家庭でできる子供に対する予防医療 その1

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先日のブログで「予防医療」のひとつとして「予防接種」について書きました。では「家庭でできる子供のための予防治療」というとどんなものをイメージされるでしょうか?

実は子供のための予防医療で、大切なのが「事故の予防」なのです。医療というとどうしても病気というイメージにとらわれがちですが、実際には1~14歳の子供の死亡原因の1位は「不慮の事故」なのです。(0歳児については出生時の異常に伴うことが多いので除いています。)子供の健康と命を守るという点においては、「事故の予防」をきちんと行うことが大切なんですね。

どの年代においても最も死亡率が高い原因は「交通事故」です。車に乗る際のチャイルドシート、シートベルトの徹底、そして子供たちにきちんと交通ルールを学ばせる安全教育を行うことが大切です。常日頃から、信号を守ること、横断歩道を手を挙げて渡ること、道路には飛び出さないことなどを、言い聞かせておきましょう。

死亡率の高い原因の2位が「溺死」です。特に1~4歳児においては、交通事故とそれほど変わらない割合となっています。その内訳のほとんどが家庭の浴槽での事故となっています。日本は外国と比べると溺死の割合が多いの特徴です。浴室が深かったり、洗濯に使うため、浴室にお湯をはりっぱなしにしておくなどの習慣が事故を多くしている要因だと考えられています。浴室での事故に注意を促すため、はらこどもクリニックでは、10ヶ月健診の時に「お宅はどんなお風呂ですか?」ということを聞くようにしています。そのほか、4歳児まででは誤飲などによる窒息死も非常に多くなっています。その他、命を落とすことはないものの、階段や椅子からの転落、ストーブなどでの火傷など、事故件数が多くなっています。おじいちゃんおばあちゃんとの同居世帯では、薬の誤飲による中毒も大きな問題のひとつです。

家庭での事故のほとんどは、親がいるところで起こっているということが注意すべきポイントです。親は気をつけている「つもり」でも、実際には、トイレや家事などもありますから、本当に24時間見ていることは不可能です。そのちょっとした隙に、事故は起こってしまいます。だからあらかじめ、きちんとした事故防止の対策を取っておく必要があります。

次回は、なぜ事故防止対策がなかなか普及していかないのかについて、書いてみたいと思います。

 

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

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