種なしで帰っていただいたこともあります。

長くなってしまったので今回はこのへんで。次回は、今年、麻疹(はしか)が大流行しているように見える理由を書いてみたいと思います。

また、はしかについては、原院長のFacebookにも色々な情報を載せていますので、そちらも是非ご覧になってみてください。

 

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

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家庭でできる子供に対する予防医療 その2

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前回に引き続き、予防医療の観点から考える事故予防について、ご紹介します。前回お話したように、1~14歳の死亡原因の第1位は「不慮の事故」となっています。それだけ危険性が高いものなのに、家庭における事故対策は普及しているとは言いがたい状況になっています。それはなぜなのでしょうか?

例えば、お風呂の水はすぐに抜いているか、ストーブなどの暖房器具にふれなれないようにしているか、階段に柵を設置しているか、高いところに昇れてしまうような踏み台となる棚やケースが置いていないかなどなど、事故防止のためにできる具体的な対策はたくさんあります

しかし、現実には、うちはきちんと見ているから大丈夫という意識で、対策を怠ってしまっていることがほとんどです。

事故というのは、ひとつの事故が他の人への教訓にならないのが厄介なところなのです。一般論や他の事故のケースを挙げても、「うちは大丈夫」という感覚になってしまいがちで、そのご家庭ご家庭にあわせ、具体的な指導を行わないと、事故防止対策が進まないのが大きな問題です。

親御さんが子供のためにできることの中では、簡単かつ重要な分野にもかかわらず、そういう情報が周知されていなかったり、教育がされていないのです。このことは小児科学会でも非常に問題になっており、学会誌などでも随所で事故防止対策にういての記事が掲載されています。さらにいうと、事故防止対策について書いた書籍も多数出版されているのですが、なかなか状況が好転していないのが実情です。

子供の事故を減らすには、親御さんにきちんとした知識と意識を持っていただくことがとても大切です。お子さんの命と健康を守るため、少しでも日常生活の中で、事故の危険性を意識してみてくださいね。

 

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家庭でできる子供に対する予防医療 その1

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先日のブログで「予防医療」のひとつとして「予防接種」について書きました。では「家庭でできる子供のための予防治療」というとどんなものをイメージされるでしょうか?

実は子供のための予防医療で、大切なのが「事故の予防」なのです。医療というとどうしても病気というイメージにとらわれがちですが、実際には1~14歳の子供の死亡原因の1位は「不慮の事故」なのです。(0歳児については出生時の異常に伴うことが多いので除いています。)子供の健康と命を守るという点においては、「事故の予防」をきちんと行うことが大切なんですね。

どの年代においても最も死亡率が高い原因は「交通事故」です。車に乗る際のチャイルドシート、シートベルトの徹底、そして子供たちにきちんと交通ルールを学ばせる安全教育を行うことが大切です。常日頃から、信号を守ること、横断歩道を手を挙げて渡ること、道路には飛び出さないことなどを、言い聞かせておきましょう。

死亡率の高い原因の2位が「溺死」です。特に1~4歳児においては、交通事故とそれほど変わらない割合となっています。その内訳のほとんどが家庭の浴槽での事故となっています。日本は外国と比べると溺死の割合が多いの特徴です。浴室が深かったり、洗濯に使うため、浴室にお湯をはりっぱなしにしておくなどの習慣が事故を多くしている要因だと考えられています。浴室での事故に注意を促すため、はらこどもクリニックでは、10ヶ月健診の時に「お宅はどんなお風呂ですか?」ということを聞くようにしています。そのほか、4歳児まででは誤飲などによる窒息死も非常に多くなっています。その他、命を落とすことはないものの、階段や椅子からの転落、ストーブなどでの火傷など、事故件数が多くなっています。おじいちゃんおばあちゃんとの同居世帯では、薬の誤飲による中毒も大きな問題のひとつです。

家庭での事故のほとんどは、親がいるところで起こっているということが注意すべきポイントです。親は気をつけている「つもり」でも、実際には、トイレや家事などもありますから、本当に24時間見ていることは不可能です。そのちょっとした隙に、事故は起こってしまいます。だからあらかじめ、きちんとした事故防止の対策を取っておく必要があります。

次回は、なぜ事故防止対策がなかなか普及していかないのかについて、書いてみたいと思います。

 

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夏風邪と冬風邪との違い

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暖かくなってすごしやすい季節になったと思ったら、すぐに夏のような気温になってしまいますね。なかなかちょうど良い気候というのが続くことはないようです。

寒い冬場の風邪は厄介ですが、気温が上がったら上がったで、夏風邪といわれる風邪が出てきます。本格的な夏風邪シーズンの到来を前に、今回は、夏風邪と冬風邪の違いについて、ご紹介したいと思います。

