病気と症状」カテゴリーアーカイブ

子供にも2型糖尿病が増えている はらこどもクリニックブログ

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子供の2型糖尿病が増えています。昔はほとんどいませんでしたから、これは驚くべきことです。

まず第一に食生活が変わったこと、そして運動習慣のない子供が増えたこと、また外遊びをしない子供が増えたことも影響しているでしょう。

子供の糖尿病については、国や自治体の方も重く見ており、学校健診で尿糖に以上があった場合には、その場で検査センターに連絡されたうえで、すぐに家庭に連絡するというような体制ができています。(1型の場合は、急激に症状が進行することがあるため。)

小児の2型糖尿病は症状が浅い場合は治ります。しかし、治療はそれほど簡単ではありません。子供だけではなく、家族全体の生活習慣が大きく影響しているからです。子供だけを診ればよいという訳ではなく、家族全体を診療しなくてはなりません。治療には家族の理解と努力が不可欠です。

糖尿病の場合、診断基準がはっきりとしているため、データを見て「糖尿病です。」という病名はすぐに診断できますが、そこからどうコントロールするかをきちんとできる医師は多くありません。それが小児であればなおさらです。

また、男性医師の場合、糖尿病だから食生活を改善してくださいということは言えても、では具体的にどんな料理を作ればよいかという具体的なアドバイスがしにくいという面もあるでしょう。

糖尿病の治療には、まさしく家族診療・ファミリーメディスンという考え方が必要です。はらこどもクリニックでは、この理念に基づき、患者さんが信頼できる糖尿病治療を行っていきたいと考えています。

所沢市の小児科 はらこどもクリニック

〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町2-1379
診療時間 午前 8:40〜12:00  午後 15:00〜18:00
受付時間 平日 8:30〜18:00  土曜日 8:30〜12:00
休診日 日曜日 祝日 (年末年始 お盆休みあり)

1型糖尿病と2型糖尿病 はらこどもクリニックブログ

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みなさんは糖尿病には大きく2つのタイプがあるということをご存知でしょうか?

そもそも糖尿病とは、インスリンの作用が上手く働かないため、血中のブトウ糖を上手く活用できず、血糖値が高くなっている状態を言います。

1型、2型があって、それぞれ発症のプロセスや治療についても全く異なります。(ちなみに他にも妊娠糖尿病などもあります。)一般的に「糖尿病」として知られているのは2型糖尿病のことで、日本においては糖尿病の大多数(約90%)を2型が占めています。

1型は、インスリンを作る細胞に対し、自分自身の身体の免疫が働いてしまい、細胞を壊してしまうことが原因で起こります。体内でインスリンを作ることができなくなるため、治療としては定期的にインスリンを体内に注入する必要があります。小児に発症することが多く、糖尿病全体で見ると1型の割合は約3%となっていますが、15歳以下でみると、約15%という高い割合となっています。子供が1型糖尿病を発症した場合には注意が必要です。高血糖になり、急激に合併症が進んで死に至る可能性もあります。

2型はインスリンの分泌量が減ってしまったり、インスリンに対し身体が鈍感になり効きにくくなるという病気です。食生活や運動不足が原因とされ、症状が軽い場合は、生活習慣を改善することで症状が治まる可能性もあります。昔はほぼ完全に大人の病気でしたが、現在は子供でも2型糖尿病がみられるようになっています。

次回のブログでは、子供の2型糖尿病について書いてみたいと思います。

 

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夏風邪の代表格:アデノウイルスの症状と対策 その2 はらこどもクリニックブログ

前回に引き続き、アデノウイルスについてのお話です。

アデノウイルスの予防については、手洗いうがいは有効とされていますが、飛沫感染が主な感染ルートのため、例えば学校などの集団の中にウイルスを保持しているお子さんがいた場合、有効な予防法はほとんど無いと言って良いでしょう。

また家族の中に感染者が出た場合、二次感染も多くなります。エタノールや次亜塩素酸ナトリウムによる消毒は有効ですので、感染者が出た場合は、トイレなどを中心にしっかりと消毒をする、タオルを感染者と共用しないなど、細かいことではありますが、家庭内での二次感染を防ぐためにできることはあります。繰り返しますが、症状が治まってもウイルスは排出されていますので、しばらくは消毒を続けましょう。

