前回に引き続き、予防医療の観点から考える事故予防について、ご紹介します。前回お話したように、1~14歳の死亡原因の第1位は「不慮の事故」となっています。それだけ危険性が高いものなのに、家庭における事故対策は普及しているとは言いがたい状況になっています。それはなぜなのでしょうか?
例えば、お風呂の水はすぐに抜いているか、ストーブなどの暖房器具にふれなれないようにしているか、階段に柵を設置しているか、高いところに昇れてしまうような踏み台となる棚やケースが置いていないかなどなど、事故防止のためにできる具体的な対策はたくさんあります。
しかし、現実には、うちはきちんと見ているから大丈夫という意識で、対策を怠ってしまっていることがほとんどです。
事故というのは、ひとつの事故が他の人への教訓にならないのが厄介なところなのです。一般論や他の事故のケースを挙げても、「うちは大丈夫」という感覚になってしまいがちで、そのご家庭ご家庭にあわせ、具体的な指導を行わないと、事故防止対策が進まないのが大きな問題です。
親御さんが子供のためにできることの中では、簡単かつ重要な分野にもかかわらず、そういう情報が周知されていなかったり、教育がされていないのです。このことは小児科学会でも非常に問題になっており、学会誌などでも随所で事故防止対策にういての記事が掲載されています。さらにいうと、事故防止対策について書いた書籍も多数出版されているのですが、なかなか状況が好転していないのが実情です。
子供の事故を減らすには、親御さんにきちんとした知識と意識を持っていただくことがとても大切です。お子さんの命と健康を守るため、少しでも日常生活の中で、事故の危険性を意識してみてくださいね。
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