まず冬の風邪は、気道感染するものが多く、咳や鼻水などの呼吸器症状が多いことが特徴です。原因となるのはインフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、ライノウイルスなどとなっています。

対して夏風邪は、アデノウイルスが原因となることが多いです。アデノウイルスには型が67もあるため、一度かかっても他の型には免疫がカバーされず、1シーズンに何度も夏風邪をひくということも珍しくありません。症状としては、発熱が主で経過が長いのも特徴のひとつです。いわゆるプール熱といわれるもので、結膜炎を併発する場合もあります。また、保菌者からのウイルス排泄期間が長く、症状が治まっても排泄されるため(大体2週間程度と言われています。)、集団の中で流行しやすいという面もあります。

アデノウイルスでの夏風邪では、特別な治療法はなく、対症療法が中心です。脱水症状に気をつけて水分をこまめに摂りつつ、熱が下がるまでしっかりと休養をとることが大切です。また予防については、手洗いうがいは有効だとは言われているものの、上記のようにウイルスの排泄期間が長く、予防しにくいウイルスです。ご家庭内で感染が出た場合は、治ったからといって安心はせず、トイレのエタノール消毒(ノロウイルスの消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウムでも大丈夫です。)を行ったり、タオルを感染者と共用しないなどの二次感染対策をとりましょう。

その他、手足口病を引き起こすエンテロウイルスも、夏風邪の代表格といえます。エンテロウイルスは、症状が重くなる場合もありますので注意が必要です。

ちなみに冬風邪も夏風邪もウイルスが原因で引き起こされる症状です。抗菌剤である抗生物質は効きません

 

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アレルギー科の実情とアレルギー専門医 その2

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前回に引き続きアレルギー科とアレルギー専門医についてのお話です。

例えば子供の食物アレルギーを例に挙げてみましょう。海外で食物アレルギーが多い食材に「ピーナッツ」があります。ピーナッツバターを多く摂る習慣のある海外では、子供のピーナッツアレルギーは大きな問題となっています。そういった国の中で、イギリスはピーナッツバターを食べさせる時期を遅くしている、対してイスラエルでは、かなり早い時期からピーナッツバターを食べさせています。では、どちらがピーナッツアレルギーの患者数が多いかというとイギリスなのです。

少し前までは、幼いうちはなるべくアレルゲンに触れさせないというのが当たり前の考えでした。今もそういう風に考えてらっしゃる親御さんは多いと思います。しかし、現在では、アレルゲンに触れなさ過ぎるのもダメという考え方が主流になりつつあります。

アレルギーというのは、体に害を与えない物質に対しても、体内の免疫が有害と判断して反応してしまう免疫の過剰反応です。そのため年齢を重ね、免疫機能がある程度発達してからアレルゲンとなる物質に触れると、アレルギー反応が起こりやすいということがわかってきました。

こういった最新の研究を学ばずに、アレルギー検査をして、ただそのアレルゲンに触れないようにしてくださいという医師がかなりの数いるということが大きな問題になっているのです。アレルギーは、子供の生活の質や、健康的な発育にも関係してくる重大な問題です。どのようにアレルギー症状を和らげるのか、患者さんの生活をどういう風に改善できるのかを示してあげるのが医師の仕事だと、はらこどもクリニックでは考えています。

アレルギー疾患に対する治療については、最新の研究に基づいた治療法のガイドラインと実際の現場での治療実態の間に、非常に大きなギャップがあることが問題になっている領域です。今まで根拠もなく当たり前に行われていた治療のイメージが強すぎて、患者さんだけではなく、医師さえもそれに囚われてしまっているのでしょう。はらこどもクリニックでは、アレルギーに対する正しい医療知識をきちんと普及していきたいと考えています。

お子さんのアレルギーでお悩みの親御さんは非常に多いと思います。いつでもお気軽にご相談ください。

 

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アレルギー科の実情とアレルギー専門医 その1

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例えば、「アレルギー科」の看板がかかっていたら、患者さんはアレルギーに詳しい先生がいると判断するのが普通だと思います。しかし、日本では、アレルギー科を標榜するのに特に規則や制限はありません。極端なことを言えば、医師免許を持っていれば、誰でもアレルギー科を標榜して構わないのです。

現在日本では、アレルギー疾患をもつ患者さんが年々増加しつつあり、現在では2人に1人の割合で何らかのアレルギーを持っているといわれています。その中でアレルギーに対する研究が進み、治療法も進歩しています。しかし、最新の知識や研究の成果を勉強せずに、一昔前の治療法方や治療に対する考え方のままに間違った治療をしている医療機関が多くなっていることが、医療界で問題になっています

