前回に引き続きスギ花粉アレルギーに対する「舌下免疫療法」のお話です。
舌下免疫療法にも問題点はあります。実際にところ前回も少し書いたように治療が長引くので、ついつい薬をやめてしまう患者さんが多いのも実情です。治療の始めの方や花粉が飛んでいる時期こそ辛いので頑張って治療しようとは思うそうなのですが、花粉症の症状がおさまると、治療に対する決心も鈍ってしまうものなんですね。
海外では治療をきちんと継続する人が、1年目で7割、2年目では3割まで減ってしまうというデータがあります。日本では1年目で9割ほどだと言われているのですが、はらこどもクリニックでの実感としては、7割程度ではないでしょうか。
お手軽ゆえに始めやすいのですが、やめてしまうのも簡単なのですね。
治療を考えている方は、前回ご紹介した皮下免疫療法(増量期週1、維持期月1通院して注射)と舌下免疫療法(1日1回家で薬を服用)を比べてみて、お子さんにとってどちらが続けやすいか、またご自身がどちらが続けやすいか検討してみてください。
皮下免疫療法のネックは、やはりアレルゲンの増量期に頻繁に通院する必要があるところ。舌下免疫療法のネックは、ついつい面倒でお薬を飲み忘れてしまうところでしょう。ちなみに効果としては、一般的に皮下免疫療法のほうが高いといわれています。
安全のため、花粉が飛んでいる時期に治療の開始はしません。次に新規で始めるのは、花粉がおさまった5月頃からでしょうか。もし今シーズンの花粉症で辛い思いをしていて、この治療法に興味があるという方は、資料等をお渡しできますので、お気軽にご相談くださいね。
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