以前、夏風邪について書いた時にも触れましたが、今回は夏風邪の代表格であるアデノウイルスについて、もう少し詳しく紹介してみたいと思います。
アデノウイルス自体は、一年中活動しており、常に感染は起こっているのですが、最もその感染が広がるのが夏真っ盛りの時期です。代表的な症状としては、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎、胃腸炎などがあります。
アデノウイルスは非常に厄介なウイルスです。まず変異しやすく、型がどんどん増えています。現在確認されているのは67種。ぞれぞれが別の型なので、一度アデノウイルスに感染し抵抗ができたとしても、別の型には感染し症状が出てしまいます。そのため、1シーズンに何回もアデノ由来の夏風邪にかかるということも珍しくありません。そして、型が多いため、何型がどんな症状を引き起こすのか、(一部代表的な型については分かっていますが)それほどよく分かっているわけではありません。
多くの型に共通するのは「発熱」で、その経過が長いことが特徴です。大体4~5日、熱が上がったり下がったりを繰り返します。ただし重症化することはほとんどなく、感染しても比較的元気なことが多いです。昼間は熱が下がっていることも多いので、その時間にお子さんがはしゃぎ過ぎたりするのには注意しましょう。ワクチンや特効薬はありませんので、基本的には感染してしまったら対症療法となります。
また、最も厄介なこととして、症状が治まっても2~3週間程度は体外へウイルスを排出します。プール熱、流行性角結膜炎の場合は学校感染症に指定されていますので、症状が治まってからプール熱は2日間、角結膜炎の場合は感染の恐れがなくなるまで登校禁止とされていますが、ウイルス自体はまだまだ排出されているわけですから、実際のところ余り意味のある対応とはいえません。そのため、集団生活の中で感染が広がりやすいのです。
長くなってしまったので、続きはまた次回。
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