みなさんは専門医制度というのをご存知でしょうか?医療といっても様々な分野・専門科がある中で、それぞれの専門領域で、その領域の専門研修を受け、患者さんから信頼される標準的な医療を提供できる医師=「専門医」とされています。簡単に言ってしまうと、この「専門医」の資格があるかどうかで、患者さんが何かの病気で病院にかかるときのわかりやすい判断基準にしてもらおうということです。今の医療界では、この専門医制度を活用する方向に舵が切られています。

専門医のひとつに「アレルギー専門医」があります。アレルギー専門医の数は全国的に見ても少なく、小児科でアレルギー専門医の資格を持つのは1000人程度となっています。所沢市に限れば数人、開業小児科に限れば、本クリニック副院長の原拓麿医師ひとりというのが実情です。

(アレルギー専門医についてはこちらをご覧ください。日本アレルギー学会専門医・指導医一覧

結果として、アレルギー科を標榜する医療機関の中で、全国平均で日本アレルギー学会に入っている医師がいるのは52%、専門医の資格を持っているのは、わずか30%にとどまっていることが分かっています。これだけアレルギーの悩む方が増えている中で。アレルギー科を標榜すれば患者さんが多く来るということで標榜している医療機関が少なくないのです。

もちろんアレルギー専門医を持っていなくても、きちんとしたアレルギー治療を行える医師はたくさんいます。特に様々な患者さんを診療され経験を重ねている年配の意思の医師の方には、そういう方が多いと思われます。ただし、年齢的にこれからそういう医師は徐々に減っていくと思われます。

今回は長くなってしまったのでこの辺で。次回もアレルギー科の実情についてお話したいと思います。
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予防医療:予防接種における集団免疫という考え方 その2

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今回も前回に引き続き、予防接種による集団免疫について書いてみたいと思います。

コミュニティが感染症に対する集団免疫を獲得するためには、ワクチンの高い接種率が必要です。しかし、必ずしも老若男女全ての人、そのコミュニティ全体がワクチンを接種しなくても効果は得られます。社会の中のある集団に接種することで、社会全体の罹患率を下げられるのです。前回例に挙げたインフルエンザでは、子供の接種率を高めることで高齢者に効果があるというその典型です。

その他にもHPVワクチンがそれに当たりますHPVワクチンはヒトパピローマウイルスによる感染症を防ぐためのワクチンです。ヒトパピローマウイルスは主に性接触によって感染します。女性の約80%が一生に一度のうちは感染するというよくあるウイルスで、あまり悪さをしないのですが、場合によっては、尖圭コンジローマという感染症(生殖器とその周辺にイボができる)を引き起こしたり、最悪の場合、子宮頸がんを引き起こすことで知られています。

現在日本ではHPVワクチンが積極的な接種の推奨は停止されていますが、アメリカやイギリスでは、子宮頸がんを防ぐための定期接種として、ほとんどの女性が受ける予防接種です。アメリカでは、HPVワクチンを接種したことで、女性の子宮頸がんや尖圭コンジローマだけではなく、男性の尖圭コンジローマも有為に減少しています。

また、ヒトパピローマウイルスは陰茎がんを引き起こす原因にもなっているとも言われているので、もしかしたらそちらにも効果が出ているのかもしれません。また、尖圭コンジローマは母子感染もします。母親が罹患していると生まれた子供の喉にイボができてしまい、それを手術で切除しなければなりません。それを防ぐこともできます。

予防接種の先進国であるアメリカでは、集団免疫の考え方が広く浸透しています。アメリカでは、受けるべき予防接種をきちんと受けていないと、パブリックなコミュニティに参加することはできません。(もちろん、宗教上の理由などの例外はありますが。)予防接種をやる、やらないは権利としてありますが、やらない場合はコミュニティには参加させないよという考え方です。

例えば学校などがそうです。そのためアメリカに留学する場合には、必ず予防接種を受けているかを証明しなければなりません。ワクチンを打っていない場合は、きちんと打たなければ、入学できないのです。さすがに日本でそのようなことをやれば大問題になってしまいますが、それほどアメリカでは、予防接種が重要視されている証とも言えます。

今医療は、予防医療を大切にする方向に舵を切りつつあります。病気に罹って治療するのではなく、病気に罹らないように医者に行く方が、人生にとってよほど生産的でプラスなことです。予防接種は予防医療の中でも、大きなウエイトを占める重要な分野です。お子さんのためにも、しっかりとスケジュールを組んで、きちんと接種してください。

とはいえ、定期もあれば任意もあり、ワクチンの数も多いので、お困りになることも多いと思います。風邪をひいてしまってスケジュール通りにいかないなんていうことは日常茶飯事です。そんな時はお一人で悩まず、お気軽に相談してくださいね。

 

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