女性に多い病気に「骨粗しょう症」があります。
これは女性ホルモンの「エストロゲン」に骨からカルシウムが溶け出すのを抑える効果があるため、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると、一気に骨密度が下がってしまうからです。
骨粗しょう症対策では、カルシウムをきちんと摂取することが大切なのはお分かりになるかと思います。しかし、多くの人は閉経前後、50歳くらいで意識的にカルシウムを摂るようになるのですが、実はそれでは遅いのです。遅くても30代後半くらいから意識的にカルシウムを摂り、骨に蓄積しておく必要があります。
一番良いのは、骨が成長する20歳くらいまでにカルシウムをはじめとした栄養素をきちんと摂ることで、骨を頑丈にしておくことです。この時期にダイエットなどできちんと栄養が摂れていないと、将来的な骨粗しょう症のリスクが大きくなります。特に摂食障害がある人は、骨粗しょう症になりやすいのです。
学校生活で言うと、多くの小・中学校では給食で牛乳が出ます。それが高校では無くなってしまうので、牛乳を飲む習慣のない女子であれば、カルシウムを摂取する機会が少なくなります。また運動をすると骨が強くなるのですが、運動機会のあまりない子や部活を止めた後には、骨が弱くなる傾向にあります。本当は思春期にきちんと骨の教育をすべきだと考えています。
骨粗しょう症の症状が進むと、軽く尻もちをついただけでも骨折ということも珍しくありません。年を重ねてからの骨折は著しくQOLを下げますので、注意が必要です。
骨粗しょう症の予防には、きちんとカルシウムを意識して食べる、お日様を適度に浴びる(紫外線を浴びることで、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが生成されます)、適度な運動をすることなどが重要です。年を重ねてからではなく、若いうちからこのようなことを意識して生活するようにしてください。
ちなみに花粉症の時期で言いますと、抗アレルギー薬の「セレスタミン」という薬があります。これは抗ヒスタミン剤とステロイドの合剤で、副作用として骨がもろくなります。そのため、この薬を使用する場合は注意が必要です。
所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
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