アデノウイルスに感染しているかどうかを調べる検査キットもありますが、それを使用することにそれほど意味があるわけではないと思います。インフルエンザのように、対応する薬があれば検査をする意味がありますが、アデノウイルスだと分かっても特段やれることはないからです。

また検査キットはそれほど感度が良いわけではないので、感染していても出ない場合もままあります。はらこどもクリニックでは、患者さんがどうしても知りたいという場合は検査をしますが、特におすすめはしていません。

学校が夏休みに入り、感染の拡大は緩やかになると思いますが、まだまだ流行しているので、気をつけてくださいね。

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夏風邪の代表格:アデノウイルスの症状と対策 その1 はらこどもクリニックブログ

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以前、夏風邪について書いた時にも触れましたが、今回は夏風邪の代表格であるアデノウイルスについて、もう少し詳しく紹介してみたいと思います。

アデノウイルス自体は、一年中活動しており、常に感染は起こっているのですが、最もその感染が広がるのが夏真っ盛りの時期です。代表的な症状としては、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎、胃腸炎などがあります。

アデノウイルスは非常に厄介なウイルスです。まず変異しやすく、型がどんどん増えています。現在確認されているのは67種。ぞれぞれが別の型なので、一度アデノウイルスに感染し抵抗ができたとしても、別の型には感染し症状が出てしまいます。そのため、1シーズンに何回もアデノ由来の夏風邪にかかるということも珍しくありません。そして、型が多いため、何型がどんな症状を引き起こすのか、(一部代表的な型については分かっていますが)それほどよく分かっているわけではありません。

多くの型に共通するのは「発熱」で、その経過が長いことが特徴です。大体4~5日、熱が上がったり下がったりを繰り返します。ただし重症化することはほとんどなく、感染しても比較的元気なことが多いです。昼間は熱が下がっていることも多いので、その時間にお子さんがはしゃぎ過ぎたりするのには注意しましょう。ワクチンや特効薬はありませんので、基本的には感染してしまったら対症療法となります。

また、最も厄介なこととして、症状が治まっても2~3週間程度は体外へウイルスを排出します。プール熱、流行性角結膜炎の場合は学校感染症に指定されていますので、症状が治まってからプール熱は2日間、角結膜炎の場合は感染の恐れがなくなるまで登校禁止とされていますが、ウイルス自体はまだまだ排出されているわけですから、実際のところ余り意味のある対応とはいえません。そのため、集団生活の中で感染が広がりやすいのです。

長くなってしまったので、続きはまた次回。

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ムンプスワクチン、やった方がよい理由 その2 はらこどもクリニックブログ

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前回に引き続き、ムンプスのお話です。

ムンプスウイルスは、基本的に唾液などを介した飛沫感染です。その一番の予防はムンプスワクチンの接種です。ムンプスワクチンは、おたふく風邪ワクチンと呼ばれることも多く、おたふく風邪を予防するワクチンと思われている方が多いと思いますが、実際には前回書いたような様々な病気(髄膜炎、脳症、難聴、膵炎等)を予防することにつながる重要なワクチンです。

しかし残念ながら、日本では接種率は30%ほどだといわれています。日本ではムンプスワクチンは定期接種ではなく、任意接種となっているからです。自治体によって公的補助が出るところもありますが、そうでないところでは、かなり接種率が低いというのが現状です。

世界的に見ると、先進国では定期接種になっている国がほとんどです。ムンプスの単独ワクチンではなく、MMR-麻疹、ムンプス、風疹の混合ワクチンで接種するのが一般的です。欧米のデータでは、2回接種している国では、ムンプス患者数は99%減少しています。

日本では、MMRワクチンは未承認のため、ムンプスの単独ワクチンとなります。基本的には2回接種で、1歳になったら1回、その後2年経ったら2回目を接種するようなスケジュールです。本来ならば他の国と同様に定期接種にするべきワクチンですので、現在定期接種化に向けて議論が行われており、近い将来、定期接種化されることが期待されています。

8,000人に1人程度の割合で、無菌性髄膜炎になることがありますが、本物のムンプスワクチンでの髄膜炎より症状は軽く、重症にもなりにくいものです。接種後、発熱や嘔吐が続くような場合には、病院で診察を受けてください。

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ムンプスワクチン、やった方がよい理由 その1 はらこどもクリニックブログ

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皆さんはNHKの朝の連続テレビ小説「半分、青い。」をご覧になっているでしょうか?

