月別アーカイブ: 2020年2月

[小児科]お子さんが苦手な薬の飲み方

今子育てをされている親御さんたちが子どもの頃、薬を飲むときは「水か白湯じゃないとダメ!」なんていうことを言われた方は少なくないのではないでしょうか?

では実際のところ、薬は水で飲まないと効き目が悪くなるのでしょうか?・・・結論から言いますと、基本的に効き目が悪くなることはありません。何で飲んでも大丈夫ということです。お子さんが薬の苦味を嫌がる場合などは、ゼリーやジュースで飲んでもらって構いません。(※ただし、グレープフルーツジュースについては、一部特定の薬とNGな飲み合わせがあります。他のかんきつ類は大丈夫です。)

そもそも人間の胃の中はpH2ほどの強酸性です。飲み薬はその環境下でも効くようにできているので、食べ物・飲み物で大きな影響を受けることはまずないでしょう。

また錠剤が苦手なお子さんも多いですね。そんな時はチョコレートを使って練習してみましょう。板チョコを小さな粒状にして飲んでみたり、ベビーチョコのような粒状のチョコを使ったり、チョコだと思うと錠剤と同じような大きさでもすんなり飲めてしまうことも多いようです。最終的にマーブルチョコが飲めるようになれば、もうどんな薬だって怖くありません(笑

錠剤は砕いて飲ませてもいいのですが、苦い薬を糖衣で覆っている場合が多く、砕くとその苦味が出てしまいます。なるべくそのままで飲めるように練習してみましょう。

所沢市の小児科・内科・アレルギー科・糖尿病内科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
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[内科]抗菌薬と耐性菌について

抗菌薬の乱用と、それが引き起こす耐性菌の問題については、当ブログでも度々触れてきましたが、未だに医療界に大きな問題として存在しています。

(※一般的には抗生物質と言われることが多いですが、抗生物質というと抗がん剤なども含むほか、カビや細菌から生成するのではなく、化学的に合成される薬もあるため、現在では「抗菌薬」と言います。)

日本は他の国に比べて抗菌薬の使用頻度が高く耐性菌が発生しやすい状況となっており、世界的に見て耐性菌の輸出国と認知されてしまっています。数年前のサミットで安倍首相がその汚名を返上するため、抗菌薬の使用を1/3に減らすという宣言を行いました。それにより医療行政の流れも変わり、抗菌薬の乱用は、一時期よりは減りつつあります。

大きな病院などでは、抗菌薬を医師一人の判断でむやみに使えないようにしているケースも多くなりました。京都大学附属病院が、抗菌薬を使用するための委員会を設置し、その使用を厳格に管理し始めたのを皮切りに、全国にその流れは波及しています。

ただし個人の開業医の場合は、医師個人の知見、判断に拠ることになります。そのため、開業医はきちんと抗菌薬の有効性と危険性を学ばなければならないのです。

実際には多くの人にとって、耐性菌は余り身近なものではないかもしれません。耐性菌に感染したとしても、健康な人は軽い症状でおさまる場合が多く、問題になるのは病院などでの院内感染だからです。ですが、もし何かの病気にかかって入院した時、特に小さいお子さんや高齢の親御さんなどを想像してみてください。耐性菌による感染症に対し有効な手立てが打てず、症状が重篤化することは決して珍しい話ではないのです。

抗菌薬と耐性菌の問題は、医師だけではなく、患者さん側の問題もあります。日本には「何でも抗菌薬を飲めば治る」という概念が少なからずあるからです。

是非耐性菌の問題、頭の中に入れておいてくださると幸いです。

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