夏の食中毒対策 はらこどもクリニックブログ

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梅雨時から夏にかけて心配なものに「食中毒」がありますね。夏の食中毒は菌が体内に入り、その菌が体内で毒素を作り出すことで発生するものが多いです。主な原因菌としてサルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌などが挙げられます。

サルモネラ菌は鶏肉や鶏卵に付着していることが多い細菌です。少量のサルモネラ菌を摂取しても食中毒になることはなく卵1個や少量の鶏肉で発症することはまれです。理論上は1gほど鶏のフンを食べなければ発症しません。しかし、高温・高湿度では、爆発的に増殖するため、サルモネラ菌のついた食品を、夏の室温で放置しておくと危険です。6時間程度で発症レベルにまで増殖するといわれています。バーベキューなどでお肉を常温放置する場合などは気をつけたほうが良いかもしれませんね。ちなみにサルモネラ菌は、低温に強く、冷凍保存しても死滅はしません。

カンピロバクターは動物のフンにいる菌です。比較的少ない菌量(100個程度)で発症するといわれています。こちらも低温に強く、4℃でも長期間生存します。冷蔵庫の温度では死滅しません。近年、細菌性食中毒の中では発生件数が最も多く、年間300件、患者数にして2,000人程度おられるようです。少し前に野外のフードイベントで、お肉の寿司が原因の大規模な食中毒が出ましたが、これもカンピロバクターが原因と分かっています。またお肉だけではなく、魚介類を生で食べた場合にも発症する可能性があります。

病原性大腸菌は、様々な種類があるのですが、最も注意しなければならないのが、腸管出血性大腸菌です。代表的なものにO-157があり、ニュースなどで見聞きしたことがあるかと思います。こちらも少量の菌(100個程度)で発症します。ベロ毒素という強い毒素を出し、溶血性尿毒症症候群というものを引き起こす場合があります。毒素によって赤血球が破壊され溶血がおき、腎不全を引き起こし、尿毒症を発症します。

最近では、冷蔵・冷凍技術が上がり、小児の夏の食中毒は少なくなってきています。とはいえ、油断は禁物です。どの菌が引き起こす食中毒も、生食や加熱不足による感染が多くなっています。夏場はしっかりと食品に火を通して食べるようにしましょう。

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

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