視聴率が20%を超えることもあり、とても好評なようです。この物語の主人公は、幼い頃、左耳の聴力を失ってしまいます。「ムンプス難聴」というもので、ムンプスウイルスが原因とされています。

ムンプスウイルスは、一般的にはいわゆる「おたふく風邪」を引き起こすウイルスとして認識されています。しかし実際には、「半分、青い。」の主人公のように、他にも様々な症状を引き起こす厄介なウイルスのひとつなのです。

おたふく風邪は、正式には「流行性耳下腺炎」と言われます。耳の下あたりにある唾液腺が腫れるのが特徴の感染症で、頬が腫れる様子がおたふくに似ていることから、おたふく風邪といわれるようになりました。症状としては、唾液腺の腫れ、それに付随する痛み、発熱などがあります。症状は軽いことが多いのですが、髄膜炎、脳症、難聴、膵炎など、まれに重篤な合併症を引き起こす場合があります。特に髄膜炎は、10%程度の割合で発症するとされていて、他の感染症と比べてもかなり高い割合となっています。(ただし、ムンプスからの髄膜炎は比較的予後が良いと言われています。)

ムンプスウイルスは、体内に侵入すると脳や脊髄に入ってしまうウイルスだということが分かっています。ムンプスウイルスは不顕性感染、何も症状が現れない感染も多いのですが、そのような場合でも調べると、髄液中の細胞が増えていることがあります。難聴も同様で、耳下腺が腫れるなどの症状が出ておらず、感染に気がつかないまま、いつの間にか耳がやられてしまうケースが発生します。ムンプス難聴は、700人に1人程度の割合といわれていますが、片側だけではなく両側難聴になる場合もあるので注意が必要です。

今回はムンプスに感染した時の症状などを紹介しました。次回はそのワクチンについて書いてみたいと思います。

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夏の食中毒対策 はらこどもクリニックブログ

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梅雨時から夏にかけて心配なものに「食中毒」がありますね。夏の食中毒は菌が体内に入り、その菌が体内で毒素を作り出すことで発生するものが多いです。主な原因菌としてサルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌などが挙げられます。

サルモネラ菌は鶏肉や鶏卵に付着していることが多い細菌です。少量のサルモネラ菌を摂取しても食中毒になることはなく卵1個や少量の鶏肉で発症することはまれです。理論上は1gほど鶏のフンを食べなければ発症しません。しかし、高温・高湿度では、爆発的に増殖するため、サルモネラ菌のついた食品を、夏の室温で放置しておくと危険です。6時間程度で発症レベルにまで増殖するといわれています。バーベキューなどでお肉を常温放置する場合などは気をつけたほうが良いかもしれませんね。ちなみにサルモネラ菌は、低温に強く、冷凍保存しても死滅はしません。

カンピロバクターは動物のフンにいる菌です。比較的少ない菌量(100個程度)で発症するといわれています。こちらも低温に強く、4℃でも長期間生存します。冷蔵庫の温度では死滅しません。近年、細菌性食中毒の中では発生件数が最も多く、年間300件、患者数にして2,000人程度おられるようです。少し前に野外のフードイベントで、お肉の寿司が原因の大規模な食中毒が出ましたが、これもカンピロバクターが原因と分かっています。またお肉だけではなく、魚介類を生で食べた場合にも発症する可能性があります。

病原性大腸菌は、様々な種類があるのですが、最も注意しなければならないのが、腸管出血性大腸菌です。代表的なものにO-157があり、ニュースなどで見聞きしたことがあるかと思います。こちらも少量の菌(100個程度)で発症します。ベロ毒素という強い毒素を出し、溶血性尿毒症症候群というものを引き起こす場合があります。毒素によって赤血球が破壊され溶血がおき、腎不全を引き起こし、尿毒症を発症します。

