月別アーカイブ: 2021年7月

はらこどもクリニックスタッフ 新型コロナウイルスワクチン接種について

はらこどもクリニックでは全てのスタッフが5月21日に新型コロナウイルスワクチンの2回目の接種を終えたことをご報告致します。

1回目接種後に抗体検査をした結果、全員に中和抗体があり、回復した軽症者の方より高いくらいの数値がありました。

2回目接種後では、拓麿副院長の抗体検査の結果、19000AU/ml以上の数値がありました。原院長が4700AU/mlを超えていました。

これはコロナウイルスに感染し、回復した患者さんに比べても、大幅に高い数値です。軽症の感染者の方の抗体値は個人差はあるものの数百AU/mlが多いようです。(スパイクタンパクのリボゾーム受容体ドメインのIgG抗体=中和抗体)。

この数値を見ても、ワクチンの効果がかなり高いことが分かります。

副反応については、原朋邦院長については、特に何もありませんでした。新井先生は接種した方の腕に少し痛みがあったのと軽いだるさはあったものの、1~2日で回復しています。拓麿副院長については、発熱はないものの強いだるさがありました。

看護師の中には発熱者が複数出ました。熱が高くなったケースもありましたが、1~2日で下がっています。基本的に重篤な副反応はなく、全員2日程度で回復しています。

副反応で発熱した場合には、アセトアミノフェン系の解熱剤を使用しても問題ありません。熱が辛い場合には、カロナールを処方してもらったり、市販の解熱剤を使用しても大丈夫です。

接種後は人によって痛みや発熱もありますので、お仕事が休みの日の前日に接種したり、もしくは接種の次の日は休みにしてもらうなどの対策を取った方が良いかと思います。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

mRNAワクチンの有効性が高い理由【内科】

 

現在、世界中で様々な新型コロナウイルスのワクチンが出回っています。日本で使用されているのはファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンです。この2つのワクチンは90%を超える高い有効率があり、他のワクチンに比べても、非常に有効性が高いことが分かっています。

ウイルスベクターワクチンであるアストラゼネカのワクチンは、有効率約75%、またシノバックの不活化ワクチンは50%程度という調査結果もあるようです。

こうして見ると、シノバックのワクチンは、効果が低いように思われますが、そもそも不活化ワクチン自体の有効率はそれほど高くありません。例えば私たちが毎年のように接種するインフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、有効率は50%程度だと言われています。

有効率とは、ワクチンを接種しなかった場合と接種した場合で、どのくらい発症者が減少したかの数字です。例えば100人の人がいてワクチンを接種しなかった場合、50人の人が感染症を発症したとします。対してワクチンを接種した場合、発症者は5人に減少しました。
発症者の数は50人→5人になり45人の減少です。ワクチンを接種していない時の発症人数を100%とし、割合に直すと発症者が100%→10%になり、90%減少したことになります。この減少の割合を有効率と言います。有効率50%の場合は、ワクチンを接種した場合でも100人中25人の人が発症する計算になります。

新型コロナのワクチンでmRNAワクチンの成績が良いのは、液性免疫だけではなく、細胞性免疫を誘導するからと考えられています。
液性免疫はウイルスのスパイクタンパクに対応する抗体を作り、ウイルスのスパイクを無効化し、細胞に取り付きにくくする免疫反応です。
対して細胞性免疫は、ヘルパーT細胞とキラーT細胞によって、ウイルスに感染した細胞をウイルスごと殺してしまうようなイメージです。液性免疫が反応の性質上、変異株に対して効果が低いのに比べ、細胞性免疫は変異株にも高い効果を示すことが分かってきています。

ウイルスベクターワクチンも細胞性免疫を誘導しますが、ベクターに対する免疫反応が起こるため効率が悪くなっている可能性があります。
不活化については、液性免疫のみの誘導になり、抗体増強反応を起こす可能性もあることから、今回の新型コロナウイルスに対しての効果は厳しいものがありそうです。また、ウイルスを無害化する時にタンパク質が変質しているほか、本来抗体を作るために必要なタンパク以外の、余計なタンパクも含まれているため、どうしても効果は弱くなってしまいます。

ただしmRNAワクチンは、RNAが物質として非常にもろいため、取り扱いに難があります。アストラゼネカのワクチンは、ファイザーやモデルナのワクチンに比べれば取り扱いは簡単で、1回接種で良いというメリットもあります。

また今後は日本のシオノギの組み換えタンパクワクチンも出てくる予定です。組み換えタンパクワクチンは既にB型肝炎ワクチンなどで実用化されており、取り扱いも難しくなく、コストも安価です。

このように有効率だけではなく、ワクチンによって様々なメリット・デメリットがありますので、流行の状況を見ながら、適切にワクチン接種を進めていくべきでしょう。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379

糖尿病の予防、若い時からできること

糖尿病と言うと年をある程度とってから罹る病気だというイメージがあるかもしれません。しかし、近年では、若い方でも発症する方が増えてきています。

また幼少期や若い頃の生活習慣が、大きく影響を与えることも分かっていますので、若いからと言って油断せず、気を付けておくことが大切です。

若い時からできることとしては、やはり「標準体重をできるだけ維持すること」です。運動をして筋肉をつけて、基礎代謝を上げておく。食事の時は、食べる順番を意識する。べジファーストで最後にご飯を食べれば血糖値の上がり方も緩やかになります。(懐石料理などはこの食べ方になっていて、非常に理にかなっていますね。)夜遅くに食べない、もし食べてしまっても寝るまでに時間を置くことも大切です。

人間年を取ると、必ず体重のコントロールが若い時のようにいかなくなる時がきます。そうなる年齢を少しでも遅らせること、もしその時がきてもなるべく体重の増え方を緩やかに抑えるためにも、普段から意識して食事や運動を行っていきましょう。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック
〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379