最近では、冷蔵・冷凍技術が上がり、小児の夏の食中毒は少なくなってきています。とはいえ、油断は禁物です。どの菌が引き起こす食中毒も、生食や加熱不足による感染が多くなっています。夏場はしっかりと食品に火を通して食べるようにしましょう。

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はしか(麻疹)が大流行しているように見える理由は?【埼玉県】はらこどもクリニック

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今年の麻疹(はしか)の流行がこれほど大きく報道されている理由のひとつに、麻疹(はしか)が全数報告になったことが挙げられます。国から指定された感染症については、発症者を診たら、保健所に届出を出すという決まりになっているのです。

実は麻疹(はしか)は、2007年に大流行しています。この時はワクチン1回接種だった世代が当たってしまったのです。1回接種だったうえに、周囲に麻疹(はしか)がない状態だったので、大人になるにつれ抵抗が落ちてしまったと考えられています。また、1回ならまだしも、接種を受けていない人もかなりの数いたようです。そのため、今年の流行とは比べものにならないほど感染が拡大し、早稲田、上智、駒澤大学などで全休校になり、当時は非常に大きく報道されました。原拓麿副院長は、当時は横浜の病院に勤務しておりましたが、1日に30人ほどの麻疹(はしか)患者さんを診ていたとのことです。

このような大流行の反省を踏まえ、2013年から麻疹(はしか)は、全数報告指定の感染症となりました。今年は、全数報告になってから初めての流行になるので、物事が大きく見えてしまっている側面があると思われます。

5月9日現在の報告では、全国での患者数は200~250人くらいです。2007年と比べて考えると、決して多いと言えません。また今の子供達はワクチンを2回接種していますので、抗体をきちんと獲得していると考えてよいでしょう。今26歳~39歳の世代が、上に挙げたワクチン1回接種の世代なので注意が必要です。今まさに子育てをしている世代にあたりますね。ご自身がワクチンを打ったかどうか、一度確認してみるのが良いと思います。そして、最も注意が必要なのは、まだワクチンを打っていない2歳未満のお子さんです。

もう一度書きますが、怖いのは必要のない人がワクチン接種を求めることで、本来打つべき子供たちにワクチンが行き届かなくなることです。大人の方は報道に惑わされず、冷静になって過ごして頂ければと思います。

 

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はしか(麻疹)が流行?でもひとまず冷静に。【埼玉県】はらこどもクリニック

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3月に沖縄で「はしか」の感染者が報告されてから、全国にその感染が広がっています。ニュースなどでも報道されており、心配されている親御さんも多いのではないでしょうか。ワクチンができてからは、日本では、「はしか」は余り見られない病気となっています。今回は改めて「はしか」について、書いてみたいと思います。

「はしか」は正式には「麻疹」といわれる感染症です。大体4~6月にかけて流行し、感染すると90%以上の割合で症状が出ます。潜伏期は10~11日と言われています。症状としては、最初に発熱が始まり、2日目以降、鼻水や咳が出てきます。頬の粘膜に「コプリック斑」といわれる発疹が現れるのが特徴ですが、感染者全てに出るわけではないので注意が必要です。コプリック斑が出ない場合、症状が風邪に似ており、初期では診断が難しい病気でもあります。特に若い医師では、麻疹(はしか)を診たことがないという人もおり、判断が難しくなる場合もあるでしょう。感染すると、喉の粘膜が非常に汚くなるのが特徴であり、はらこどもクリニックでは、そういった部分も含めて診断しています。

3人に1人は重篤化し、特に子供が感染した場合、気道が大人よりも狭いため、呼吸困難など症状が重くなりやすいです。1000人に1~3人は死亡するという、致命率の高い感染症でもあります。

空気感染のため感染力は非常に強く、有効な予防法はワクチン以外にはありません。感染の強さを示す数値で比べてみると、インフルエンザ:2~3、水痘(水ぼうそう):8~10、麻疹(はしか):16~21となっており、その感染力の強さを実感して頂けると思います。

江戸時代には子供が麻疹(はしか)に罹って生き残れるかどうかでその運命が決まったことから、「命さだめ」と言われていたそうです。また、将軍の子供も麻疹(はしか)に罹ったという記録が残されています。庶民から発症した麻疹が、感染を繰り返し、人ごみから隔離されているはずの将軍家まで届く、すさまじい感染力だと言えますね。

さて、ここまで麻疹(はしか)のおそろしい側面を紹介してきましたが、今回のブログのタイトルにもあるように、今回の流行に関しては、少し冷静になる必要があると考えています。

まず、麻疹(はしか)についてはワクチンによる予防が、唯一にして最大の予防になります。現在では麻疹(はしか)については、基本的に風疹との混合ワクチンであるMRワクチンになりますが、1回接種で95%以上の人に抗体ができ、2回接種することで残りの5%の人にも抗体がつくと言われています。ワクチンを1回でも打っておけば、仮に感染して症状が出たとしても、症状は軽くなります。MRワクチンは定期接種になっていますから、きちんと接種しているお子さんについては、それほど心配する必要はありません。

また、一度感染すると抗体を獲得し、その抗体は一生続くと言われています。一部テレビ番組等で、「抵抗力の弱い高齢者は、ワクチン接種を受けた方が良い」という報道があったそうですが、それは全くデタラメといっていいでしょう。きちんとした麻疹ワクチンが流通したのが、昭和40年代の後半ですので、それより前の世代、現在46歳以上の人は、ほぼ麻疹(はしか)に罹患している世代です。昔は麻疹(はしか)の流行期となれば大変なもので、毎日のように1日何十人という麻疹患者さんを診たものです。ですので、高齢者はほぼ麻疹の抗体をもっていますので、大丈夫です。怖いのは、こういった報道がされることでパニックになってしまい、ワクチンの必要のない世代が、我先にと接種を求めることです。それによって本来ワクチンを打たなくてはならない子供たちにワクチンが行き渡らなくなることが、最大の問題です。

はらこどもクリニックにも、報道を見てワクチン接種を希望する高齢者の方が来院されましたが、このようなことをしっかりと説明し、納得して接種なしで帰っていただいたこともあります。

長くなってしまったので今回はこのへんで。次回は、今年、麻疹(はしか)が大流行しているように見える理由を書いてみたいと思います。

また、はしかについては、原院長のFacebookにも色々な情報を載せていますので、そちらも是非ご覧になってみてください。

 

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夏風邪と冬風邪との違い

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暖かくなってすごしやすい季節になったと思ったら、すぐに夏のような気温になってしまいますね。なかなかちょうど良い気候というのが続くことはないようです。

寒い冬場の風邪は厄介ですが、気温が上がったら上がったで、夏風邪といわれる風邪が出てきます。本格的な夏風邪シーズンの到来を前に、今回は、夏風邪と冬風邪の違いについて、ご紹介したいと思います。

まず冬の風邪は、気道感染するものが多く、咳や鼻水などの呼吸器症状が多いことが特徴です。原因となるのはインフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、ライノウイルスなどとなっています。

対して夏風邪は、アデノウイルスが原因となることが多いです。アデノウイルスには型が67もあるため、一度かかっても他の型には免疫がカバーされず、1シーズンに何度も夏風邪をひくということも珍しくありません。症状としては、発熱が主で経過が長いのも特徴のひとつです。いわゆるプール熱といわれるもので、結膜炎を併発する場合もあります。また、保菌者からのウイルス排泄期間が長く、症状が治まっても排泄されるため(大体2週間程度と言われています。)、集団の中で流行しやすいという面もあります。

アデノウイルスでの夏風邪では、特別な治療法はなく、対症療法が中心です。脱水症状に気をつけて水分をこまめに摂りつつ、熱が下がるまでしっかりと休養をとることが大切です。また予防については、手洗いうがいは有効だとは言われているものの、上記のようにウイルスの排泄期間が長く、予防しにくいウイルスです。ご家庭内で感染が出た場合は、治ったからといって安心はせず、トイレのエタノール消毒(ノロウイルスの消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウムでも大丈夫です。)を行ったり、タオルを感染者と共用しないなどの二次感染対策をとりましょう。

その他、手足口病を引き起こすエンテロウイルスも、夏風邪の代表格といえます。エンテロウイルスは、症状が重くなる場合もありますので注意が必要です。

ちなみに冬風邪も夏風邪もウイルスが原因で引き起こされる症状です。抗菌剤である抗生物質は効きません

 

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